玄米ごはん族のあしたのたのしみへ

玄米と野菜、果物で今日から明日へ。農業と穀物菜食の日々

規模の限界

2020-02-29 00:40:05 | 知識
 有機栽培稲作には保険は適用されない。農薬、化学肥料を使わないのだから減収するのは当たり前というわけ。
 除草剤、化学肥料を使うのは基本中の基本、使うのは当たり前。それを使って減収したのではやむを得ないということで保険金が支払われる。
 有機栽培稲作は基本を守らないので出ない。

 それでは、有機栽培稲作はどこに万が一の場合の保障を求めれば良いのか。
 保障は、ない。
 万が一に備えて収入源を別に持つしかない。この農外収入で一息つける。要するに兼業農家。自分で自分を保障する。
 規模拡大する場合、借地料がたいへんだ。万が一を考えて契約書には非常事態条項を入れておく。借地料を0にする条項。地主様が合意しない場合は契約しない。

 どこまで規模拡大できるか、はどこまで借地できるか、と同じ。
 計算してみると、
借地料K円/1000m2、補助金H円/1000m2、借地面積Sm2、全圃場面積Zm2、借地面積割合s、減価償却G円/年、とすると
支出は
借地料=KS円
減価償却=G円
支出合計=KS+G
収入は
補助金=HZ円
農外からまわせる金額=N円
収入合計=HZ+N
差額=支出-収入
 =KS+G-(HZ+N)
 =(KS/Z+G/Z-(HZ/Z+N/Z))Z
 =(Ks+g-H-n)Z=0にする。
 Ks=H+n-g
 s=(H+n-g)/K

sの最低はn=gの時で
 s=H/K
 nがgを下回るとマイナスになる手前、要注意。その先は破綻。

 H=10000円、K=40000円、
とすると、s=1/4=0.25
25%以上の借地はよほど考えたほうが良い、というガッカリの結果。4倍ぐらいは借りても大丈夫だろう、などと逆に考えたくなるがそうすると破綻。万が一を考えるとやめたほうが良い。
25%借地で増やして限界。これが借地料20000円と半分になると50%増やせる。だが、その金額では地主様は土地改良関係費を払えない。

 H-gは例年マイナスなのでnを大きくすればsが増える。これは、完全に兼業農家路線。有機栽培稲作はこれ以外の路線はないことが数式で出た。
 有機栽培稲作は兼業で。

 この数式から、借地で規模拡大すると、借地割合は、農外収入からまわせる金額で変わる。
 借地の有機栽培稲作をどんな時でも安定して行うには、外からまわせる金額で借地割合を考えること。それと、借地料は分母になるので少なければ少ないほど良い。
当たり前の結論。

 農外収入を期待できるようにしておくこと。万が一の時に農外収入も万が一の事態になって0になると地主様にたいへんな迷惑をかけることになる。

 まとめると、万が一には兼業収入で債務を支払う、保険金はないと考えること。

 借地してまでするもんじゃない、と数式が証明している。天候が自由になれば万が一のことは考える必要はないが、農薬、化学肥料はそれに近い状態を作れるようだ。だから保険がきく。

 有機栽培稲作農家は、現代社会で保険無し、のことやっているのだから江戸時代以前に住んでいることになる。全方位に体だけで向きあっている。


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保険

2020-02-28 01:14:21 | 
 有機栽培農家には行政から補助金が出ている。万が一の場合、助かる。保険金はとてももらえそうもないのであきらめるしかないので補助金が唯一の救い。
 借地の契約金もこの補助金の範囲になっていれば何とかなる。そのうえで減価償却もなんとかできるのレベルになっていれば来年に希望がある。

 行政で農地の貸借の仲介をしてくれている。農地集積の補助金があるが契約の最初の年度だけだ。
 借地の場合、保険金に頼れない有機栽培農家は補助金をベースに考える以外に万が一に対応できない。契約金は補助金と等しいことがもっとも良い。ところがこの補助金は土地改良償還金や土地改良区に支払う維持費に満たない。
 貸すほうは土地改良関係費をまかなってそれ以上を期待しているのだろうが、借りるほうは有機栽培の補助金でなんとか、となると最初から無理だ。
 有機栽培農産物は単価が高い、といっても震災など非常事態には風評被害で売上はどうなるかわからない。農協などバックがあれば売り先を確保できても、組織のない有機栽培農家はこういう時丸裸同然だ。守ってくれるものは補助金だけ。維持費と償還金に消えてしまうがそれでも債務が減る。

 大規模農家が有機栽培を始めるとこのような危険な状態にいつ何時襲われるかわからない。
 昨年の台風による減収を、慣行栽培の保険金でカバーできれば良いが、玄米ごはん族ように100%有機栽培では借地の面積の割合によっては来年度につなげることができないかもしれない。

 こうしてみると、農家にとって有機栽培稲作などは危険きわまりないのでやめたほうが良い、となってしまう。玄米ごはん族はそれをやっているのだから、万が一のことを考えていないことになる。
 震災後、こんな危ない橋を渡ってきたのか。

 解決法は一つだ。地主が有機栽培の危うさを理解して契約書に非常事態条項を入れることだ。その時は借地料を無料にする、という強力な合意の表れ。
 そのためには地主様は生活の心配のない豊かな暮らしをされていることが前提になる。
 そのためにはわが国の経済力が十分地主様をうるおしていることが前提になる。
 有機栽培稲作は日本の経済力のお荷物か。万が一は地主様のご理解をお願いしたいのだが、できなければ破綻しないように所有地で行うだけだ。
 
 現代社会では有機栽培の規模拡大では地主様のご理解の合意の元でやっと成り立つ、ということがわかった。
 それでは、有機栽培以外になかった江戸時代はどうだったのか。幕府、藩はどのような理解をして合意していたのか。言うことを聞かないとーーーーは成り立たない。圧倒的多数のきわめて聡明な農民を強制はできない。
 江戸時代の現代で言う保険は、数件がまとまって構成された組だ。組は絶対に脱落者を出さないように運営された、連帯責任で。生きも詰まるように描写されるが、はたしてどうだったのだろう。脱落は流浪だ、これを恐れたので保険として有効に機能した。



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気楽にできるか

2020-02-27 00:49:24 | 
 規模拡大で効率的農業を目指している。当たり前だが周囲を見回すと大きな農家は数えるほどで小さな農家は離農している。有機栽培の野菜を購入するのと同じで、できないものは買うしかない。

 この前の講演会でお話をされた大規模農家様は失敗談をおもしろくお話された。想像もできないが、生じた損害は当農園と比べ桁違いだろう。
 有機栽培農家様とは限らず大規模農家に時々お話をお伺いするが、皆さま、失敗したことをにこやかにたいしたことないように話される。失敗の規模も0が一つ多いように思えて、桁違い。 
 それが例年のこととして会計上問題なく処理されている。それが収入になるとして当農園に当てはめると何年分になるかーーーーーーー
 
 玄米ごはん族は、震災以来右肩下がりで上向いたことは一度もないので例年のこととして損失とは考えていなかった。損失そのものだが、将来にそなえる研修費ぐらいの認識だ。全面積が低下するのでどうしても損失とは。次年度は向上する、とそれだけ考えてきた。とにかく減価償却さえできれば続行ということで。
 昨年の二つの台風はすざましいものだった。玄米ごはん族には大打撃だった。そのかわり体はおおいにノビノビして健康法にも磨きがかかった。健康法というより普遍的な真理だ。
 作業方法も見直した。取り扱い量が激減し農作業場も解体したこともあって冬はゆっくりするにかぎる、暖房は使わないが温かいところで行う、とか。

 今年になり、同じ稲敷市で有機栽培に取り組んでこられた農家が有機栽培をやめたらしい。なぜ、やめられたか、わからない。きっと水管理がうまくいかずに雑草大繁殖になって我慢できなくなったのだろう。
 大規模農家のことは桁違いで考えつかないが、昨年の台風は大規模ゆえの長所が弱点になったような。だとすると、ほとんど賭け事のようなーーーー
 有機栽培圃場には保険は期待できない。他と栽培方法が違うということで、農薬を使わないので減収は当たり前だ、となってしまい保険を適用してくれない。適用してもらいたかったら農薬まけ、と。玄米ごはん族にかぎるが、肥料を使わなければ減収は当たり前だ、と。
 
  
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田植前にやること

2020-02-26 01:35:33 | 
 先日、民間稲作認証センターで有機認定の講習を受けた。これで、来年度も有機稲作を続けることができる。
 午後は、稲麦大豆三毛作についての講演会があった。すでに麦や大豆を米と同じように生産されている農家様が講演された。やろうとしてもできなかったことを実行されている。本当にすごいことだ。
 どうもありがとうございました。

 講演会では稲葉先生のDVDを観賞した。その中で、稲麦二毛作について信じられないようなことが映像になっていた。とてもできない。どうすればできるのか、と考えても諦めるしかない。
 そういう作業方法は少し前まで行われていた。手作業の時代だ。それを機械化農業の中に取り入れてしまうのだからすごい。
 収穫できなければすきこんでしまえ、と思っているのに確実に収穫されている。

 農家様のお話で、田植前にやることで重要なのは水管理だ、とよくわかった。田植後も重要だがそれ以上に田植前からの水管理、これにつきる。
 こちらで田植をするころになると用水機場が週に二回停止するようになって水が入ってこなくなり最初からウンザリだが、田に苗がないからといって水がなくても良い、などと思っていると雑草大繁茂になる。
 苗どころか雑草もあまり出ていない時の管理方法、これが出発点。まともにできるかどうか、何としても。

 田植前から田の見回りが必要。そのうち、ドローン発進、ミュージックスタート、ーーーーーーー、一曲中に見回り終了、で趣味もかねて。

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発汗

2020-02-25 07:54:03 | 健康
 今年の冬は喉の痛みがはやばやと治った。うっかり食べすぎたほうは咳が出るようになってどうしたのだろうと原因がわからなかったが、良く考えると穀物菜食を取りすぎていた、ということがわかり少飲少食にして治った。
 鉄骨コンクリート床の農作業場での作業は体が冷えるばかりで休憩しながらだったが、暖冬のおかげで助かった。

 今考えると、どうせ休むなら汗をかくような運動をすればよかったかもしれない。体を動かすのが嫌いなので、屋外の運動はいくら厚着しても汗が出ないだろう、とわかっているので住居の部屋の中だった。ネットサーフィンで目だけ使っていた。

 屋外でも汗をかくようになって、少飲少食にしていたので喉の痛みが例年になく早い時期に消えた。
 寒くて寒くて休憩などしなくても良いようにする。今度作る農作業場は断熱構造にする。厚着していれば、少しの作業でも汗をかくことができるようにする。
 今年の冬は雨ばかりで空気が気持ち良い。例年、砂ぼこりが舞い上がっている季節だが過ごしやすい日が続いている。
 雨の日に天窓は用がない。かえって放熱がはげしいのでつけないことにする。
 夏は窓を開ければすむが、冬は閉めきって太陽光をあてにしない構造にしておく。厚着すれば汗をかけるよにしておく。
 農作業そのものは軽い。指先の作業が多い。普通の作業衣で汗は出ない。厚着して厚着して汗が出れば排毒になる。
 
 断熱材の選定、その厚さ、窓の形状、枚数、など考えることはたくさんある。
 重要なことは、雨の冬でもどれだけ簡単に汗が出るか。

 休憩して穀物菜食を少飲少食いただき排毒過程の痛みに耐える方法も良いだろう。この冬の経験がなければ、そういう方法が一番良いと思っただろう。
 そうすると、住居の部屋にこもり気候が温かくなるのを待つ、という消極的なものになるので時間つぶし、暇つぶしそのものだ。それでも良いなら良いが排毒過程がその分長引く。
 部屋の中で、エアロビクバイクでもこぐとかして汗をかく方法もある。体を使うことを嫌いな人間がやるとは思えない。ネットで目を使うぐらいだ。

 今年は、取り扱うものががっかりするほど少ないので雨の寒い日は休憩で、連日休憩のようなことになって、おかげで頭を良く使えた。
 休憩でも汗をかく、これが重要。汗をかくなら休憩にならない、と普通考えるが夏は休憩でも汗が出る。
 それに、風邪のようになれば嫌でも発熱と発汗。
 連日、夏が続いて汗で排毒すれば呼吸器系からの排毒など必要ないので、オールシーズン健康だ。

 冬でも汗の出る農作業場。

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