弁護士太田宏美の公式ブログ

正しい裁判を得るために

共和党候補の12回目の討論会について思うこと

2016年03月12日 | 日記

今回は、15日に行われるフロリダ州等の予備選挙前の討論会でした。
初めて内容のある討論ができたようです。
10分の1くらいしか理解できませんでしたが、感想です。

  

ルビオはトランプに勝てるか

フロリダ州はルビオの地元です。地元で勝てないようではチャンスはない。
ちなみにクルーズは地元のテキサスで勝っています。
今回の討論会の注目は、まずルビオです。

ルビオは雄弁ですが、上滑りのイメージでした。
例えば気候変動のことを聞かれて「気候はいつも変わっている」という言い方を
していましたが、これって詭弁です。
元気で早口で一気にしゃべることはできますが、内容がいまいちかなと思う。
ということで復活はしなかったと思う。

トランプのキーワード

いくつか気が付きました。

BELIEVE ME! TRUST ME!

日本語でいえば、まかしといて!ということなんでしょうが、どうして任せられるかの
説明はありません。要は信じろ、任せろというだけです。ただ、頼もしい雰囲気は
ある。
普通はBELIEVE ME ”BECAUSE”と繋がっていくものですが、彼には
BECAUSE部分がなく、飛躍していくわけですが、何となく騙されてしまう。
(成功した実業家だからとエコーするのかもしれない。後記しますが、成功の仕方が
本当は問題だと思う)
そして、次のキーフレーズである。

I HAVE FRIENDS
I KNOW SYSTEM ANYONE  
NOBODY

友達がいる、とか、自分は誰よりもよく知っているなどがくるのです。
ここでは、世界中の有力な人の名前が挙がってくるし、
政治や実業界を知っているということがでてくるのです。
政策にかかわるようなものではなく、あの人この人を知っている、あのこと、このこと
を知っているというたぐいのものです。
庶民には手の届かない世界のあんな大物を!というわけで、煙に巻かれてしまうのです。

DEAL 
EASILY

そしてあれは悪いDEALだ、自分はGOOD DEAL ができるEASILYと
続くのです。GOOD、BADのところでは、みんなが憤りや不満を持っていることを
取り上げる。自分はいろいろDEALをしてきたと畳みかける。
でもなぜ、どのように、ということは決してないのです。

トランプの場合、誰のためかが問題です。
トランプ氏は自らの事業のために活動し、成功を収めていることは事実でしょう。
問題は、そのような過程で身につけた実務的な知恵や”コツ”といったものを、公共のために
使うという決意があるのか、できるのか、ということです。
判断材料の一つとして、いわゆる”コツ”的なものをどのようにして取得したかを知ることは
重要と思う。
トランプは多くの政治家にいわゆる金をばら撒いています。ヒラリーにも前回の共和党候補
のロムーニーにも、まだクリスクリスティー(撤退後トランプを推薦)にもです。
(クリスティーはニュージャージー知事ですが、このあたりにはトランプのカジノがあるのです。
またチャンスがあれば二人の繋がりについても書きたいと思う。)
彼の場合は”自分の事業のため”にです。つまりワシントンの(だけでなく州の)政治腐敗の
一方の当事者なのです。政治の世界のエリートではありませんが、そのエリートを裏で
自己の利益のために操っていた張本人なのです。
このあたりをどのように考えるかだと思います。

クルーズについて

彼は政治家からスタートしたので、やはり公共とか公益を意識しているように見えます。
それはルビオも同じです。
中身のある議論をしていたと思います。
夢を与えられるか、が課題です。
最初のオバマは夢があった。有権者をインスパイアする力があるかです。
ルビオはバーデンダーの息子、クルーズは皿洗いの息子、そしてトランプは成功した
ビジネスマンの息子(ケーシックについては聴き取れませんでした)と。
そこから、どのようなストーリーを語れるかがポイントかなと思う。

全体についてー政権交代のために

今回はまともな討論会になっていました。そうすると、これまでほどの面白みはない。
両党を通じてサンダースが一番おもしろい。
共和党はまだクルーズでまとまったわけではない(ほど遠い)。まだまだドラマがありそう。
今の腐敗をただすためには、民主党から共和党に変わることがまずは第一歩である。
トランプがダメならクルーズしかない。
トランプ離れをし、トップのポジションを作れるかである。
自らのストーリーを語ってである。

自分の土俵で戦う

弁護士活動をしていていつも話していることの一つに、
相手の土俵で戦うな、自分の土俵で戦え!と。
そのためには、自分の土俵を作ることができるかどうかが、まずは一番重要なのである。
しかし、これはまた一番難しいことである。

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日本人の立場からするといずれの候補になってもいい方向ではない。
日本はもっと自立すべきと思っている。