弁護士太田宏美の公式ブログ

正しい裁判を得るために

アメリカの大統領選について(民主党編)

2016年03月07日 | 日記

スーパーサンディの結果が出ました。
次のとおりです。

まず、共和党はクルーズが復活してきました。ルビオは完全に脱落です。
どうやらトランプ対クルーズの一騎打ちになりそうです。

さて、民主党ではサンダースも頑張りました。州単位ではクリントン1:サンダース2
ですが、代議員数ではクリントンの勝ちです。

マスコミ等ではトランプもクリントンもまずまずとの評価です。
ただ、私は民主党と共和党では別個の評価をすべきではないかと考えています。
おもしろいことに共和党は残った二人はエスタブリッシメントからは嫌われているのです。
ですから、トランプもクルーズも自らの力で勝ち取ったものなのです。

ヒラリーは本当は弱い!

民主党はどうか。
サンダースについては自らの力で勝ち取ったものです。

党全国委員会の委員長は元ヒラリーの選挙責任者
大統領選挙では党の全国委員会(National Committee)が中心的
役割を担っています。
民主党の場合、その委員長はヒラリーの関係者です。2008年の選挙の際のヒラリー
選挙対策最高責任者(共同)の一人のデビー・シュルツが委員長なのです。
もともと中立的でない委員長ですが、その委員長は実際にも、ヒラリーのための選挙を
しているのです。利益相反(CONFLICT of INTEREST)ではないか
という声もあります。そのとおりです。

サンダースのマスコミ露出を組織的に妨害
ヒラリーは知名度抜群ですが、サンダースは全国的には無名状態でした。
各州の予備選挙が始まり、マスコミ露出が増すにつれ、知名度も上昇していますが、
それでも十分ではありません。
委員会の方針は、いかに他の候補の露出を妨害するか、なのです。
したがって、テレビ討論会の回数を減らすことです。
ヒラリーの露出チャンスを増やすというよりは、他の候補の露出を減らすという方針なの
です。ヒラリーの露出を増やすメリットよりも、他の候補の露出を増やすことによる
デメリットの方が大きいという判断なのです。

ヒラリー以外を支援すると罰を与える

さらに、議員などがヒラリー以外の候補者の討論会に出るなどするとサンクションがあるのです。
つまり、その議員のマスコミ露出度を減らすということです。
ですから党の主催する討論会にも参加させないのです。
要は仲間はずれですね。
これって、パワハラですよね。
つまりヒラリー以外の候補者を利する行為をとった場合、党の選挙責任者自ら
その人に罰を与えるというわけです。
これって、自らの政治家としての首を絞めるのと同義です。ですから不満はあっても
あるいはアンチ・ヒラリーであっても表向きは反ヒラリー行動はとれません。

ヒラリーは自信を持ってお勧めできる商品(大統領)ではない?

ということは、党の内部でもヒラリーは強い候補とはおもわれていない。
強い候補の自信があれば、ここまで厳しくしないはずです。
たとえば、ヒラリーが強いとされる黒人層ですが、実際には彼らはサンダースという
有力な選択肢があるということを知らずに、ヒラリーに投票している可能性が大。
それが、討論会を制限する党委員会の真の狙いではというのが、個人的疑い。

民主党の予備選挙は茶番?

ヒラリーは本当は勝ってはいない

そして、サンダースはそのような中で、自らの所属する政党から、いろいろな
妨害や嫌がらせを受けながら、それなりに勝利しています。
全党あげて保護されているのですから、ヒラリーは勝利して当たり前なのです。
サンダースに勝ちをさらわれている、勝てないというのは、要は、実質負けなのです。

したがって、トランプについては順当に勝っているという表現は間違いではないが、
トランプもヒラリーも同様に勝っているという表現は間違いです。
勝ち数では同じであっても事情が異なります。
ヒラリーの場合は、勝つべきところを落としているのです。

若手ゴングレスウーマンの反乱!

つい最近、民主党全国委員会の共同副委員長のタルシ・ガバード(ハワイ州選出の下院
議員、女性)がサンダース支持を表明し、あわせて同時に副委員長を辞任しました。
理由は、リーダーの立場にある者が、意見を意にする者を力で黙らせるような組織は
危険である、副委員長就任したことで言論の自由を放棄したつもりはない等です。
特に、彼女はイラクに駐留したこともある退役軍人です。その経験から、ヒラリーのイラク、
リビアに対する外交政策に反対なのです。
マスコミも民主党の事情はわかっているのでしょう。ガバード氏に対して、党のしっぺ返し
の危険がある中での思い切った決断をしたことについて、驚いていましたから。

ということは民主党の予備選挙は、茶番なんだと思います。

一つのことをフォローしていると表向きの報道や発言がいかに事実と異なっているか
がわかってきます。

ヒラリーは賞味期限切れの候補

本当はヒラリーは強くないという事だと思います。
日本でも先の選挙で細川氏や小泉氏(特に小泉元首相は余力を残して引退した感があり
ました)が原発反対で立ち上がりましたが、結果を残せませんでした。
つまり、賞味期限切れの候補ではないかということです。

ヒラリーに老いの影が・・・

もう一つ、気づいたことがあります。
アイオワかサウスカロライナだったか忘れましたが、勝利演説後、夫のビル・クリントンと
一緒に演台から降りる姿が一瞬ですが、テレビ画面に映っていました。
階段を転ばないよう互いにいたわりながら降りる姿は、まさしく老夫婦でした。
ショックでした。

老いというのは実年齢とは直接関係ありません。
トランプは夫人が若いせいでしょうか(余談ですが、直近の共和党の討論会で、顰蹙を買った、
大きさ??発言があったようですが)クルーズやルビオの横にいても、若くはありませんが
エネルギッシュで、いわゆる「老い」を感じさせることはありません。

現時点で感じていることです。
ということで、こういうヒラリーに対抗する共和党候補は誰が(トランプかクルーズか)に
ついて考えたいと思います。