ここは、『ミミアート』のすぐそばにある、大きな湖のそばの森の中、ここで、カズヤ、ミリア、ルイスは休憩していた。どうやら、カズヤの包帯を代えているところのようだ・・・・。
ミリア「うん♪♪だいぶ治ってきてる♪」
カズヤ「・・・・みたいだな・・・・」
ミリア「・・・・それにしても、あんなに強いカズヤがさぁ~、こんなにダメージを受ける相手って一体・・・・」
これを聞いて、カズヤは、苦笑する
カズヤ「・・・・ああ・・・実はな・・・女なんだよ・・・・」
ミリア「!?女!!?」
これを聞いて、カズヤは更に苦笑する・・・・。
カズヤ「・・・・ああ・・・それも・・・人間の・・・な・・・・」
このことに、ミリアは、驚きを隠せなかった・・・・。
ミリア「?・・・・えっ・・・じゃあ・・・どんな武器で・・・全身・・・火傷してたの・・・・??」
カズヤ「・・・・いやっ・・・それがな・・・武器として持っていたのは剣だったのだがな、それも火傷のダメージとは関係なくてな、手からエネルギーのようなものを放出してたんだよ・・・・」
ミリア「?エネルギーのようなもの??」
カズヤ「・・・・ああっ・・・・」
ミリア「?炎とかでもなく??」
カズヤ「炎とかでもなく、むしろ、ピカピカ光っている感じだった・・・・」
ミリア「?光??」
カズヤ「・・・・ああっ・・・・」
ミリア「・・・・光かぁ~・・・・」
この後、ミリアは、深く考え込む・・・・。
ルイス「・・・・話を聞いてる限り、それは、グレア帝国の聖騎士団お得意の『気功術』だな・・・・」
こう言いながら、ミリアの後方から、ルイスが現れる・・・・。
ミリア「・・・・聖騎士団の・・・『気功術』・・・・」
カズヤ「・・・・聞いたことある・・・武術の延長線上の戦闘方で、『気』を操ることで、戦う方法だと・・・・」
このセリフを聞いて、ルイスは、コクンっと頷く・・・・。
ミリア「・・・・聖騎士団って、あの化け物のような集団の・・・・?」
これに対しても、ルイスは、コクンっと頷いた・・・・。
ルイス「・・・・そうです・・・あの・・・聖騎士団です・・・・」
ミリア「・・・・あの・・・・」
こうして、ミリアとルイスは、昔のことを思い出す・・・・。
~2年前~
ミリアが13歳、レアル王国がグレア帝国に攻め込まれ負けた日②・・・・。
ここは、レアル王国城外の戦場・・・・ここに軍のリーダーとして、ルイスが指揮をとっていた・・・・。
レアル王国兵①「ルイス様!!我が部隊全員でかかっても!グレア帝国軍の侵攻を止められそうにありません!!!!」
ルイス「何をやっている!!てこずっているのは!たった一人の少女だろう!!!!」
レアル王国兵①「ですが!!その少女は!聖騎士団の一員で!とんでもない『気功術』の達人なのです!!!!」
ルイス「えぇ~い!!分かった!!!!お前達は下がってろ!!!」
レアル王国兵①「了解です!!」
こうして、ルイスは、その聖騎士団の一員の暴れている戦いの前線の方に向かって行った・・・・。
ここは、その前線のあたり、この最前線で、肩の辺り位の長さの黒髪に、長袖の白いシャツ足にフィットしている白いGパンを白くて太い革のベルトでとめ、革の指なしの白いグローブ、白いマントを身に付けている14歳の少女が、剣術と気功術を使って次々と敵を撃退し、暴れていた。その少女の剣の鞘には『REI』と彫られていた・・・・そう、この少女は、昔の・・・・聖騎士団に所属していた頃のレイであった・・・・。
レアル王国兵②「聖騎士団!!!!話には聞いていたが!!」
レアル王国兵③「たった一人なのに!!化け物だああああああぁぁぁぁぁぁ!!!!」
この後も、レイは、息を切らせることもなく、無言で、ひたすらレアル王国の兵士達を撃退していった・・・・。
レアル王国兵④「くっ来るなああああああぁぁぁぁぁぁ!!!!」
レアル王国兵⑤「たっ助けてくれええええええぇぇぇぇぇぇ!!!!」
レアル王国兵⑥「まだ死にたくなぁ~~い!!!!」
レアル王国兵⑦「やっやめてくれええええええぇぇぇぇぇぇ!!!!」
こんな悲鳴もレイの心には響かず、ひたすらレアル王国の兵士と戦っていた。すると・・・・。
ルイス「おいっ!!貴様ぁ~!!!!」
こう言われて、レイは、声の聞こえてきた方向に振り向く。すると、そこにはルイスが、自らの剣で、こちらを指し示しながら、立っていた・・・・。
レアル王国兵⑧「おぉ~!!!!ルイス様だ!!」
レアル王国兵⑨「ルイス様!!!!」
レアル王国兵(10)「気を付けて下さい!!!!ルイス様!!」
レアル王国兵(11)「そいつは!化け物です!!」
ルイス「いいから!!俺に任せて!下がってろ!!!!」
レアル王国兵⑨「はいっ!!!!」
レアル王国兵⑧「ありがとうございます!!!!」
これを聞いて、ルイスは、コクンっと頷いた・・・・。
ルイス「・・・・貴様・・・名を名乗れ・・・・」
これを聞いて、レイは、体ごとルイスの方に振り向く・・・・。
レイ「・・・・レイ・・・・」
ルイス「・・・・レイか・・・・」
こう言いながら、ルイスは剣を構え直す(両手で)。
ルイス「レイよ!!!!俺と尋常に!勝負しろ!!」
レイ「・・・・死にたいのね・・・・」
こう言いながら、レイもルイスに向かって自らの剣を構える(片手で)。こうして互いに剣を構え、静かでいて、ピリピリした緊張感が漂っていた・・・・。
ルイス(・・・・さてっ・・・どう戦うか・・・・)
ルイスは、目で牽制しながら、レイとどう戦うか考えていた・・・・。
ルイス(・・・・戦うスタイルを見る限り・・・剣で接近戦、気功術で遠距離戦で戦うスタイルだと考えられる・・・ここは、『真空斬り』で牽制した後、急速に間合いを詰め、こちらの得意な接近戦に持ち込むのがベスト!!よしっ!!!!)
こんなことを考えながら、ルイスは、剣を振りかぶる・・・・。
レイ(?・・・・んっ・・・・??)
こう思いながら、レイは、怪訝な顔をする・・・・。
ルイス「うおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
こう叫びながら、振り被っていた剣を全力でフルスイングし、真空斬りをレイに向かって繰り出す・・・・。
レイ(!この波動は!空気の刃!!)
この後、レイは、真空斬りの間合いの外へと出るため、後方に跳ぶ。それにより、空気の刃は、間合いをひらいたため、自然に消える・・・だがっ!!
レイ「!!?」
いつの間にか、ロバートはレイとの間合いを急速に詰めていた。後方に跳ぶより前方に跳んだ方が速いからである・・・・がっ!!レイは不敵な笑みを浮かべる・・・・。
ロバート(!?何を笑ってやがる!??)
こう思いながらも、ロバートは、レイに斬撃を与えようとする。だがっレイの剣が、眩しく光る・・・・。
ロバート「!?何っ!!??」
レイの光る剣による斬撃によって、ロバートの剣は折れ、そのままこの斬撃をくらう・・・・。
ロバート「がはっ!!」
レイの光る剣の斬撃を食らったことで、鎧の上から胸を斬られてしまい、口から血を吐き、そのまま倒れてしまった・・・・。
レイ「・・・・良いせんいってたけど残念ね・・・・」
こうして、レイは、レアル王国城の方へ駆け出して行った・・・・。
ロバート「・・・・くそったれがぁ~!!!!」
この戦い、ロバートは、色々な意味で悔しかった。年齢的にも戦術的にも剣術においても・・・・。
~現在~
ロバート「・・・・っと言うわけで、聖騎士団の者は、化け物だった・・・・」
カズヤ「・・・・なるほど・・・・」
ミリア「・・・・聖騎士団・・・か・・・・」
こうして三人は、何とも言えない気持ちになっていた・・・・。
ミリア「?聖騎士団の者はみんなそうなの??」
ロバート「そのようです」
ミリア「・・・・そっか・・・・」
こう言いながら、ミリアは、深くため息をついた・・・・。
ミリア「・・・・いくら、追っ手を退け続けても、聖騎士団が来たら終わりなんじゃあ・・・・」
カズヤ「・・・・俺が戦ったやつも化け物だったしなぁ~・・・・」
ロバート「そうならないように、修練を重ねつつも、対策も練りましょう・・・・」
これを聞いて、ミリアは更に、深くため息をつく・・・・。
ミリア「・・・・そうだよねぇ~・・・・」
この後も、ミリアは深く、ため息をついてしまっていた・・・・。
この日の夜、今日は、満月の夜・・・・。こんな満月の夜に、レイは草原で立っていた。まるで、待ち合わせでもしていたかのように・・・・。
レイ「・・・・あなただってことは分かっている。姿を見せたら?カール・・・・」
こう言われて、カールは、レイの後方に姿を見せる・・・・。
カール「よく分かったな。さすが聖騎士団の元No.2♪」
レイ「・・・・こんな特徴的な気は、そういるもんじゃないからね・・・・」
これを聞いて、カールは、妙に納得し、苦笑する・・・・。
カール「・・・・確かに・・・・」
こう言いながら、カールは不敵な笑みを浮かべていた・・・・。