哲学的な何か、あと心の病とか

『人生とは何か、考えるほどにわからない。というのは実は正確ではない。わからないということが、わかるのである。』池田晶子

「自殺したい」と打ち明けられたら

2014年07月23日 | 哲学・心の病
医療の現場では、「自殺したい」と患者から打ち明けられたり、ほのめかされることはめずらしくない。
しかし、患者は誰でもよいから打ち明けたのではなく、これまでの関係からこの人ならば自分の絶望的な気持ちを受けとめてくれるはずだとの意識的・無意識的な判断をして、特定の人を選び出している。

「自殺したい」と打ち明けられると、医師や看護師でさえも強い不安がわきあがるのが普通であり、話をそらそうとしたり、おざなりな激励をしたり、叱責したりしがちである。
しかし、そのような対応をすると、いったん開きかけていた患者の心は再び閉ざされてしまい、二度と本心を打ち明けることはなくなってしまうかもしれない。

したがって、「自殺したい」と打ち明けられたら、批判や激励などを交えずに、その絶望的な気持ちにまず謙虚に耳を傾ける態度が望まれる。