哲学的な何か、あと心の病とか

『人生とは何か、考えるほどにわからない。というのは実は正確ではない。わからないということが、わかるのである。』池田晶子

戦争とは何か(「なぜ人は死を恐れるか」)

2014年07月09日 | 哲学・心の病
『戦争を恐れるということは、それを恐れる人にとっては、多く、死を恐れるということである。
なるほど生物であるところの我々は、本能的に死を恐れるけれども、生物でありながら他の生物と異なるところは、どういうわけか、その本能的な事柄について考えるという機能をもってしまっているところで、したがって、本能的に恐れているところの死についても、考える。
死ぬとはどういうことなのか。
(中略)
生きている人は、生きているということしか知らない。
ゆえに、人は、生きている限り、死ぬとはどういうことなのか、知る術はないのである。
知る術がない、それが何だかわからないものについて、恐れることができないのは道理である。
それが何だかわからないものだから恐れるのだというのが、まあ普通ではある。
しかし、恐れるという態度をとることができるということは、それを恐れるべきものだとやはり知っていることになる。
かく考えればわかることなのだが、人は考えることをしないで本能的に恐れたままでいるから、死にたくないために戦争したり、逆に美化して観念のために死んだりするわけである。
したがって、戦争の抑止力ということなら、死について各人が考えて気がつく以上のものはないのである。』池田晶子


あるテロリストたちは聖戦で死んだならば永遠の天国へ行けると信じて死んでいくが、死んだことがないのだからそうなるかどうかはわからないはずだ。

おそらく、死ぬとどうなるかということを冷静に考えれば、戦争を起こす気がなくなるのではないか?

そのように冷静に考えられずに感情が理性より勝るから、戦争が起きるのであろう。