滑り込みアウト

昼休み部屋を出るとビル中に響く怒鳴り声が下から聞こえてきた。１階で、知らない
おじさんが携帯電話で怒りまくっていた。

外に出て怒ってる原因がわかった。駐輪場に停めてない自転車を一斉にトラックに
載せている。私の自転車もない。

そのトラックはすぐ先に止まって次々に自転車を載せ続けている。近づいてみると
私の黄緑の自転車はすぐには降ろせない下の段に載ってるのが見える。

作業中の係りのおじさんに「私のが載ってます」と伝えたら、那の津にある自転車
保管場所を教えてくれ、本当は受け渡しは３時からだけど、今から降ろしに行くから
すぐ引き取れるよと教えてくれた。

引き取りには大金２千円がいる。私はタクシー代590円を払いトラックを追いかけた。
つもりだったが、着いてみるとトラックがいない。それにしても自転車だらけである。
７４００台くらい（後で聞いた）置いてあるらしい。

この中に昔盗まれた私の自転車も混ざってんのかなーと思いつつ、誰もいない受付
みたいな小屋の中の椅子に勝手に座って待っていた。しばらくして、広い保管場所の
遥か彼方の隅っこに小さくトラックが見えた。なんだ、着いてんのか。

走ってるつもりでも歩いてるようにしか見えない走りで到着すると、既に私の愛車には
登録番号の紙が張られていた。アウトだ。おじさんは「あと一歩やったねー降ろすのに
間に合ってれば登録する前でお金もいらなかったんだけどねー。今から毎日やるから
気をつけてねー」と教えてくれた。

仕方ない、法を犯した私が悪いんだから。都市高の下にある倉庫ばかりのその場所は
人は誰もいない。ここらへんで自転車乗ってる人は引き取りにきた人に違いない。

昼過ぎてすぐ、会社の前で選挙演説が始まった。なるほどね。

若いって素晴らしか？

久しぶりに「あぱぱ」と「タウンワーク」をスーパーから頂いて見る。

何々、年齢３５歳まで？４０歳まで？ふーん・・

「若いスタッフばかりです！」・・若けりゃいいのか？
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　私が入って平均年齢上げてやろうか？

「１０年ぶりに求人出します」・・す、すごいことなのかな？

年とってる方が子供も手を離れて落ち着いて仕事ができそうなのになー。
なんで３５歳までとか何やろう？

戦力外通告

本当は戦ってもいない。
１０月の契約更新の書類は届かず、私は蚕、いや解雇だ。

ずっといる気でいたのに想定外だ。仕方ないか、こんなブログ書く暇がある
暇な会社だもんな。

９月は残りの有休全部使ってヨーロッパでも一人旅してこようかな。
せいぜいハウステンボスだな・・。

それにしても再就職口あるかな、早く見つけないと正月の餅食べれないよ。
ハー天国みたいな会社だった、もうこんな会社にめぐり会わないだろう。

どこから話がころがりこんでくるかわからんからとりあえず声を大にして言おう。

私は求職中です。

●今度は真面目に仕事したいので、仕事がある会社希望です。
●会社に１人置いていたら楽しいと思います。
●あいそはいいです。
●香水のきつい匂いとかしません。
●楽しい友達がたくさんいます。

まだ成長期

サドルを一番低くしても足がつかなくて恐くて乗れなかった娘の自転車に
久しぶりに乗ったら楽々足がつくようになっていた。

足が長くなっている、絶対に。
それしか考えられない。

鼻毛ピョコピョコ

会社帰りに寄った近所のスーパーで同じマンションのご婦人と会う。
私の２倍はポッチャリした人だったのに少しだけ顔がほっそりしていたので
とりあえず社交辞令のつもりで「痩せませんでしたか？」と聞いたら、本当に
ダイエット中らしく、ものすごいお金かけてダイエットしてる話を聞かされた。

そう言えば体もしみじみ見てみると以前より細い。５キロくらい痩せたかなと
聞いたら、数字は教えてくれなかったけどもっと痩せたらしい。
時間とお金をかけたエステに通うダイエット話を一応ふんふんと聞いていたけど
そのうち私の目は別のとこに釘付けになった。

奥さん・・髭生えてるよ・・・それもうっすらどころじゃない。そう言えば、この前
フミオさんとこでも女の髭注意報が出てたよね。でも奥さん髭だけじゃなかった。
時々話の合間にぶっとい鼻毛がピョコと顔を出すとよね。ピョコと。ピョコピョコと。

困ったな、話聞くどころじゃないよ。まさか「出てます、時々出てます」なんて
言えないし。その後は髭と鼻毛ばかり気になって話も集中して聞いてない。
エステの人こそ教えてあげりゃいいのに。

奥さんは帰り道一緒に帰ってもっと話聞いて欲しそうだったけど、私はこれ以上
一緒にいて、何の発音の時にピョコが出るのかとか知りたくなかったので、先に
自転車でシャーッと帰った。

帰って洗面所に行き、髭よし！鼻毛よし！の確認をした。

例の指輪

塾なので録画してあげてた「本当にあった恐い話」を私以外で３人で見てる。
私は恐いのは見たくないから１人食卓で別の番組を見ていた。
時々「ひぃぃー！！」と娘の雄叫びが聞こえる。その声が恐い。

大声出そうと思ってら出るやん、バスケのゲーム中にもそんな声を出したらいいのに。

私は恐がりだし霊感とかまるでないけど、昔とても不思議な体験をしたことがある。

私の婚約指輪は、何もしてないのに３回傷がついた。
買ったはいいが私は指輪なんてめったにしない。一番最初にしたのは結婚式の日で
その次に出したのは「虎の穴」の畑やんの結婚披露宴に出席する日だった。

着飾ってさあ最後に指輪でも、と箪笥から出したそれはガツンガツンとえぐったような
傷がつきおまけにぐにゃりと曲がっていた。私は貴金属は詳しくないので一生懸命に
もとの形にもどそうとしたけど、曲がったままでビクともしなかった。

指輪は今では珍しいⅤ字と、芸能人が記者会見で見せるような普通のダイヤモンドが
ついてるセット物で、同じように２個とも傷がつき曲がっていた。

買った店に持って行ったら「力仕事でもしたんですか？」と聞かれたが、それくらいで
こんなに曲がったり傷ついたりしないよね。一応１８金だし。

店の人も首を傾げながらも数日間預けてたら元通りに直してくれた。

その次につけたのは、やはり「虎の穴」の、その指輪を買った店に前勤めてて私達に
紹介してくれた女の子の結婚式だ。

最初に傷がついた時一緒に店についてきてもらってたので、新婚旅行のおみやげを
持ってきてくれた時「あの指輪綺麗に直してもらったよー」と箪笥から出して見せたら
・・・・又傷がついて曲がってた。

さすがに私はその時指輪を放り投げてしまった。

つい最近だから今度は記憶は確かだった。あの日たった３．４時間しかつけてない
他に何もしてない・・・・ものすっごく恐かった。
私達は又買った店に持っていき、直してもらった後ずーっと店に保管してもらっていた。

３回目につけたのは旦那の弟の結婚式だ。店に引き取りに行ったら「その後どこも
どうもならないですよ」と渡された。

大阪での結婚披露宴の席で、隣の義母に「これが例の指輪ですぅ」と見せたりして、
宴の途中で指輪を見たら・・・どうもなかった指輪に・・傷がつき始めていた。

私は気味が悪くて、そのまま義母に日田に持って帰ってもらいお祓いをしてもらった後
日田在住の旦那の歯科技工士の友達に根元から切ってもらい分厚いリングにした。

そしてやっと指輪は傷がつかなくなった。おしまい。


今も家にその指輪はある。時々箱を開けて見るけど今のとこ大丈夫だ。だってあれから
その指輪してないもん。

今思うと、指輪は結婚式につけてた後おかしくなっていたようだ。でも、と言うことは
私がつけた後ってことにもなる。

とにかく、指輪は私達の何かの犠牲になってくれてたと信じる。信じようとした。

タカタ社長の野望

タイトルは「タカタ社長」だけでよかったけど、ただつけたかったと。

土曜日、TVをつけたら娘も私も大好きなジャパネットタカタのテレショップが
流れていた。あいかわらずタカタ社長テンションが高い。声も高い。

「生放送で更に！更に！安くなっております！」 タカタ社長のかん高い声に
フラフラとなりデジタルビデオカメラを注文してしまう。タカタ社長はだんだん
三田明（わかる？）みたいな顔になってきて、恐いもの見たさで番組を見てしまうけど
作戦は成功してるね。

とにかく９月に予定しているイタリア旅行にも間に合いそう♪←ウソたい。

月末のバスケの試合にも間に合うかもしれん。あと一台のカメラは業務用で重くて
使いづらいのにお父さんがなかなか撮影にきてくれんし、随分前から壊れたままだ。

これで試合を撮り娘と２人研究するのだ。ついでにチームメイトにもダビングして
勉強してもらおう。本当は試合を撮っていると、全く流れが見えないから試合中は
つまらない。でも後で何回も見れるから仕方ないか、私ゃ頑張って撮るよ。

で、土曜日に注文して月曜にはカメラ到着。タカタ社長早いね。

「前に撮影してたのも見れる？」と娘が嬉しそうに聞くが・・・・すまん、わからん。
ウキウキして箱を開けたが、以前のテープ？と、このおまけで梱包されてるテープが
同じものかさえわからない状態だ。私の文明開化は携帯電話で止まっとる。

とりあえず全部箱から出して並べた、説明書も眺めた、それからしばらく線など触って
又箱にそっと戻した。やっぱりお父さんにまかせた。私は撮影だけをマスターしよう。

夜、ご飯食べてお父さんに説明を受ける。「あーしてこーしてこうするったい」
「フンフンなるほどー」　教えてもらえば私の脳の配線もだんだんつながってくる。
もともと私の脳の配線はこういう機械物を理解する接続がなされていない気がするが
それ以前の、自力で覚えてやろうと言う気合の配線も切れてるようだ。

ひととおり説明を受け「お父さん、やはりあんたはろんてん家に必要な人だよ」と
しみじみ思った。家の観葉植物達もそう思ってると思う。

さくら オブ ジョイトイ

さくら、Ｍ字開脚で熟睡中

地域で守ろう

会社から帰宅中、家に曲がるひとつ手前の角の石垣に2人の小学1.2年の女の子が
座ってて、その女の子に一生懸命に話しかけるおじさんを発見。

通り過ぎて、やはり心配で振り返ってじっと見る。これも又怪しい。目が合ったので
おもわず「怪しく・・ないですよね？」と聞いた。おじさんは中腰になり「僕は小学校の
PTAの・・をやってます」ときっぱり言ったので安心して又こぎ出す。

が、そうだ「怪しいですか？」と聞いて「はい、怪しいです」と答える怪しい人はおらん
やろとすぐに引き返すが既に女の子もおじさんもいなかった。
数十秒の間にいなくなっている。車に乗せられたのかな？人さらいか？

なんだかものすごく心配になってきた。ここの通りは時々変質者もかっぱらいも出るし。
おじさんはPTAの何かやってるって言ったけど、家に小学生はいないからもう役員の
方の顔は知らない。

だいたいこんな明るい夕方に仕事してないお父さんは珍しい。PTAの役員の中に
本当にそのおじさんがいるか確かめなければ・・そうだ、I崎さんちにまだ小学生の
坊主がいたので知っているかもしれない。私はI崎さんに携帯から、これこれこういう
事があったので調べて下さいって頼んで家に着く。

部屋に上がって一息ついたとこに「ピンポーンI崎でーす、下に降りてきて」とI崎さんが
やってきた。急いで下に降りると、さっきのおじさんを連れてきてた。

正確に言うと、おじさんが私に会いたがったらしい。おじさんは元気に挨拶するけど
目が怒ってた。I崎さんとおじさんの2ショット見た時点で私は理解できてたから
ひたすら謝る。一言だけ「できれば何か学校関係者とわかる腕章などつけてもらってた方が・・・・」

するとおじさんは「私の顔は皆さんご存知です、これで覚えてもらえたでしょうか？！」
と言うので、顔を知らなかった私が悪いみたいな・・・。

このお父さんはPTAとして地域にものすごく貢献してる方らしく（私も名前だけは
知っていた）不規則な仕事の合間に校区のパトロールをしている、とても頭の下がる
お父さんだったのだ。

こんな方が地域にいらっしゃるとは心強いではないか。顔は知らなかったけど。
都会は田舎と違い近所との関わりが薄いけど、子供くらいは地域で見守って
あげなくちゃ、私も怪しい人がいたら懲りずに声かけするよ、と勝手に誓う。

それから、おじさんおじさんと書いたけど、私より若い。

ちびまるこちゃん

朝、髪切った私にお父さんは「ちびまるこみたいになっとる」と一言。
それって・・髪切ったこと一応気付きましたのつもりだけで言ってるんやろ？
どこをどう見たらこの髪型がちびまるこちゃんに見えるとさ。バーバラが聞いたら
泣くよ。いや怒るよ。

だいたい真剣に私の顔見てないやろ？見てたらこの頭がおかっぱじゃないことくらい
近所の犬だってわかるよ。別に私ゃ「髪型が変わったのに夫が気付いてくれない・・
夫は、もう、私を見てないんでしょうか・・」って悩む可愛い奥さんは卒業してるから
（そんな時期なかった）何も言わないけどさ。

それに「ちびまるこ」って呼び捨てにするのはおかしいよ。呼び捨てにできるのは
まるちゃん自身とまるちゃんの家族と、クラスメイトのはまじと永沢君とブー太郎
だけくらいだよ。丸尾君だって「さん」づけしてるんだからね。


ちょっと待て、落ち着こう、ヒッヒッフーー。

とにかく時々お父さんは友蔵じいさん（まるちゃんの祖父）みたいになる時がある。
自分で墓穴をせっせと掘ってる。息子はヒロシ（まるちゃんの父）かなー。あ、でも
友蔵寄りのヒロシだな。ま、親子だからね。

娘は・・・やっぱり野口さん・・何かやだなー。キャラクターは大好きだけど自分の娘が
野口さんだったらやっぱり扱いにくそうだな。

娘が小５の時、クラスメイトの良いところを全員分見つけてみようって授業があって
後日、クラス全員が娘のいいところを一言づつ書いた紙を持って帰ってきた。

みんなが「ろんちゃんはおとなしくてやさしいです」とか「ピアノがじょうずです」とか
書いていた中に、１人だけ「ろんてんさんはふつうはおとなしいけど影で笑ってる
気がする」とズバリ、娘を見抜いた男の子がいた。

しかし「影で笑っている」って、良いところなんだろうか？確かに野口さんはいつも影で
「クックックッ・・」と笑っている。きっとその子は影で笑うって良いとこだと思ってたんだろう。

私は楽しいまるちゃんちも好きだけど、実はたまちゃんちにも憧れている。
優しいお母さんとカメラでたまちゃんを撮るのが生甲斐みたいなお父さん。

なにより、たまちゃんがすごく優しい子だ。いつもバカなことして路頭に迷うまるちゃんを
はらはらしながら見捨てずにじっと見守ってくれる。娘もたまちゃんみたいになって欲しい。

私もたまちゃんみたいな友達が欲しかったなー・・・と思う時点で、私はたまちゃんではなく
「まるちゃん」だったと言う事に気付く。