隣りの吉田日記

レーサーが周りの景色気にしたらぶつかって死ぬよ

ストーカー卒業

2006-05-26 | いろいろ
「あーここでこう繋がることになってたのねと思ったわけよ」

と、S藤さんは説明した。
今度のコーチはバスケ部のあっこちゃんママことS藤さんの知り合いの娘さんだ。

S藤さんの息子が所属している少年野球チームの前監督がコーチのお父さんだ。
しかしS藤息子が入った時は既にお父さんは亡くなられていて、監督が大好き
だった先輩達の話と、今でも応援にかけつける奥様(コーチのお母さん)と会う
くらいだった。

実際会ったこともない人の繋がりで続く関係に、S藤さんはずっと奇妙な感じを
受けていたそうだ。

今回、コーチ登録前日に前監督の娘さんが今でも社会人バスケを続けているのを
思い出したS藤さん、

「あー何かすっきりしたわ」と晴れやかだ。

「私も私も!」と八百屋の犬と勘違いしながら毎日毎日話してた犬はコーチんちの
犬だったよって教えて、人間と犬を一緒にしたらいかんかいな?


私も犬ではなく、最近「あーここで繋がることになってたのね」と思ったことが
あった。

私の息子が歩き始めたばかりの頃だから、もう17年くらい前に初めてその人と
会った、というより見つけた。

スーパーの裏にある公園でその人は自分の子供が遊ぶのをじっと見ていた。
公園には数人の親子連れがいて、仲良しのお母さん同士は固まっておしゃべりに
熱中している。新参者はとても近寄れない空気だ。

でもその人はいつも一人で子供だけを見ていた。家の息子くらいのものすごく
元気なその人の息子は時々とんでもないことをしたが決して叱ったりはしなかった。
何をしても穏やかな顔で見守っていた。

私もいつも子供達だけと遊んでて、かと言って一人ぼっち同士話すわけでもなく
多分顔見知りと思い込んでたのは私だけだろう。その人は公園にきても子供しか
見えてなく、他の人の顔なんて興味なさそうだった。

それは私にとても好ましく見えた。群れてお喋りばかりしてるお母さん達より。

息子が保育園に通いだし、そう繁盛に行ってなかった公園にも殆ど行かなくなった
けど、時々スーパーでその人を見かけた。
あの元気な男の子と一緒だったり、若いご主人(多分)一緒だったり、そのうち
妹ができていたり・・・今考えてみると話したこともない人の家族構成まで知ってる
つもりだった私はとても薄気味悪い。
けどその頃はただ私の視界にいつもその人が自然に入ってきただけで、なんでかなんて
考えもしなかった。

でもここにきて、S藤さんみたいに謎が解けた気分だ。

その人は月曜日の部活保護者会の時、話しかけてきた。
「喘息気味の娘が嬉しそうに朝練にも出かけていくんですよ」って。

あーあの元気な息子の妹はバスケ部に入ってくれてたのね!
想像してた通りの優しそうな声だった。

それだけ、それだけの話。

一番感慨深かったのは、その後スーパーで会って「挨拶」した時。

娘は7月で引退だし、その人とも今世では挨拶だけで終わる縁かもしれないけど
とにかく謎が解けたって感じやね。
コメント
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