天と地
cast >> Hiep Thi Le, Tommy Lee Jones, Joan Chen, Haing S. Ngor, Debbie Reynolds, Susan Anspach, Dale Dye, Robert John Burke ...
writer, producer, director >>Oliver Stone(141min)
music >>喜多郎
soundtrack >>
実在のレ・リー・ヘイスリップの2冊の回想録『天と地〈ベトナム篇〉』 『天と地〈アメリカ篇〉』を基に、オリヴァー・ストーン( filmography )が脚色・製作・監督。
"ゲリラ" から "娼婦" へ、そしてかつての敵だった米軍人と恋に落ちて "渡米" し、再び祖国の地を踏むまでのベトナム人女性の数奇な運命を通して、さまざまな問題を投げかけながら40余年の半生を描いた真実の物語 ーーー。
1949年、フランス領インドシナ ーーー ベトナム中部の小さな村キーラで、貧しい小作農民プング夫婦に女の子が生まれた。未熟児ゆえ "間引き" を勧められたが、ママ(ジョアン・チェン "The Last Emperor" "Autumn In New York" ← 監督)は断固として断り、パパ・プング(ハイン・S・ニョール "The Killing Fields" )と共に、"レ・リー・ヘイスリップ" と名づけ、慈しんで育てた。
ところがレ・リー(ヘップ・ティー・リー)が10代になった頃『ベトナム戦争』が勃発。貧しいながらも、静かで豊かな生活は一変 ーーー。2人の兄はベトコンに身を投じて北へ行き、村に残ったレ・リーもベトコンのスパイとして働かされることに。ある日、南ベトナム軍に捕らえられたレ・リーは過酷な "拷問" を受け、ママ・プングは彼女の結婚費用として蓄えていた貯金で兵士を買収し、なんとか娘を取り戻した。しかし村に戻ったレ・リーに、村人たちは仲間を売った "裏切り者(二重スパイ)" の烙印を押し、身も心も引き裂かれ居場所をなくしたレ・リーは、ママと一緒に逃げるようにサイゴンへ・・・。
運良く裕福な家庭で住み込みの仕事にありついたものの、若いレ・リーは主人との "初恋" の末、妊娠。怒った妻に親子共々追い出されてしまう。母となったレ・リーは、生きるため "闇市" で物売りに。体だけは頑なに売らなかったが、ある日ついに "娼婦" に身を落とすことに・・・。そんなレ・リーの前に現れたのは、アメリカ海兵隊のスティーヴ・バトラー少佐(トミー・リー・ジョーンズ filmography )。彼はレ・リーを真剣に愛し、やがて彼女も彼を受け入れるように。そして北の攻撃が激しさを増した頃、レ・リーの胎内に新しい命が宿った。そうして 1975年、彼らは2人の子供を連れ、夫の故郷サン・ディエゴへと向かったのだが・・・・・。
想像を超える "壮絶" な半生で、もし自分だったら・・・と、想像することすら困難です。
彼女があの状況下で生き延びてこられたことは "幸運" と考えるべきか、死んでしまった方が "楽" だったと考えるべきか? ーーー やはり "生きている限り" は否応なく襲いかかってくる事実を受け止めながら、いや、考える間もないままに "必死に" 生きるしかないんでしょうね・・・。
やっと "平和" で "(物質的には)恵まれた" 生活を手に入れたと思いきや、今度は "文化の違い" や "宗教の違い" が立ちはだかり、"夫" にすら "ありのままの自分" を理解してもらえず、異国の地で子供を抱えて満たされない日々を過ごす虚しさ。結局、戦争が終わっても "敵" に囲まれ孤立状態 ーーー。「双方向」で互いを理解するよう努力して、"違いを認めて受け入れる" しかないのに、独りぼっちはあまりに辛い・・・。
"天と地"、そして "東洋と西洋" の狭間で生きるしかなかったレ・リーの半生 ーーー。
あまりにも屈辱的で、私なら途中で "放棄" する道を選んでしまうかもしれません・・・・・。
女性に、じっくりと観てほしい一本です。
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