福岡事件再審運動キャンペーン「私はわらじがぬがれない」

開始から55周年を迎える「福岡事件」再審請求運動
毎年各地でおこなわれるキャンペーンのためのブログです

6月10日11日 カトリック神戸中央教会

2014-06-17 21:13:14 | スケジュール
カトリック神戸中央教会での講演の様子について
   ご参加いただいた方から報告を頂戴しましたのでご紹介します。

  
①前日姫路の様子  ②カトリック神戸中央教会での様子

学生の頃から福岡事件再審運動に関わっている私にとって,今回の講演は,
この運動が「新たな段階」に入ったのだということを認識するのに十分な,大変有意義なものでした.

福岡事件そのものの事件概要や経過については,古川龍樹さんから丁寧な説明をいただき,
十分に知っているつもりだった事件概要にも,新たな発見や感銘を受けるものがありました.
特に西さんが獄中で日々,何を考え,どのように生き,どのような思いを抱きながら,
無情にもその命を絶たれたのかについて,西さんの日記や句集を元にしたリアルな考察は,
死刑強行後40年近くを経てなお,それを聞く私たちに西さんの無念を痛感させてなりません.

その雪冤の怒りを私たちが共有した上で,現実問題として福岡事件再審運動がどのように展開され,
また今後どのように展開されていくべきかについて,院生の当時からこの運動に携わり,
現在は刑法学者として活動していらっしゃる大場先生から,非常に分かりやすく,的確な解説を頂きました.
死刑事件の再審請求は,現行法制下では本人またはその家族にしか認められず,
そのため当事者とご家族のいずれもが亡くなられている福岡事件の場合,
手続き段階で再審請求への道が閉ざされています.そのため現在は,手続きそのものを緩和し,
再審を可能にする「再審特例法案」の成立を目指す運動へと,必然的にシフトして行かざるを得ません.

これは一見,大変厳しい状況に思えますが,少し視点を変えてみれば,
これによって多くの冤罪で苦しんでおられる他事件の関係者の方々との具体的な共闘関係,
あるいは運動の連帯性を獲得することが出来るのではないでしょうか.
私が冒頭で述べた「新たな段階」とはまさにこのことであり,
心情的にはもちろん同志であった多くの人々と実際に手を取り合い,国会に対して再審の機会拡充を,
そして将来的には死刑制度の廃止を訴えていく,その結接点になり得ると思うのです.

過去から現在に至るまで,冤罪事件は後を絶ちません.捜査機関の実務,法制度から,
根源的には人間の誤謬性まで,そこにはあらゆる問題が潜んでいます.それらの反省と是正なしに,
福岡事件の「最終解決」は有り得ませんし,そうすべきでもありません.
西さん,石井さん,その他多くの冤罪の当事者たちと同じ苦しみを将来の社会に残さないために,
現在の私たちは,この「新たな段階」における責任を,全うしたいものだと思います.

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