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日銀の異次元緩和は’失敗’なのか? 追記

2019-04-18 22:14:42 | 政治
日銀の金融緩和策によって「何が起こったのか?」をシュミレーションし検討してみたいと思います
日銀の金融緩和とは、考え方とすれば、「市場のお金を増やす」というものであるわけです
具体的に言えば、民間銀行や証券会社などが保有する国債を、オプションをつけて買い取る、というやり方です
日銀のバランスシートをご覧になられた方はあまりいらっしゃらないでしょうが、見ると面白いことがわかります

今、日銀の「負債の部」には、「当座預金」というものがあります
この当座預金とは、民間銀行が日銀に預けている当座預金のことですね
この日銀当座預金、日銀の異次元緩和が始まる前の2013年4月の当座預金課目はおよそ35兆円
以後順に2013年4月は55兆円、2014年4月は130兆円、2015年4月は204兆円、2016年4月は277兆円
2017年4月は344兆円、2018年4月は378兆円、そして
2019年4月12日の今現在、当座預金がおよそ388兆円あります

これを見て分かることとして
約2013年から2019年の6年間で、日銀当座預金が7倍以上となっています
2017年以降はあまり増えていませんが、これは民間銀行の国債保有数が残り少なくなったことを示しています
日銀はこの6年間、買えるだけの国債を民間銀行から買い戻し、民間銀行の当座預金を増やしてきました
代わりに日銀のバランスシートの「資産の部」には、2019年4月今現在
なんと471兆円の国債が保有されているわけです
日本には1100兆円の借金があると、一般的には言われています、いわゆる「国の借金」というやつですね
そのうちの40%以上を、実は日銀が肩代わりしているわけです

アベノミクスの金融緩和の成果の一つは、この「国(政府)の借金を事実上減らした」ことにあると思います
1100兆円-471兆円=629兆円、つまり、どうしても返済しなくてはならない(とされる)借金は随分減りました

もうひとつの成果は、「国債の金利が下がって国(政府)の金利負担が減った」ということでしょう
市場に出回った国債が減ったことで国債の金利は下げ止まったままになっています

逆にアベノミクスの金融緩和によって弊害も起こっています
その一つは、民間銀行の業績が悪化していることでしょう
日銀は今現在マイナス金利を導入していて、日銀当座預金のうち、
過剰預金(法定準備金として積み立てておかないといけない法定預金額を超える預金)について
預けたままでいるとマイナス金利で元本が減っていくわけです
上で見たとおり、日銀当座預金は増え続けていますので、これは銀行が貸し出しに苦労しているということでもあります
マイナス金利は、日銀が民間銀行に「民間への貸し出しを増やせ」と命令していることになるわけですが
ご存知のとおり、民間経済は冷え込んでおり、とても貸し出しを増やせる状況にはないわけです

つまり、アベノミクスによって何が起こったかというと
政府が国債の金利負担を減らし、事実上の借金を減らした一方
民間銀行は本業の貸し出しを増やせず、業績悪化、マイナス金利で利益も悪化
ではなぜ貸し出しが増えないのでしょうか?

それは間違いなく、経済にブレーキをかけているものの仕業だと私は思います
政府がアクセルとブレーキを同時に踏んで、一番割を食っているのは「民間銀行」ですね

そろそろ次は現代貨幣理論(MMT)にも触れていくことにしましょう

コメント
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