青葉若葉のむせぶ五月の季節を迎えると茎の頂に可憐な花の
容姿を整えて眺める人の目を恍惚とさせる・・
清清しい朝日を浴びて花弁を風に泳がす美しい眺めは・・・
一本筋の通った芯の強さがあり、派手な美しさも、
しばしの間のこと、哀れ儚い一日花の(さざめ)にある。
【散れば世をすてる芥子の花】と、古い川柳にもある・・
さざめなき自然の掟とはいえ、花の盛りが絢爛とした美しさで、
眺める人の目をみはらせただけ顧みる人とてもない
在りし日のことどもが、そぞろ偲ばれる・・・・
散り際は 風もたのまじ 芥子の花・・・・