深井動物病院からのお知らせ

堺市・深井駅近くの動物病院『深井動物病院』からのお知らせのブログです

慢性腎炎に鍼灸治療は非常に有効です。(その2)

2015年01月11日 | 鍼灸治療について
もうひとつの症例を御紹介します。
ミーちゃん、約11歳、1年前にすでに重度慢性腎炎で来院。
とてもこわがりで神経質な性格なので、食事療法や自宅での投薬は困難。
鍼治療さえも嫌がるので、お灸と皮下輸液のみの治療を根気よくおこないました。
1年が経とうとしていますが、現在もなんとか頑張っています。


とてもこわがりな性格なので、黒い布を頭にかぶせて目隠ししながらの治療です。
そんなミーちゃんでも、お灸は気持ちよさそうでおとなしくさせます。
この仔にも、刺激が少なく温熱効果に優れた「台座灸」を使用しています。
慢性疾患には、お灸がとても効果的で、「リラックス効果」もあります。

慢性腎炎に鍼灸治療は非常に有効です。

2015年01月10日 | 鍼灸治療について
高齢の猫に、「慢性腎炎」はよくみられる老化に伴う病気です。
腎臓は、体内の老廃物を尿といっしょに体外に排泄したり、水分や電解質のバランスを調整する働きをもつ重要な臓器です。
これらの働きが徐々に低下することで、水をよく飲むようになる、尿をたくさんするようになる、体重が減少する、
嘔吐をよくするようになる、毛艶が悪くなる、食欲がなくなるなどの症状があらわれ、やがて腎不全に進行して死に至ります。
老化によるものですので、完治はせず、進行を遅らせ、生活の質を上げる治療が中心となります。
具体的には、食事療法、内服薬投与、輸液療法などを組み合わせておこないます。
当院では、それに加えて「鍼灸治療」をおこない、良好な結果を出しています。
治療内容はすべて、個々の猫によって様々です。飼主さんと充分話し合って、最も納得いただける方法にいたします。
「鍼灸治療」は慢性腎炎に非常に有効ですが、「好み」の分かれる治療法です。
鍼灸治療に興味のある方、鍼灸治療を猫に受けさせたい方、現在の治療に疑問や不安を感じておられる方など、
一度御相談にお越しください。ていねいに御説明いたします。


写真の猫は、ゴンちゃん、オス、19歳。13歳の頃に慢性腎炎と診断し、食事療法と輸液療法で維持してきましたが、
16歳の2月に食欲がなくなり体重減少が進みました。春まではむずかしい印象でしたが、鍼灸治療を輸液療法と
併用しておこなったところ、食欲が回復し体重も増加しました。
その後も基本的には、「食事療法」と週2回の「お灸」と「皮下輸液」で維持し、この2月で3年経ちますが、
体重は、3年前より重い状態を保っています。


現在は「台座灸」によるお灸だけで、鍼治療はおこなっていません。気持ちよさそうにおとなしくさせます。


皮下輸液も併せておこないます。
皮下輸液とお灸の組み合わせは、猫に負担をかけず心地よくさせながらおこなえる、いい治療だと思います。