深井動物病院からのお知らせ

堺市・深井駅近くの動物病院『深井動物病院』からのお知らせのブログです

猫の糖尿病

2011年10月23日 | 病気や治療について
元気そうに食べているこの猫は糖尿病です。
よく見るととても痩せているのがわかります。
今は2.8kgしかありません。以前は6kgくらいありましたから半分以下です。
今年2月に痩せてきたのと水をよく飲むようになったということで来院しました。
検査の結果、糖尿病とわかりました。
猫はほぼ純粋な肉食動物ですので、人や犬とは消化代謝機能が異なり、糖尿病の病態生理も異なります。
初期であれば食餌療法だけでもコントロールできることもありますが、この仔はインスリン投与による
血糖コントロールが必要でした。
インスリン投与は自宅で飼主さんの手で1日2回皮下注射でおこなわなければなりません。
極少量のインスリンを毎回確実に注射しなくてはいけませんので、結構大変です。
この仔はずっとそれなりにコントロールできていたのですが、5日くらい前から食欲元気がなくなり
どんどん衰弱が進行したので、2日前に入院させました。
血液検査等の結果では、典型的な末期糖尿病でかなり危険な状態と思われましたが、
点滴とインスリン投与でその日の夜から食欲がもどり、昨日にはかなり元気も戻ってきました。
今日は食欲も旺盛で、血糖値もうまくコントロールされ順調に回復しています。
どうも自宅でのインスリン投与に不手際があったようで、面会に来られた飼主さんにも
やんわりその旨お伝えしました。
糖尿病管理ではインスリン投与に関する不手際が原因による不都合がよくあります。
飼主さんも一所懸命世話されているので、指摘するのもとても気を使います。
やる気をなくさないように言葉には気をつけているつもりですが、以前糖尿病犬の治療で
飼主さんからクレームが出たこともあり、人の心を傷つけずに間違いを指摘するのは、なかなか難しいものです。


避妊・去勢手術と共にマイクロチップはいかがですか?

2011年10月22日 | 病院のお知らせ
マイクロチップは小さなガラス樹脂に封入されたICチップに
記憶された番号を基にその動物の情報を管理するシステムです。
今のところ、究極の「迷子札」というところでしょうか。
首の皮膚の下に皮下注射の要領で埋め込みます。
通常は麻酔などせずに簡単におこなえ、副作用もありません。
先の震災を機に、一時的に要望は増えましたがまだまだ普及していません。
簡単におこなえる、と言いましたが刺入する針が太く、一般の方には
抵抗感があるのも事実です。
避妊・去勢手術は1歳未満におこなわれることが多いですので、
その際にいっしょにマイクロチップを埋め込むというのはどうでしょうか?
麻酔覚醒前におこないますので、痛みはまったく感じませんし、安全確実におこなえます。
費用は登録事務手数料を含めて3990円(税込)です。
一生涯有効な究極の迷子札、マイクロチップを検討してみて下さい。


職業体験学習

2011年10月22日 | その他のできごと
毎年、堺市立平井中学校から職業体験学習受け入れの依頼があります。
私達の仕事に興味を持つ生徒さんがいることは喜ばしいことなので、
なるべく協力することにしています。
今年も20日・21日の2日間に1名の中学2年生(女子)がやって来ました。
将来の夢は獣医師だそうです。
少しでも夢が広がることにつながればいいのですが、どうだったでしょうか?

医原性腹壁ヘルニア

2011年10月21日 | 病気や治療について
獣医師にとって、あってはならない症例が来ました。
避妊手術を受けた犬が術後1週間で抜糸に行ったところ、
腹壁が癒合せずに腸が皮下に脱出していると言われ、すぐに再手術で
整復・縫合を受けてそのまま帰宅。しかし未明から再び大きく腫脹し
朝8時に当院に来院しました。
レントゲンで確認したところ、明らかな再脱出で再々手術が必要です。
こうなると施術した獣医師に不信感は募り、うちでおこないました。
組織の癒着がひどく、手間取りましたが無事再々縫合できました。
おそらく今度は大丈夫だと思います。

これは私にとって、決して他人事ではありません。
避妊去勢手術は健康で帰して当たり前。きっちりできて当たり前。
飼主さんは避妊手術を受けただけなのに、3回も手術することに涙を流しておられました。
あの姿を見るとミスのない仕事をやり遂げる重要さを改めて痛感しました。


猫の陰睾

2011年10月13日 | 病気や治療について
本来陰嚢内には左右2個の精巣が存在します。
胎児では精巣はまだおなかの中にあり、成長と共に徐々に降りてきます。(精巣下降)
生後間もない頃もまだ陰嚢内にはなく、2ヶ月齢くらいまでにようやく陰嚢内に収まります。
しかし、遺伝的理由などで精巣下降が不完全な場合があります。これが「陰睾」です。
内股・後肢付け根あたり(鼠径部)にあれば触って確認できますが、おなかの中では確認できません。
片方だけのこともあれば、両方ともおなかの中ということもあります。
犬にもあります。以前にも犬の陰睾について書いたことがあります。(「病気や治療について」を参照)
どちらにしても定位置にない精巣に生殖能力はありません。腺組織が残っていれば性ホルモンは分泌できます。
1個でも定位置にあれば生殖能力はありますが、遺伝しますので繁殖に使うのはお勧めできません。
なによりも怖いのは将来精巣癌になる確率が正常位置精巣の10倍以上だということです。
ましておなかの中にあれば発見も遅れ、死に至ることもしばしばです。
陰嚢内に精巣が2個確認できない場合は獣医師に相談して、早いうちに去勢手術を受けましょう。


6歳のメインクーン、手術前で仰向けに保定し毛刈り後消毒中です。右精巣は鼠径部にも確認できず腹腔内です。


切除した精巣。右はやはり腹腔内で、左に比べ成長が著しく悪いのが分かると思います。

膀胱結石

2011年10月12日 | 病気や治療について
膀胱結石も犬猫関わらずよく見る病気のひとつです。
今日、犬の膀胱結石の手術をおこないました。
今春に膀胱炎の症状で来院し、レントゲンにて結石のないことを
確認して治療しました。問題なく改善しましたが、夏頃から再発を
繰り返し症状も頑固になってきました。
先日再度レントゲン撮ったところ、複数の結石ができていました。
6個は確認できましたが確定できないくらいの数です。
飼主さんと相談の結果、手術で取り出すことにしました。
結局10個!入っていました。
結石は成分検査に出して再発予防に向けて食餌療法をおこなう予定です。


         右下横のレントゲン写真です。膀胱内にたくさんの結石が見られます。


         開腹・膀胱切開して1個目の結石を取り出しているところです。


         結局10個入っていました。


チワワが保護されました。

2011年10月05日 | 迷子・行方不明
10月5日(水)午後、中区深阪でチワワが保護されました。
メス、ロングヘア、毛色クリーム、体重2.85kg、推定6~10歳(?)
最大の特徴は両眼に障害があり失明していること。
性格はおとなしく従順。首輪などの付属物はなし。
心当たりのある方は当院まで御連絡ください。
また、飼主の見つからない場合は里親を募集します。
眼の見えないチワワでも飼っていただける方は御連絡ください。