深井動物病院からのお知らせ

堺市・深井駅近くの動物病院『深井動物病院』からのお知らせのブログです

狂犬病という病気について。

2014年04月02日 | 病気や治療について
毎年この時期になるとこの話をしています。
少し長いですが、どうか最後まで読んでください。

狂犬病はウイルス感染で発症する伝染病です。
ときどき「うちの子供が犬に指を咬まれたが狂犬病は大丈夫か?」
といった問い合わせを受けることがあります。
どうも一般の方には「犬は元来狂犬病の病原体を体内に持っているもの」
というような間違ったイメージがあるようです。
これは獣医師の責任でもあると思います。きっちり狂犬病というものを
皆さんに説明することを怠ってきたためです。
元来、犬は狂犬病ウイルスに感染しているわけではありません。
日本には半世紀以上、発症した犬は確認されていません。
ただし、東アジアや東南アジアは狂犬病多発地域ですので、安心している場合ではありません。
日本と同様の島国で、半世紀以上発生していなかった台湾で、昨年発生しました。
物流が発達し、海外旅行が一般的になった現代では、いつ国内で発生しても不思議ではありません。

「狂犬病」という病名も誤解を与えているのでしょう。
狂犬病はほぼ全ての哺乳類に感染発症します。ただし、動物種によって
その「感受性」に大きな差があります。
犬は「感受性」が高く、人も残念ながら「感受性」のやや高いグループに
属します。
狂犬病を発症した犬は狂暴になり人に襲いかかり咬みつきます。
唾液中にウイルスはたくさん存在し、咬み傷からウイルスは感染します。
数週間という短期間で中枢神経が侵され、死に至る恐ろしい病気です。
発症すると有効な治療法は未だになく、致死率はほぼ100%です。

都市部での狂犬病の流行は、犬が主な感染源になります。
野犬を捕獲し減らすことと、飼犬に予防注射を接種し感染防御することで
流行は防ぐことができます。
飼犬に狂犬病予防注射を受けさせる意義はここにあるのです。
犬の感染を防御することで人の生命も守れるのです。

どうかご理解のうえ、ぜひ愛犬に狂犬病予防注射をおこなってください。

平成26年度の狂犬病予防注射が始まります。

2014年04月01日 | 病院のお知らせ
4月1日より今年度の狂犬病予防注射が始まります。
狂犬病予防法により、3か月齢以上の飼犬には年1回の狂犬病予防注射接種が義務付けられています。
年度初めの4~6月におこなうようにしてください。
消費税増税に伴い注射料金が変更されました。
初めての場合6250円、2回目以降3250円です。(いずれも堺市在住の方で、堺市手数料込)