兵庫県伊丹市・千僧駐屯地の陸上自衛隊「第3後方連隊補給隊」には、入浴支援活動「六甲の湯」がある、補給隊は、隊本部、需品補給小隊、部品補給小隊などからなり、各部隊に、燃料、糧食はもちろん火器や武器、通信器材などの補給を行っている、補給隊が使用する入浴のための装備は「野外入浴セット2型」と呼ばれ、大きなテントの中に、仮説の浴槽やシャワーなどを作り、風呂として使用する。一度に最大30人が入浴でき、1日に1200人が利用できる、シャワーや「すのこ」もある、導入のきっかけは1985年におきた日航機墜落事故、入浴セットを製作した会社からボランティアとして提供されたところ、自衛隊員の士気向上につながったため、正式に採用されたという、現在、入浴セットは、全国の15個師団・旅団の各後方支援連隊に計27台が配備されている、親しみをもってもらおうと、入り口には各隊手作りのれんがあり沖縄県では「チムグクルの湯」、広島県では「もみじ湯」などが掲げられている、これまでにも阪神大震災、東日本大震災、関東・東北豪雨、中越地震などで被災者を支援してきた、4月の熊本地震では、県西原村や大津町などで、本震翌日から活動し、約1万7千人が利用したという、気持ちよさそうにお風呂に入っていた、小学6年生の山崎佑弥くん(12)「常連になっちゃいました」と笑顔で話してくれた。温泉マークの描かれたのれんがかかるテントの下でトランペットの練習を行う高校生。見守る女性自衛官ら、雨が降る中、「お世話になりました」と挨拶をしていくお年寄りたち。まるで街角の銭湯のような、温かい雰囲気が漂い、交流の場になっていた、疲れをとると同時にお風呂がコミュニティの場になっていたことを感じた。
陸上自衛隊第6後方支援連隊(山形県東根市)が設置した仮設風呂「山形花笠の湯」の女湯を案内する女性隊員=熊本県阿蘇市(陸上自衛隊提供)
「六甲の湯」テントの中で和やかな雰囲気の自衛隊員ら=熊本県大津町(彦野公太朗撮影)
迷彩服姿のくまモンのステッカーをつけた女性隊員。奥には「六甲の湯」暖簾が見える=熊本県大津町(彦野公太朗撮影)