これは、山崎豊子の遺作です。
これを執筆途中未完のまま昨年9月29日逝去いたしました。89才に1ヵ月ほど前でした。
これはこの本の表紙帯の裏側です。ここに書かれていますように、この本のテーマは「戦争と平和」です。
この小説は、1988年(S63年)7月23日浦賀水道で発生した潜水艦「なだしお」と遊漁船「第1富士丸」との衝突事故から始まりますが、
主人公の父親は「二つの祖国」にも登場しますが、真珠湾攻撃の折、特殊潜航艇の乗組員で我が国初めての捕虜第1号だったそうです。
この父親は捕虜の身でありながら「武器を持たない戦い」をして、「櫻花散るべき時に知らしめよ枝葉に濡るる今日の悲しみ」という
和歌を残しています。
この小説がどのような経過をたどりながら、戦争のない平和な世の中を実現させようとするのか、読むのが楽しみです。
ただ、第2部、「ハワイ編」、第3部「千年の海編」は絶筆となり、残された「あらすじ」でしか知ることが出来ないのは残念です。
今、論議されている「集団的自衛権」をめぐる問題にも大きな示唆を与えてくれそうです。
朝顔、25日に植え替えましたが何故か成長が遅いような気がします。