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湧水めぐり・まち歩き 藤川格司

水を調べている日々を書き込む予定です。最近は熱海のまち歩きを楽しんでいます。

宮古島の水環境 宮古島の湧水、探せないベスト4(勝手に選んだもの)

2019年03月01日 | 研究中
宮古島の湧水、探せないベスト4(勝手に選んだもの)

宮古島には数多くの湧水がありますが、ぜひ探して見てほしいものを4つ選びました。



場所がわかりにくいけど、ぜひ見てほしい湧水ベスト4の位置図

按司の泉(アズヌガー)



城辺地区の比嘉東流域に小さな洞窟があり、その中に按司の泉と呼ばれる泉があります。
この標識ではわからないでしょう。



矢印のところが按司の泉です。左側の丘は城跡みたいです。水を涵養してくれる面積がとても小さい。



入口です。



小さな鍾乳洞です。本当にかわいいです。
近くにファームポンドがありますので、それを目印に探してください。
按司というのは地元の農民たちを束ねた豪族をいい、各村々にいたそうで、代官みたいなもの、大名みたいなものでしょうたぶん。
水温は20.8℃、ECは527μS/cm、硝酸態窒素濃度は0.5mg/Lでした。
湧水の量は0.5L/secで涵養面積が小さく、上流側は城跡でした。畑の影響を受けていないので硝酸態窒素は少ないようです。


成川ガー



宮古島の北側の西添道流域にある湧水です。大きな鍾乳洞です。民家の下にあり、これを探すのに苦労しました。民家の人に聞いてわかりました。









水温は22.3℃、ECは680μS/cm、硝酸態窒素濃度は10mg/Lでした。
平良地区にありサトウキビ畑、市街地の影響を受けて硝酸態窒素が高いと思います。
しかし、この鍾乳洞はこのままでいいのでしょうか?一度訪ねて考えてください。



盛加ガー(ムイカガー)



盛加ガーは平良地区にある洞井(ウリガー)の中で最も大きく、直径約24mの開口部から曲折した103段の石段を下りた洞窟の最奥部に湧水があります。上水道が普及するまで人々に利用されていたようです。

大和井はわかりやすいのですが、この盛加ガーは大きくて有名なのに、場所がわかりませんでした。市街地の中をぐるぐる探してください。




階段を下りて、洞窟の入口です。





ライトがないと作業できませんでした。昔はどうしたのか?
水温は23.8℃、ECは581μS/cm、硝酸態窒素濃度は8mg/Lでした。


ムイガー


ムイガーは城辺町の海岸に湧出し、高さ約60mの断崖を命がけで降りる細い道を下りたところにあります。湧水量が多く、上水道が普及する前は簡易水道の水源地として利用されたいました。その名残の貯水タンク、パイプライン、揚水設備などが残っています。
断崖を観察すると、断層があり、それに沿って水が湧き出しているように見えます。




断崖の上から見ると簡易水道の跡がわかります。




道は整備中です。











水温は24.1℃、ECは555μS/cm、硝酸態窒素濃度は6mg/Lでした。

とても危険ですが、見る価値はあります。道を整備していたので、降りやすくなっているかも。

宮古島の地下水について心配なことがあります。
白川田水源等の上水道の整備と地下ダムによる灌漑用水の整備により、古くから利用されていた地下水はその役割を終え、保全されないまま史跡となっています。海岸付近の湧水や不便な洞井(ウリガー)も遺棄されています。このように宮古島では古来より利用されていた湧水や井戸が顧みられなくなり、水環境と水文化という意味では悪化の一途です。水は蛇口から出るものという考え方にならないでしょうか。水循環を意識するように工夫する必要があります。そのためにも、湧水、洞井や井戸を水の文化財として保存する必要があります。
そのためにも、ぜひ、宮古島を訪れて、湧水めぐりをしてください。


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