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湧水めぐり・まち歩き 藤川格司

水を調べている日々を書き込む予定です。最近は熱海のまち歩きを楽しんでいます。

宮古島の地下水の水質をながめる

2023年09月17日 | 湧水めぐり
宮古島の地下水の水質をながめる

亜熱帯の水環境を眺めています。特に宮古島を注目しています。2017年から2019年の3年間湧き水調査を行いました。その後どうなっているのか。宮古島の人には大変お世話になったので、少しでも役に立つように、水質をながめています。
注目するポイントは、地下水中の硝酸態窒素濃度です。宮古島ではサトウキビ畑にまく肥料が地下水中の硝酸態窒素濃度の主な供給源です。サトウキビは大きく育てたいが、地下水汚染は少なくしたい。つまり、地下水資源の保全と管理にどのように取り組めばいいのかを示してくれると考えています。

宮古島の地下水については、「宮古島市地下水水質保全調査報告書」があったのですが、平成26年度で終了しました。その後、「宮古島市地下水モニタリング調査報告書」に引き継がれていますが、白川田水源の水質がモニタリングされていません。そこで、「水道事業統計年報宮古島市上下水道部」の白川田水源のデータから図を作成してながめたいと思います。


図-1 観測地点の位置(宮古島市地下水水質保全調査報告書に加筆)

白川田水源(NO.1)は宮古島の主な水道水源ですので、昔からのデータがあります。島のサトウキビ畑の状況をモニタリングするため、西側の前浜の井戸(No.2)と東側の山川湧水(ウプカーNo.3)を選びました。特に、注目しているのは、かん養域が小さく、人為的な影響が少なく自然状態を示すと考えるNO.4の狩俣スガミノガーとNO.5のムカウノガーです。


図-2 硝酸態窒素濃度の経年変化
白川田の資料は2012年までは宮古島市地下水水質保全調査報告書、2013年から水道事業統計年報宮古島市上下水道部を使用しました。他の4ヶ所は、宮古島市地下水モニタリング調査報告書を使用しました。降水量は気象庁の資料です。
 白川田、前浜の井戸、山川湧水の硝酸態窒素濃度の経年変化を見ると、ピークの時期は異なりますが、順調に減少しているように見えます。前浜の井戸は最近少し上昇傾向にあるようです。
水道用水の硝酸態窒素濃度の基準は10mg/Lです。硝酸態窒素が水の中に大量に含まれると、人の体内で亜硝酸窒素に還元されて血液中のヘモグロビンと結合し、特に乳幼児の酸素欠乏症(メトヘモグロビン血症)を引き起こすといわれています。


図-3 硝酸態窒素濃度の経年変化
詳細に見るために、硝酸態窒素濃度の低い狩俣とムカワノカーを別軸にして表示しました。前浜の井戸と狩俣の硝酸態窒素濃度は、場所が離れるのですが、同じような傾向にあるように見えます。そして、最近上昇傾向にあります。
前浜の井戸の硝酸態窒素濃度の上昇は肥料の増加を示しています。狩俣は硝酸態窒素濃度が低く、雨や風送塩による宮古島全体の基礎データを示すと考えます。また、ムカワノカーも同様の基礎資料と考え、今後、注目していきます。

宮古島の湧水を見に行きたくなりました。



越前大野の湧水をめぐる 御清水(おしょうず)2022.10.04

2022年10月06日 | 湧水めぐり
越前大野の湧水をめぐる 御清水(おしょうず)2022.10.04

福井県の大野盆地は、名水百選の選定された「御清水」や「本願清水」などに代表される地下水が豊かな地域です。湧水めぐりをしてきました。


御清水(おしょうず)


さすが歴史ある湧水地です。本日の地下水位は0.90mです。0mはどこかわかりませんが。


湧いているようです。周辺と合わせると5L/秒くらい流出していました。最近は地下水位が下がって、昼間は動力による汲み上げと文献にはありました。今日は自然流出かな。


由緒正しい湧水でした。


位置図(大野市の看板から)
赤い丸の4ヶ所の湧水をめぐりました。


義景清水


朝倉義景公の墓地にある湧水らしい。


湧水で遊べるようになっているのかな。ジャブジャブ池みたいに・・・。


本願清水


この自噴は本物?


イトヨの生息地になっているようです。


新堀清水




冷たいです。
この自噴もあやしい。


七間清水


まちの真ん中にありました。


七間通りで400年以上続く朝市があるようです。




地下水の流れ(大野市)
御清水のある真名川以西の大野市街地などでは、地表から20m前後まで扇状地性の砂礫層が分布し、その砂礫層に多量の地下水があるらしい。
御清水をはじめとする市街地の湧水は、木本扇状地内を流動する地下水であるといわれている。(高村 他1993地下水学会誌35,3)


御清水の水質
なんと、飲用できる。すばらしい!
昔、「おいしい水は宝もの」大野の水を考える会(1988)築地書館を読んで、どんなところだろうと思っていました。どこを掘っても飲める水が湧くようです。すごい。

ついでに恐竜博物館も見てきました。



恐竜と湧水めぐりの旅でした。

比叡山延暦寺の弁慶水2022.09.15

2022年09月19日 | 湧水めぐり
比叡山延暦寺の弁慶水2022.09.15

たまには湧水めぐりをしてみました。

弁慶水
弁慶水は、千手堂(山王院)に千日間の参籠をした武蔵坊弁慶が閼伽水を汲んだ場所と伝えられている。本名は「千手水」。「平家物語」に描かれた水で、平清盛が熱病に罹った時に汲みだされたという。(yoritomo-japan.com)




弁慶水の位置 +のところです。(地理院地図)
東塔(とうどう)から山王院に向かう途中に弁慶水はあります。三角点のある山頂からの谷に位置しています。水源としては優良でしょう。




建物と道の間に下駄の足跡が・・・・。弁慶が立ち寄った?


神秘的な場所です。
水が集まりやすい谷地形です。


現在もここを水道水源にしているようです。貯水タンクがありました。


弁慶水制御盤です。


現在でも飲料水として利用しているようです。


にない堂(常行堂・法華堂)
同じ形の常行堂と法華堂が廊下で繋がれ、法華と念仏の一体を表しています。その渡り廊下をてんびん棒にして弁慶が二堂をかついだとの伝説から「弁慶のにない堂」と呼ばれています。(おでかけガイド)


渡り廊下でかついでみましたが、無理です。弁慶は大きな人だったのか?


巡拝料1000円を納めました。


しかし、根本中堂は工事中でした。1200年灯り続ける「不滅の法灯」は見てきました。昔からだと燃料は「ごま油」と思っていました。本当は「なたね油」だそうです。


法華総持院東塔と阿弥陀堂
暑い京都市内から、涼を求めて延暦寺に来ました。本当に涼しく元気になりました。