宮古島の地下水の水質をながめる
亜熱帯の水環境を眺めています。特に宮古島を注目しています。2017年から2019年の3年間湧き水調査を行いました。その後どうなっているのか。宮古島の人には大変お世話になったので、少しでも役に立つように、水質をながめています。
注目するポイントは、地下水中の硝酸態窒素濃度です。宮古島ではサトウキビ畑にまく肥料が地下水中の硝酸態窒素濃度の主な供給源です。サトウキビは大きく育てたいが、地下水汚染は少なくしたい。つまり、地下水資源の保全と管理にどのように取り組めばいいのかを示してくれると考えています。
宮古島の地下水については、「宮古島市地下水水質保全調査報告書」があったのですが、平成26年度で終了しました。その後、「宮古島市地下水モニタリング調査報告書」に引き継がれていますが、白川田水源の水質がモニタリングされていません。そこで、「水道事業統計年報宮古島市上下水道部」の白川田水源のデータから図を作成してながめたいと思います。

図-1 観測地点の位置(宮古島市地下水水質保全調査報告書に加筆)
白川田水源(NO.1)は宮古島の主な水道水源ですので、昔からのデータがあります。島のサトウキビ畑の状況をモニタリングするため、西側の前浜の井戸(No.2)と東側の山川湧水(ウプカーNo.3)を選びました。特に、注目しているのは、かん養域が小さく、人為的な影響が少なく自然状態を示すと考えるNO.4の狩俣スガミノガーとNO.5のムカウノガーです。

図-2 硝酸態窒素濃度の経年変化
白川田の資料は2012年までは宮古島市地下水水質保全調査報告書、2013年から水道事業統計年報宮古島市上下水道部を使用しました。他の4ヶ所は、宮古島市地下水モニタリング調査報告書を使用しました。降水量は気象庁の資料です。
白川田、前浜の井戸、山川湧水の硝酸態窒素濃度の経年変化を見ると、ピークの時期は異なりますが、順調に減少しているように見えます。前浜の井戸は最近少し上昇傾向にあるようです。
水道用水の硝酸態窒素濃度の基準は10mg/Lです。硝酸態窒素が水の中に大量に含まれると、人の体内で亜硝酸窒素に還元されて血液中のヘモグロビンと結合し、特に乳幼児の酸素欠乏症(メトヘモグロビン血症)を引き起こすといわれています。

図-3 硝酸態窒素濃度の経年変化
詳細に見るために、硝酸態窒素濃度の低い狩俣とムカワノカーを別軸にして表示しました。前浜の井戸と狩俣の硝酸態窒素濃度は、場所が離れるのですが、同じような傾向にあるように見えます。そして、最近上昇傾向にあります。
前浜の井戸の硝酸態窒素濃度の上昇は肥料の増加を示しています。狩俣は硝酸態窒素濃度が低く、雨や風送塩による宮古島全体の基礎データを示すと考えます。また、ムカワノカーも同様の基礎資料と考え、今後、注目していきます。
宮古島の湧水を見に行きたくなりました。
亜熱帯の水環境を眺めています。特に宮古島を注目しています。2017年から2019年の3年間湧き水調査を行いました。その後どうなっているのか。宮古島の人には大変お世話になったので、少しでも役に立つように、水質をながめています。
注目するポイントは、地下水中の硝酸態窒素濃度です。宮古島ではサトウキビ畑にまく肥料が地下水中の硝酸態窒素濃度の主な供給源です。サトウキビは大きく育てたいが、地下水汚染は少なくしたい。つまり、地下水資源の保全と管理にどのように取り組めばいいのかを示してくれると考えています。
宮古島の地下水については、「宮古島市地下水水質保全調査報告書」があったのですが、平成26年度で終了しました。その後、「宮古島市地下水モニタリング調査報告書」に引き継がれていますが、白川田水源の水質がモニタリングされていません。そこで、「水道事業統計年報宮古島市上下水道部」の白川田水源のデータから図を作成してながめたいと思います。

図-1 観測地点の位置(宮古島市地下水水質保全調査報告書に加筆)
白川田水源(NO.1)は宮古島の主な水道水源ですので、昔からのデータがあります。島のサトウキビ畑の状況をモニタリングするため、西側の前浜の井戸(No.2)と東側の山川湧水(ウプカーNo.3)を選びました。特に、注目しているのは、かん養域が小さく、人為的な影響が少なく自然状態を示すと考えるNO.4の狩俣スガミノガーとNO.5のムカウノガーです。

図-2 硝酸態窒素濃度の経年変化
白川田の資料は2012年までは宮古島市地下水水質保全調査報告書、2013年から水道事業統計年報宮古島市上下水道部を使用しました。他の4ヶ所は、宮古島市地下水モニタリング調査報告書を使用しました。降水量は気象庁の資料です。
白川田、前浜の井戸、山川湧水の硝酸態窒素濃度の経年変化を見ると、ピークの時期は異なりますが、順調に減少しているように見えます。前浜の井戸は最近少し上昇傾向にあるようです。
水道用水の硝酸態窒素濃度の基準は10mg/Lです。硝酸態窒素が水の中に大量に含まれると、人の体内で亜硝酸窒素に還元されて血液中のヘモグロビンと結合し、特に乳幼児の酸素欠乏症(メトヘモグロビン血症)を引き起こすといわれています。

図-3 硝酸態窒素濃度の経年変化
詳細に見るために、硝酸態窒素濃度の低い狩俣とムカワノカーを別軸にして表示しました。前浜の井戸と狩俣の硝酸態窒素濃度は、場所が離れるのですが、同じような傾向にあるように見えます。そして、最近上昇傾向にあります。
前浜の井戸の硝酸態窒素濃度の上昇は肥料の増加を示しています。狩俣は硝酸態窒素濃度が低く、雨や風送塩による宮古島全体の基礎データを示すと考えます。また、ムカワノカーも同様の基礎資料と考え、今後、注目していきます。
宮古島の湧水を見に行きたくなりました。