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チェンバロを手に入れて、今までピアノで練習していたバッハなどを弾いてみたが、これがどうにも上手くおさまらない。チェンバロ演奏の流儀というのがまるで分かっていない。
教本 も買い レッスン動画 を見て少し分かったような気はしたが、やはりこれは生演奏を観てみねばならぬ。と思ったところ、松本市音楽文化ホール でチェンバロコンサートがあるというので行ってきた。
チラシ。
中全音律とわざわざ銘打ってあるところや、東京ではなく松本というところに惹かれた。
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松本市音楽文化ホール、別名ザ・ハーモニーホール。
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大ホールには素敵なパイプオルガンがある。これもぜひ聴いてみたい。
舞台の上には2台のチェンバロ。
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パンフレットによると、島口孝仁製作 イタリア様式1段鍵盤 1/4sc分割による中全音律 チェンバロ。
こちらの方をメインに弾いていたな。
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松本市音楽文化ホール所有の ファン・エメリック製作 フレミッシュ様式2段鍵盤 フランス18世紀の通常音律 チェンバロ。
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演奏された曲のほとんどは知らないものだった。チェンバロの曲って多くの作曲家によってたくさん書かれたんだなあ。
音のずらし方の工夫というものがチェンバロの演奏に必要だ、ということが分かった。
平均律じゃない音律は調によってずいぶん雰囲気が変わる、という知識はあったけれど、半音階がガタガタになるのを面白がる曲があって何人もの作曲家たちが作っている、というのは初めて知った。バッハにもあるな(半音階的幻想曲とフーガニ短調 BWV 903等)。
知らないことばかりだったがとても楽しめた。
桒形亜樹子(くわがたあきこ)氏はたいへん聡明な方に見受けられた。パンフレットの文章や曲の間の話からうかがえた。
ネットをさがせば氏の文章『フローベルガーと私』や ピーター・バラカン氏との対談 が読める。
2台のチェンバロの音律の違いが聴き分けられたか? 悲しいかな、否。わたし、古典音律が分かるようになるのだろうか?
ロビー脇にポジティフオルガンがあった。あれっ?この金色に塗られた透かし模様、一見シンメトリーに見えるけどそうじゃないよ。
小ホールには2段鍵盤のパイプオルガンがある そうで、松本市音楽文化ホールにはパイプオルガンが大中小3台あるんだな。
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横から。 うーむ、足が全然入らないのは腰や背中や首が痛くなりそうだ。
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小ホール側にある事務所のロビーには本棚があって、パイプオルガン関連の本が何冊も収められていた。
かつてパイプオルガンが今より珍しく且つ今ほど個人情報の扱いに気を遣わなかった頃の出版で 日本中のパイプオルガンの所在地を記した図鑑があった。思わず手にとって、学生の時分に教わったパイプオルガンの先生の自宅が載っているか探してしまったよ。
また、古楽器の製作の本もあった。ポルタティーフオルガン や エレキベースを作った夫 がたいそう興味深く読んでいた。
このコンサートのあとチェンバロ講習会の受付があるらしい。一瞬期待したが、対象が市内の小学生ということでわたしは完全に対象外、羨ましくなった(誤読だったようです、ハハ)。このコンサートで演奏された曲で知っていたのはバッハのシンフォニアだけだったが、それらが小学生向けの講習会で教えられるのかなあ?桒形氏に教われるなんて、いいなあ!
松本市音楽文化ホールではチェンバロの講習会だけでなくオルガンの講習会もあるらしい。そしてそれらが格安料金で何年も何年も継続して続けられているというのに感心した。ホールの名に「文化」という言葉が入っているのは伊達ではない。
不景気が30年も続いている中、こういう文化事業が続けられていることに感動する。
松本市音楽文化ホール外観。三角に縦スリットが目を惹く。
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スリットに吊られているのはカリヨンかな?と思うも、検索してもぜんぜん出てこない。飾りなんですかね?
いやでも、大きさが異なるから音程の差がありそうだし、ちゃんと鳴らせそうなんだが。
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ホールまえのヒマラヤスギの上でカッコウが鳴いていた。同じ托卵する鳥ではホトトギスも有名で、わたしの家ではホトトギスの鳴き声はよく聞けるけどカッコウは聞かないから楽しく聞いた。どういう理由か知らないが、ホトトギスもカッコウも鳴き声の余韻がほわんと残る。高原っぽい爽やかさの演出によく使われるああいう感じ。他の鳥の鳴き声にあそこまでの余韻って感じないんだよ。不思議だなあ。
演目にフレスコバルディのカッコーによるカプリッチオ第3番というのがあった。その曲の演奏後に、ホールまえでカッコウが鳴いていたけど「カッ」と「コウ」の音程の差が違ったね、と桒形氏がコメントしていた。
余談だが、チェンバロのカッコウ曲ならダカンのものが有名だし、チェンバロレパートリー以外ならヨナーソンの『かっこうワルツ』を知っている人はもっと多いだろう。
カッコウの鳴き声をのんびり聞ける感じも 文化を大事にしている感じも 松本だから味わえたんだと思う
5月の記事ですので、コメントが読んでいただけるかなぁ~と思いますが
松本市内在住で、こちらのホールのチェンバロの演奏を聴いた後、講習会に参加したものです
音文(当方ではこういう言い方のほうが一般的です、もう一つ県文と呼ばれていた…今はキッセイホールですが…ありますので)の講習会は、「小学生対象」ではなく「バイエル終了程度」と言われています
実際は、もっと練習を積んだ方いらっしゃいます
今年の14名も、12名が初めての方、残りの2名は受講経験がある方の中からくじ引きで決められました
今年の講習会は、バッハのインヴェンション・シンフォニアでしたが、毎年テーマを変えて開かれています
松本市内在住が優先されますが、例年都内からわざわざ受講されている方や、県外の方もいらっしゃいます
来月には講習会のメンバーの発表会、その時に先生も残りのインヴェンション・シンフォニアを演奏されます
講習会は、曲にまつわるお話など、楽しく受講いたしました
来年も違ったテーマで開催されるようです、よろしかったら参加されてはいかがですか?
初めての方が優先されますので、確率的には高いと思います
では、失礼いたします
コメントありがとうございます。
地元の方なんですね。
地域に愛され続けている音楽文化ホールなんですね。
講習の情報、ありがたいです。来年はぜひ申し込みたいと思います。
実は今度のオルガンリサイタルに行くんですよ。楽しみです。