★ 👈コットンクラブHP セシル・マクロリン・サルヴァント ライブ
トーハクで特別展『メキシコ展』を観た あとは、セシル・マクロリン・サルヴァントのライブだ。
セシル・マクロリン・サルヴァンはグラミー賞ウィナーの女性ヴォーカリストだ。ジャンルはジャズ。
彼女のバックグラウンドは要素がいろいろ多い。父親はハイチ人、母親はフランス人のフロリダ州マイアミ生まれで、フランスのエクサンプロヴァンスで音楽と法律を学んだ。音楽はバロック音楽と管楽器奏者ジャン・フランソワ・ボネルにジャズを教わった。
ノンサッチレコードに移籍してからは、ジャズの枠を超えた作品を発表し始めた。頭がよく引き出しをたくさん持っていて一筋縄ではいかない感じ。
彼女の演奏は前から注目していたのだが、3月に出したアルバム『Mélusine』は変化球だ。
★ 👈YouTube動画 Mélusine Cécile McLorin Salvant • アルバム 絵も面白い。
タイトルのメリュジーヌはフランスの伝説だそうだ。メリュジーヌは、幼い頃に母親からかけられた呪いによって、毎週土曜日に下半身が蛇の姿になってしまう水の妖精。この話は知らなかったのでビックリした。 ウィキ メリジェーヌ
このアルバムで主に歌われるのもフランス語だ。
このアルバムについてのよい記事 ★ 👈ローリングストーンズ誌
彼女の母語は英語じゃなくてフランス語なんだ。
このアルバムがリリースされるまえに宣伝を兼ねて先出しされた Cécile McLorin Salvant - D'un feu secret (Official Video) にノックアウトされた。
この曲は、16世紀から17世紀のフランスで流行した宮廷歌曲エール・ド・クールの代表的な作曲家の一人ミシェル・ランベールによって書かれたもの。
セシル・マクロリン・サルヴァントが古楽 !? しかも伴奏は現代の楽器で、古楽を新しい感性で演奏していて とてもよい。チェンバロを手に入れてからというもの古楽づいているわたしは大興奮だ。
彼女が古楽を学んでいたというのを後に知ったらぜんぜん意外ではないのだけれど。
先出しされた別の曲、アルバムタイトル曲 Cécile McLorin Salvant - Mélusine (Official Video) は彼女の作曲で、前半は英語、後半はフランス語で歌っている。独特なメロディがミステリアスで それを引き立てる伴奏のナイロン弦ギターの音色が古楽の味わいだ。
とはいえアルバムを通して聴けば、古楽にこだわったものではないんですけれどね。
スポティファイで聴くと、CDに同梱されているような演奏者のクレジットや対訳や解説がないので、分からないフランス語というのも相まって、アルバム全体でセシル・マクロリン・サルヴァントがいいたかったことが何だったのかわたしには分からない。
あう~
今回のライブは ピアニスト サリヴァン・フォートナーとのデュオだ。
それで舞台のセットは真ん中にドンとピアノが置いてあるだけ。
舞台ではセシル・マクロリン・サルヴァントが、昨晩10時に来日したばかりで、とか言っていた。曲を歌い終わった後、次は何を演奏する?と二人で相談していたし、取り立てて準備しなくてもステージを作ることが出来る人達なんだなあ、と感心した。ミスして笑ったりしていて、偶然性、一期一会感、これぞライブであった。
セシル・マクロリン・サルヴァントの歌はスポティファイで聴いたり動画で視聴したのと同様だった。ライブ会場が日本なのを配慮したのかしなかったのか、歌詞が英語の曲が多かった。先出しでわたしが大いに気に入った D'un feu secret も Mélusine 演奏しなかった。つまりアルバム『Mélusine』を全面に押し出した宣伝ツアーではないのかも。
彼女の歌は、歌詞を大事にしている感じ。リスニング力が足りないと今一つなんである。そこを補うには予習が大事なのだが、ちょっと足りなかった。勿体なかった。
サリヴァン・フォートナーのピアノは凄かった。
いやあ、88鍵もあるピアノの表現力って、パネェ。そして彼の 他の演者に合わせる能力も。セシル・マクロリン・サルヴァントの意図を瞬時に汲む。そしてソロを任されれば盛り上げる。右手がメロディ左手が伴奏という基本は当然だが そうじゃない技も凄くて、いろいろ聴かせてくれる。
サリヴァン・フォートナーとセシル・マクロリン・サルヴァントが二人で演奏している動画。何やる?っていう感じが今回のライブと一緒だなあ。
★ 👈Cecile McLorin Salvant and Sullivan Fortner mini concert August 2020
ライブの終わりに、アラン!と客席に向かって呼びかける。若い白人男性が客席後方からステージに上がった。サリヴァン・フォートナーと一緒にピアノの椅子になんとか腰かけて、連弾でセシル・マクロリン・サルヴァントの歌に合わせた。歌の休みの時間は当然長くて 二人の演奏が盛り上がる。途中で高音側のサリヴァン・フォートナーが椅子から離れ、低音側に回り込んで椅子に腰かけて、アラン君とポジションを交代する。曲のテーマをセシル・マクロリン・サルヴァントが歌って、大盛り上がりでステージは終わった。
しかしアラン君が何者か、依然として分からない。
2日間の公演が終わっても、コットンクラブのHPにはライブリポートがアップされるわけではないからなあ。そういうところはブルーノート東京は有り難いしアーカイブとしても価値がある。
そしてセシル・マクロリン・サルヴァントはツイッター改めXにアカウントがないようで、ライブでどうした、みたいな呟きもパッと見でネットに見当たらないし。
どなたかご存知ならば是非ご教授願います。
大したライブだった!
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