≪手を動かさねばっ!≫

日常で手を使うことや思ったこと。染織やお菓子作りがメインでしたが、病を得て休んでいます。最近は音楽ネタが多し。

関西学院大学博物館で『アンデスの布 -糸があやなすチャンカイ・レース-』展を観た。その1

2019-08-08 21:43:13 | 展覧会に行った話


OriOriの洲崎氏に教えていただいた ので 関西学院大学博物館の特別展『アンデスの布 ー糸があやなすチャンカイ・レースー』を観に行った。

チャンカイ文化というのは10~14世紀頃にペルー中部海岸のチャンカイ川流域を中心に栄えた文化で、墓地から出土した織物のなかのチャンカイ独自のレースをチャンカイ・レースというそうだ。

このレースは編み物ではなく織物だ。綟り織り(もじりおり)という経糸(たていと)が互いにねじり合う特殊なものだ。夏の透ける着物の羅、絽、紗(ら、ろ、しゃ)と基本は同じ。
綟り織りのうち経糸が片一方の隣の糸と綟りまた戻るのが紗や絽、両隣の糸と綟りまた戻るのが羅なのだが、その1 では紗で格子を織ってから刺繍して柄を出すという手の込んだ一連をアップする。

上のレースの説明↓ メモ用に写真に撮ったのだがイラストが可愛いのでアップすることにする。なんか雑なのはそのせいです、すみません。

石畳に波鳥階段文様刺繍レース

地の格子は紗だといったが、日本で織られているものとは違うらしい。
格子で1本に見えるところは縦も横も実は2本1組で、緯糸(よこいと)の2本目を通すときに格子の交わるところをいちいち結んである。杼(ひ)でスコーンと緯糸を通すわけではないのだ。
図録より
腰機(こしばた)で紗を織ったことがないし図録にも載っていないので、どういうものなのか気になる。腰機で平織りを織る場合 経糸が1本おきに円筒にかけてあって、それで下がっている方の経糸だけ糸綜絖(いとそうこう)がかけてある。そのままにすれば円筒の開口、糸綜絖を持ち上げれば反対が開口するという算段だ。(経糸を高機(たかはた)にかける場合 1本1本経糸を綜絖に通すのだが、原始機では先に経糸を張ってから糸綜絖をかけていくことが多い。)
紗を織るなら隣の糸の下をくぐらす糸綜絖もセットすればいいのだろうか?


鳥に魚文様刺繍レース 斑染めされている。

紗の格子がベースのレースは階段状のデザインが目につく。
このスタイルは格子レースに限らず綴れ織りや縫い合わせにもある。2017年11月にアップした国立科学博物館の特別展 『古代アンデス文明展』 でそういうものをいくつも見た。とりわけ科博で見た魚柄のチャンカイ・レースに衝撃を受けどうしてもまた観たくなったから、わざわざ群馬の山奥から西宮まで出てきたのだ。


鳥に魚と獣文様刺繍レース

右が鳥で左が四つ足の獣なのは分かるが、真ん中のが魚というのは、うーん、ピンと来ない。



獣面文様刺繍レース あまり多くない技法で仕上げられているのが効果的。



格子文様紗 これは刺繍は施されていない。シンプルで色が映える。

縁飾りはアルパカの毛だそうだ。組紐?織り紐?


関西学院大学博物館で『アンデスの布 -糸があやなすチャンカイ・レース-』展を観た。その2 へつづく



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