風のこたろう

'05年4月6日~'07年4月7日 ウランバートル生活日記
'09年8月~  詩吟三昧の徒然日記

金メダルと転句 

2024年08月12日 | 詩吟
武井壮さんが、やり投げで金メダルを取った北口さんの投げ方の解説をしていました。(8月11日の放送)
女性用の槍は、2.2~2.3メートル 重量600グラム
それを掲げて、助走をする。
北口さんは、投げる前にいったん槍を下におろす。
助走を始めてから投擲までの間に槍を掲げるために緊張していた肩の筋肉を
緩ませるので、投擲すると槍に十分な推進力が与えられる。
北口さんがそのスタイルで十分な力を出せるのは、その背の高さにあるという。
背が低いと下ろした槍が地面に着いてしまうのでそのスタイルは難しい。
身長だけでなく恵まれた身体能力あっての投擲スタイルなのだそうです。

武井壮サンは、ご自身もアスリートで今も磨き続けているらしい筋肉の存在と
しなやかさと中心がまっすぐに決まっているその体で実際に槍を持ちその形を
見せてくれたので、よくわかりました。
武井さんは、体で表現しながら、説明もわかりやすく、ただの元気なタレント
だと思っていましたが、そうではなかった。
そして、武井さんにそのすごさを説明させるほどすごい腕を持っている北口
さんは当然の到達点に立ったわけですね。おめでとうございます。

転句の大山の息が切れるという方に、息を吸い過ぎない。
転句の一節目が終わったとき、残った息を保持しようとせずに一旦ふっと
息を抜いてごらんなさいな。
それで、すっと息を短時間に吸うくらいの息の量で、次の大山が詠えるよ。
転句、転句と思いこんで、いっぱい息を吸い過ぎて、吸った息を保持するため
無駄な力を使っているのだから。

それと同じだなぁと、思いました。
一旦脱力すると、強瞬発力を産んで、伸びやかに槍は空を飛び、吟者の声も
豊かに踊るのだ。

転句、転句と力んでいた私は、力みっぱなしでいたから、高い声を出しさびを
詠った後に失速していたんだなぁ。。。

転句で力任せではいけない、そこからの飛翔が4行の詩を豊かに伸びやかに
作り上げるのだなと。
転句の一節目で息を継ぐのではなく一旦、息を吐きましょうと思いついた
のは、正しかった。
武井さんのわかりやすい説明とその姿勢は美しかった。

頑張るだけの吟詠ではなく、伸びやかに遠くに届く吟詠をイメージしました。
伸びやかにしなやかに、豊かに遠くに届く声を喉だけでなく、体で創りましょう。

      
             2024・08・12朝日新聞
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