自民党は、戦後日本の経済繁栄を導き、長期にわたり政権を担っている。しかし、教育政策においては、自民党は大きな失政をやっていると思う。
自民党は、文科省と組んで教育に影響を及ぼす心地よさに安住してしまったのである。教職員と保護者・住民が参加する教育運営システムを作り上げるのを怠った。地方自治に相当するものが、教育では育たなかった。
教職員と保護者・住民という、最大の味方になるはずの人たちを . . . 本文を読む
ブログが途絶えがちですみません。足を痛めて起居がままならない状態でした。
日本教育は、すごいお役所仕事をやっていると思います。内規でばかり動いているのです。 たとえば、5、4、3、2、1の相対評価を、義務教育学校が長らくやっていました。相対評価では、5は7%、4は何%というふうに人数をあらかじめ決めています。この仕組みでは、だれかの成績が伸びれば、だれかがずり落ちます。それでも、学校は「みん . . . 本文を読む
いろんな教育改革で、いつも不思議に思うことがあります。 「教育に問題があるからなんとかしよう」ということになって、委員を集めるとき、各界の成功者ばかり集めるんです。教育に問題がなかった人たちなんです。少なくとも、自力でなんとかできた人たちなんです。 その会合では、 「集中力です」 「奉仕の心です」 というような、ただただ当たり前の抽象論がでてきて、それが教育改革の切り札みたいになってしまいます。 . . . 本文を読む
田中耕太郎が、「教育基本法の理論」の中で、教育と法についての根本的な考え方を述べているところがあります。
「教育自体は文化的活動として法の外にあり、むしろ道徳や教育学的技術によって支配せられる....」
教育基本法の条文が少ないのは、この考え方が基本にあるからです。 法律が必要になる最小限に絞り込んでいるのです。
憲法は、教育に関する条文がきわめて少ないです。直接には、第26条だけです . . . 本文を読む
学校が、気持ちよく学べるところかどうかは、そこにいる人たちの道徳水準でだいたい決まります。だって、「そりゃ、あんまりだ」ってことを先生や友達にされたら、授業を聞いているどころじゃないもの。
従来型の学校は、徳目主義で道徳水準を維持しようとしてた、んだけど...。 金科玉条で生きてる人の言うことって、真実味がないです。徳目の暗記は、道徳水準を落とします。これは、丸暗記が学力を落とすのと同じ。 . . . 本文を読む
教育基本法を作った中心人物は田中耕太郎と言う当時の文部大臣です。この人が「教育基本法の理論」(有斐閣 1961)という本を出しています。教育基本法のことを調べるなら、これに目を通さないわけにもいかないだろうと思いました。4年ほど前、2002年のことです。
ところが、この本は絶版で、近所の図書館にもない。ネット上の古本屋で何冊かありましたが、2~3万円の値段がついていました。中に1万円のものが . . . 本文を読む
ここ数年かけて書いていた
「変えよう!日本の学校システム ――教育に競争はいらない」 古山明男著 平凡社 1680円(税込)
が発売になりました。日本の教育がお役所仕事でがんじがらめになっていることと、そこから抜け出す道を書きました。教育基本法についても、多くを割いています。
教育基本法」は、官庁が教育を指揮するために作られた法律ではない。まったくその逆であって、教育が、政治、宗教、 . . . 本文を読む
人間が発達するとき、まず自分を大事にできるようになり、それから、家族、親戚、友人、地域、職場、自治体、国、人類というふうに大事にできる対象が広がっていきます。
赤ん坊は、自分の生存のことで生きているだけ。 それが、だんだんと、家族の中で生きるようになり、友人や仲間と生きるようになり、やがて職業生活や政治生活に参加してきます。これが、当たり前の順序です。
これをちゃんと順序良くやらないと、 . . . 本文を読む
教育基本法改正案が秋の臨時国会で継続審議されることになった。
数の計算からいけば、臨時国会で成立する。成立したあと、学校教育法の改正があり、教育委員会も学校も、対応に追われ、疲れ果てるだろう。
しかし、改正が成立するかどうか、わからない要素があると思う。 自民党以外のところは、本心は自民党さんへのおつきあい。自民党が他の勢力と取引したり、なだめたりでなんとかまとめ上げた。
自民党は昔 . . . 本文を読む
学校で嫌だったこと。いまも嫌なこと。 スローガンが掲げられること。
小学校の「やさしさ」「やる気」「元気」 中学の「自主」「寛容」「練磨」
みたいなやつ。 校内に額があったり、校舎に垂れ幕で出したりしてる。 自分が子どものときは、嫌なだけだった。でも、学校ってそんなものだと思っていた。
今のトシになると、言葉で反撃できる
こういう徳目を、言葉で宣伝すると、その後の道徳的発達に悪影 . . . 本文を読む
教育基本法改正には、政治家の法律万能幻想があります。法律で教育をよくしようとするなら、予算と人員を増やすとか、現在の法令でがんじがらめの学校を解放するとか、教科書を自由化するとか、保護者・住民の不満を聞き届けるシステムを作るとか、人々が作りたい学校を作れるようにするとか、そんなことの立法を考えるべきです。
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学校の朝礼で全校生徒を並ばせ、校長が「思いやりが大切」というような訓話をする。生徒たちは、退屈をかみ殺し、聞いているふりをする。生徒たちがちゃんと聞いているふりをしているかどうか、教師たちが監視している。権力者の訓話をありがたがらせるというのは、たいへんな不道徳ではないか。 . . . 本文を読む
「そんなこともわからないのか」これは、教える側のいちばん言ってはいけないことだ。教えられなかった責任を、生徒に転嫁している。教師であることの放棄だ。しかし、学校組織では、これが起こりやすい。 . . . 本文を読む