私の高校は、公立の進学校だった。名門校なので、受験一辺倒ではなかったが、それでも勉強以外は、刺身のツマのようなものである。 同級生の中には、「我々はうわべは仲良くしているように見える。しかし、ほんとうは成績競争が根幹にあって、お互いに孤立しているのだ」というような言う者もいた。クラスの回覧ノートに書く者もいた。
ずいぶんと穿った観方をすると思った。自分に友達ができない理由を、とんでもないとこ . . . 本文を読む
教育が荒廃したのは、戦後の民主主義教育によって、個人のことしか考えない人間がたくさん育ったからだという説がある。だから、人権保障は最低限にとどめるべきであり、公共心や国を愛する心を法定してでも教えるべきだという主張である。
しかし、個人のことしか考えなくなるのは、民主主義が原因とは思えない。
近代民主主義は、個人の権利の主張を認める。しかし、これは「自分のことだけを要求していればいい」を . . . 本文を読む
ヨーロッパ諸国の教育基本法制には、権利と義務についての共通原則があります。
日本との大きな違いは、「教育の自由」を基本的に保障していることです。具体的には、「学校を選ぶ自由」と「学校を作る自由」です。 教育法制の共通原則は、このようなものです。
1 すべての人のための”教育への権利” 2 無償の初等教育 3 初等教育を受ける義務 4 高等教育の機会均等 5 親が子どもに与える教育を選ぶ権 . . . 本文を読む
(きょうの文は、拙著『変えよう!日本の学校システム』の「学校を官庁的上下関係に入れない」の章からの引用です)
日本の教育システムが、お役所仕事の弊害に満ちていることを見てきた。 しかし、これを予防するのが目的だった法律がちゃんとある。 昭和22年に作られた『教育基本法』の第十条がそれである。日本の教育がお役所仕事で行き詰まらないための予防薬だったし、、唯一の治療薬でもあったは . . . 本文を読む
教育基本法改正案(政府案)に比べて、現行の教育基本法はずいぶんと条文の数が少ないです。 なぜかというと、現行法は
「そもそも教育は法律で指揮するものではない。法律は必要最小限にとどめよう」
というポリシーがあるからです。 これは、田中耕太郎と当時の文部省スタッフの方針です。
いっぽう政府改正案と、それにお付き合いした民主党案は、
「みなさん、こんな教育だったらいいと思うでしょ」
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