教育基本法ね

教育基本法をさまざまな角度から視る

ヨーロッパ諸国の教育の自由

2006年07月18日 | 教育基本法改正案
 ヨーロッパ諸国の教育基本法制には、権利と義務についての共通原則があります。  日本との大きな違いは、「教育の自由」を基本的に保障していることです。具体的には、「学校を選ぶ自由」と「学校を作る自由」です。 教育法制の共通原則は、このようなものです。  1 すべての人のための”教育への権利” 2 無償の初等教育 3 初等教育を受ける義務 4 高等教育の機会均等 5 親が子どもに与える教育を選ぶ権 . . . 本文を読む
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改正案の条文が多いわけ

2006年07月01日 | 教育基本法改正案
 教育基本法改正案(政府案)に比べて、現行の教育基本法はずいぶんと条文の数が少ないです。 なぜかというと、現行法は  「そもそも教育は法律で指揮するものではない。法律は必要最小限にとどめよう」  というポリシーがあるからです。 これは、田中耕太郎と当時の文部省スタッフの方針です。  いっぽう政府改正案と、それにお付き合いした民主党案は、  「みなさん、こんな教育だったらいいと思うでしょ」 . . . 本文を読む
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日本教育のお役所仕事

2006年06月28日 | 教育基本法改正案
 ブログが途絶えがちですみません。足を痛めて起居がままならない状態でした。  日本教育は、すごいお役所仕事をやっていると思います。内規でばかり動いているのです。 たとえば、5、4、3、2、1の相対評価を、義務教育学校が長らくやっていました。相対評価では、5は7%、4は何%というふうに人数をあらかじめ決めています。この仕組みでは、だれかの成績が伸びれば、だれかがずり落ちます。それでも、学校は「みん . . . 本文を読む
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問題を見ずに成功談を集める

2006年06月22日 | 教育基本法改正案
 いろんな教育改革で、いつも不思議に思うことがあります。 「教育に問題があるからなんとかしよう」ということになって、委員を集めるとき、各界の成功者ばかり集めるんです。教育に問題がなかった人たちなんです。少なくとも、自力でなんとかできた人たちなんです。 その会合では、 「集中力です」 「奉仕の心です」 というような、ただただ当たり前の抽象論がでてきて、それが教育改革の切り札みたいになってしまいます。 . . . 本文を読む
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具体的な原因があるのに

2006年05月30日 | 教育基本法改正案
われわれは軽率な教育を受けたため、理念を思い浮かべただけで問題を解決したような気になるクセがあります。こんどの、教育基本法改正案もそれです。学校システムには、官僚型組織運営の弊害とか、教師・生徒・親の三者が長らく無権利状態に置かれているとかいう、具体的問題がちゃんとあります。 . . . 本文を読む
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立法によって道徳を呼び覚ませるのか

2006年05月20日 | 教育基本法改正案
 教育基本法改正案を読んでいると、こういうことを感じます。 「こういう法律を作る人たちは、立法によって道徳を呼び覚ますことができると信じている」 法律が人間の内面に向けられれば、内面の道徳を破壊するのではないでしょうか。法律は、納得がなくても従わなくてはならないものです。 私は、道徳意識というのは、メロディーのようなもの、美意識のようなもの、運動感覚のようなものだと思います。言語にできません。 . . . 本文を読む
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「愛国心」より「教育行政」が重大

2006年05月16日 | 教育基本法改正案
 教育基本法改正案の国会審議が始まっている。新聞やネット上の話題のほとんどは、「愛国心」を中心に議論されている。 しかし、私は改正案のもっとも危ないところは、「教育行政」と「教育振興基本計画」のところだと思っている。    政府案は、すでに制度疲労し、能力の限界に直面している文科省が、「もっと権限をくれればうまくいきますから」と権限を要求しているようなものだ。しかし、文科省が . . . 本文を読む
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国際条約と整合させる必要

2006年05月15日 | 教育基本法改正案
 学校を作る自由は、基本的人権の一つです。日本が批准している国際条約は、学校設置主体を「個人または団体」としています。いっぽう教育基本法は「国又は地方公共団体の外、法律に定める法人のみ」としています。教育基本法を国際条約に合わせる必要があります。 . . . 本文を読む
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法令だらけの日本教育

2006年05月12日 | 教育基本法改正案
 日本の学校システムには、国の法令が網の目のように張り巡らされている。そのため、学校に自主性がなく、実情に対応できなくなっている。教育基本法改正案中の、「法律の定めるところにより」は、この症状を悪化させるだろう。 . . . 本文を読む
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学校システムの問題なのに

2006年05月09日 | 教育基本法改正案
 教育基本法を改正する案が国会に出てきた。読んでみて第一感  「お説教で教育がよくなるのかなあ」  法律が、こんなに価値観に立ち入り、精神論を振り回すものじゃないですよ。 精神論に実効はないし、悪用したらいくらでも学校や先生を法律でひっかけることができます。  精神論がはびこるところって、かならず、システムが悪いんです。組織が硬直してしていると、精神論ばかり出てくる。   じ . . . 本文を読む
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