教育基本法ね

教育基本法をさまざまな角度から視る

教育における自民党の失政

2006年06月29日 | 地教行法

 自民党は、戦後日本の経済繁栄を導き、長期にわたり政権を担っている。しかし、教育政策においては、自民党は大きな失政をやっていると思う。

 自民党は、文科省と組んで教育に影響を及ぼす心地よさに安住してしまったのである。教職員と保護者・住民が参加する教育運営システムを作り上げるのを怠った。地方自治に相当するものが、教育では育たなかった。

 教職員と保護者・住民という、最大の味方になるはずの人たちを、カヤの外に出して、官僚機構と法令に依存した教育運営をやったのである。いつのまにやら、大きなひずみがたまっている。「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」(1956)という法律が、このシステムの元凶である。

 文科省は、まじめなよき事務局である。ここに方針を出すと、必ずきちんとやってくれる。GHQも、自民党も、文科省に依存した。戦後復興期そのままの教育運営がまだ続いている。
 しかし、教育は、福祉に似た領域である。現場感覚が必要だし、教師の自主性も必要である。教育が、地方分権的に運営されるのが先進国の常識である。

 今回の教育基本法改正案(政府)は、教育目的を法律にすることと、文科省権限の強化が二本柱である。教育運営システムの問い直しをまったくやっていない。実効性はなく、弊害のほうが大きいと思う。
(転載歓迎 古山明男)


コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 日本教育のお役所仕事 | トップ | 改正案の条文が多いわけ »

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
自民党は時代遅れでもういらない (匿名)
2006-07-02 09:08:12
私は、自民党というのはもう時代遅れの政党だと思います。経済繁栄といいますが私はその経済繁栄というのは国民を犠牲にして成し遂げただけだと思います。今こそ負の遺産をみて本当に良かったのか考えるべきと思います。この経済発展の裏で被害にあっている人もいるのです。公害や地価暴騰で住まいに困り諸外国からはウサギ小屋といわれる。水俣病に至ってはいまだに解決策をなんら示さないで被害者はほっとかれている。こういうことは枚挙に暇が無いのでは。
返信する
はじめまして (4ランナー)
2006-07-04 10:15:49
はじめまして。仕事に関連する本として「変えよう、日本の学校システム」を読んでいくうちにこのサイトの存在を知りました4ランナーと申します。よろしくお願いいたします。

私は仕事をやっていく上でのベースを「地方分権」に置き、現場の意向が反映されない組織は滅びるという理念と持って日々の仕事に取り組んでいます。ところが、私が勤務している業界の現実は全く逆の「中央集権」「現場の意向を重視しない」「顧客満足が欠けている」ことがあるため、これから勉強していきたいと思っています。
返信する

コメントを投稿

地教行法」カテゴリの最新記事