稽古を積んだので、皆、自由になってきた調子に乗ってきた。セリフも動きものびのびしている。いい傾向。この時期、演出の仕事は余分な枝葉を切り落とすこと。
俳優たちが、リズムが共有できていないと、シーンが成立しない。自分のセリフや役作りで精一杯な俳優は、リズムどころではない。そんな俳優が多ければ多いほど、ドラマが混迷していく。
子どもの頃、正義・世界・人間・恋・矛盾・楽しさetc.をドラマから教えられた。あたかも自分が登場人物であるかのように、疑似体験をしていた。それは、文字などよりも強力だった。今度は、自分が伝える番だと思った。
気持ちそのまま声にすればいい。
と、言うは易し行うは難し。
たとえ、それが出来たとしても、声が鍛錬されていなかったら、お客様に届かないから、だめなんである。
普段から、きっちりお話ができる人なら、ちょっと訓練すれば。でなれば、腹式呼吸とアーチキレーションの訓練をしないと。
けれど、テレビや映画など、マイクで声を拾ってくれるジャンルの俳優さんは、この範疇に含まれないかな。