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いつも何度でも♪『千と千尋の神隠し』

2004-11-19 00:47:39 | 映画
『陰陽師』同様、名前が重要なテーマになっている宮崎駿監督の『千と千尋の神隠し』。
これも個人情報の危うさが根底にあるような気がしている。

「湯婆婆(ユバーバ)は名前を奪ってその人を支配する」という設定は、まさに「しる」者に通じる。『陰陽師』でも安倍晴明が言っている、「ものの根本的な在様を縛るというのは名だぞ」と。

自分の名前を忘れかけてた千尋に、ハクは注意する。
「自分の名前を忘れないで」

そのハクは、どうしても本当の名前が思い出せないでいる。
しかし、ラスト近くで千尋が「幼い頃に落ちた川の名前」をつぶやく。
「その川の名前はね、こはく川」
それを聞いたハクは自分の名を思い出す。
ハクの本名は、ニギハヤミコハクヌシ。漢字で書けば、「饒速水琥珀主」となるのであろうか。
しかし、「かんりにん」はあえて「饒速水小白主」としたい。

古代神話が好きな人は思わずニヤリとするだろう。まっさきに連想するのは大和朝廷誕生以前に畿内を支配していたという饒速日(ニギハヤヒ)という神様の名前。ニギハヤというのは、出雲系の一族である。後に蘇我氏に圧迫された物部氏の祖ともいわれている。

この『千と千尋の神隠し』のひとつ前の作品が『もののけ姫』である。主人公アシタカの故郷は今でいう東北地方(モデルは白神山地ともいわれる)。アシタカたちの先祖はヤマトとの戦で敗れ、北方に潜伏したエミシの一族であった。物部もエミシもヤマトという中央の代表に敗れ去ったものたちである。
小白という字が含まれる地名(川も)は東北各県にみられる。
それに、琥珀よりも小白のほうが、白龍の姿をとるハク少年のイメージに近い。

『千と千尋の神隠し』には、前作『もののけ姫』のテイスト、残滓とでもいったものが含まれているような気がする。

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5 コメント

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また見た。 (かんりにん)
2004-12-11 12:08:29
「坊と遊ばなきゃ泣いちゃうゾッ」と千尋に関心を寄せる巨大肥満幼児「坊」の声を神木隆之介クンがやってたとは迂闊にも知らなかった。’05大河で牛若丸として登場~

よく、かっこいいキャラクターとその声の主のギャップに驚かされることがあるが、これは逆の意味ですごい!



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TBありがとうございました (distan)
2005-01-10 13:24:42
framyさんは、博学ですね。おかげで、より、深く「千と千尋」を楽しむことができました。
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挨拶が遅くなってしまって (ゆき)
2005-01-19 09:30:59
申し訳ありません。

TBありがとうございました。

千と千尋の神隠しは何度でも見てしまいます。

今度はframyさんの言葉を頭にとめて見てみようと思います。
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Unknown (Unknown)
2005-09-08 19:36:59
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不思議。 (ぁるぁる探検隊!!!)
2005-09-08 19:45:23
どぉーも。ぃやー、千と千尋ゎぃつ見ても、イィですねー。(●へ_へ●)でも、不思議な所がぃくつか・・・。例えば、ハクの本当の正体とか・・・、。(・-・)みなさん、分かりますぅ?(>-<)★☆☆
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