『終戦のローレライ』第二巻まで読んだ。やっぱ、乗組員も持っていた、あの「セイラさんのお守り」を! いや、狙ってだしたのか、福井晴敏(ターンAガンダム書いてるし)?
ローレライのそれは泣けるシーンだけど、あれを託されても困るよなあ。託すほうの気持ちはわからんでもないけど。
ここで、ガンダム小説版を読んでいない読者(最近の方にはいるかもしれない)にちょこっとだけ説明しておくと、アニメやコミック版(後者はややセイラの比重が高くなっているけど)と違って、小説版はセイラ・マスという女性が非常に高いウェイトを占め、アムロともっとも係わり、彼の筆おろしまでしてやり、三部作の後半は彼女が主役だといってもいいくらいだ。
アムロがもっとも親密な女性であるセイラに「お守り」をねだる場面がある。二人とも縁起を担ぐほうではないのだが、周囲に言われて、のことだ。
女性のプライベートな部位を古い言葉で「ほと」と言う。これにもう一字をかけあわせた呼称がたいそうありがたいからってことなんだろう。これを携帯するのが「お守り」なのだ。あまりに前時代的で、宇宙を舞台に展開するSFドラマには何だか似つかわしくないが、ホワイトベースのクルーは結構縁起をかついでいるようだ。
もっともセイラというキャラクター自体が、アムロに言われて「ちょっと待ってね」とトイレにかけこみ、しかるべく処理してきて「はい」と手渡す姿がピンとこないし、もしあけっぴろげにそれをやられたら男性読者も興ざめしてしまうのではないだろうか。
そのくせ、はじめてアムロと結ばれる時などは、アムロに指示して個室の手配をさせて「部屋がとれたら来てね」とか言ってるし、事が終わったあとはホワイトベースのクルーたちには二人がしけこんだらしいことは公然の秘密になってしまっている。そもそも、アムロに「金髪さん(セイラの仇名)に貰ってこいよ」と言ったのはカイ・シデン。
人に言われてのこのこ「お守り」を貰いに来るアムロに対し、ムカッとするセイラのほうが好ましいだろう。現に、そういう神経が理解できない、とセイラは言う。
「貰ったことにしておきなさい」とアムロを冷たく突き放す。
アムロは「貰えたぜ」と仲間に虚偽の申告をして、ガンダムで出撃するものの、事もあろうに敵の下っ端に撃ち落されてしまう。しかもあれではまるで犬死に。一応、犠牲的行為なのであろうが、かんりにんにはそうは思えなかった。
アムロが撃墜された時、「セイラさんのお守り」をセイラがそういうことをする女性ではないということの他に、彼女がどうしてもその日、アムロに「お守り」をあげなかった理由らしきものが存在したことがわかる。
ついでにセイラがアムロと寝てしまうのも、唐突でよくわからなかったんだが、アムロと精神的に感応し合ったララァ・スン(第一巻ラスト)への嫉妬から、肉体的な行為(第二巻だったっけな?)に及んだのだろうか。で、撃墜されたアムロの思念がセイラをも貫いた時、これでわたしもララァに追いついたと認識し、「ララァとかを出し抜いてアムロをひきとってやろうか」という考えに及ぶ。もっとも、感激とショックとないまぜになって失禁しながら「そういうことではないのよね、もう」と否定するけど(第三巻後半)。
アニメの表紙に欺かれるなかれ。
機動戦士ガンダム〈1〉角川文庫
機動戦士ガンダム〈2〉角川文庫
機動戦士ガンダム〈3〉角川文庫
終戦のローレライ フィギュア付きBOXセット 講談社文庫
ローレライのそれは泣けるシーンだけど、あれを託されても困るよなあ。託すほうの気持ちはわからんでもないけど。
ここで、ガンダム小説版を読んでいない読者(最近の方にはいるかもしれない)にちょこっとだけ説明しておくと、アニメやコミック版(後者はややセイラの比重が高くなっているけど)と違って、小説版はセイラ・マスという女性が非常に高いウェイトを占め、アムロともっとも係わり、彼の筆おろしまでしてやり、三部作の後半は彼女が主役だといってもいいくらいだ。
アムロがもっとも親密な女性であるセイラに「お守り」をねだる場面がある。二人とも縁起を担ぐほうではないのだが、周囲に言われて、のことだ。
女性のプライベートな部位を古い言葉で「ほと」と言う。これにもう一字をかけあわせた呼称がたいそうありがたいからってことなんだろう。これを携帯するのが「お守り」なのだ。あまりに前時代的で、宇宙を舞台に展開するSFドラマには何だか似つかわしくないが、ホワイトベースのクルーは結構縁起をかついでいるようだ。
もっともセイラというキャラクター自体が、アムロに言われて「ちょっと待ってね」とトイレにかけこみ、しかるべく処理してきて「はい」と手渡す姿がピンとこないし、もしあけっぴろげにそれをやられたら男性読者も興ざめしてしまうのではないだろうか。
そのくせ、はじめてアムロと結ばれる時などは、アムロに指示して個室の手配をさせて「部屋がとれたら来てね」とか言ってるし、事が終わったあとはホワイトベースのクルーたちには二人がしけこんだらしいことは公然の秘密になってしまっている。そもそも、アムロに「金髪さん(セイラの仇名)に貰ってこいよ」と言ったのはカイ・シデン。
人に言われてのこのこ「お守り」を貰いに来るアムロに対し、ムカッとするセイラのほうが好ましいだろう。現に、そういう神経が理解できない、とセイラは言う。
「貰ったことにしておきなさい」とアムロを冷たく突き放す。
アムロは「貰えたぜ」と仲間に虚偽の申告をして、ガンダムで出撃するものの、事もあろうに敵の下っ端に撃ち落されてしまう。しかもあれではまるで犬死に。一応、犠牲的行為なのであろうが、かんりにんにはそうは思えなかった。
アムロが撃墜された時、「セイラさんのお守り」をセイラがそういうことをする女性ではないということの他に、彼女がどうしてもその日、アムロに「お守り」をあげなかった理由らしきものが存在したことがわかる。
ついでにセイラがアムロと寝てしまうのも、唐突でよくわからなかったんだが、アムロと精神的に感応し合ったララァ・スン(第一巻ラスト)への嫉妬から、肉体的な行為(第二巻だったっけな?)に及んだのだろうか。で、撃墜されたアムロの思念がセイラをも貫いた時、これでわたしもララァに追いついたと認識し、「ララァとかを出し抜いてアムロをひきとってやろうか」という考えに及ぶ。もっとも、感激とショックとないまぜになって失禁しながら「そういうことではないのよね、もう」と否定するけど(第三巻後半)。
アニメの表紙に欺かれるなかれ。
機動戦士ガンダム〈1〉角川文庫
機動戦士ガンダム〈2〉角川文庫
機動戦士ガンダム〈3〉角川文庫
終戦のローレライ フィギュア付きBOXセット 講談社文庫