居酒屋や狭いレストランを利用する際の困ることのひとつに、“衣類や荷物の置き場所の無さ”がありませんか。一日の仕事を終えて仲間とワイワイ過ごす酒席では、男性は書類カバンを置き背広の上着も脱いで軽快なワイシャツ姿で冷たいビールをいただきたいものだし、買い物袋を抱えた女性客も安心して荷物を預けられる場所が欲しいですよね。
狭い店では客が立て混んでくると、空いた隣のイスに荷物を置くのは気が引けるし実際、店側から「すみません、お荷物は膝の上にお願いします」と注意されることもあります。首都圏では確かに地価が高いから余分な設備は造りたくとも造れないのでしょうけど、なんとか出来ないものでしょうか。
例えばデパートという業態は“買い物をする客”がメインなのに、店内のお洒落な飲食店には肝心の荷物を預ける施設が足りていないような気がします。代わりに“贅”を感じさせるようなオブジェスペースや、見た目重視の出窓などは設計されているのに、です。もちろん、壁にコートや背広をかけられるようフックを設けている居酒屋さんは昔からあるし、中にはイスの中を“荷物置き”として工夫したお店もあります。しかし、気分良く酔って歓談している隙に掛けた背広のポケットを他人にまさぐられてもわからないし、トイレに立つ度に3人掛けのイスを開けてバッグを取るのも、「なんだかなあ」です。
これから寒い季節に向かいます。かさばるコートの処遇を考えると気も重くなり、スペース効率や客の回転だけを考えて設計された飲食店には正直、足が向きにくいものです。経営者の方だけにお願いするというより、店舗開発者の方にもご一考いただきたい課題です。
2004.10.31_UT
“フードスタイリスト・フードコーディネーター派遣”
<Food Styling Team-F1>
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