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朝鮮半島って歴史家にとって「場」としての価値しかないのか?(Nov 24, 2013)

2013-11-24 20:08:05 | おかしな人たち
何か知らんが、憲政史研究者と称する倉山 満(Mitsu KURAYAMA)氏が日本が行った20世紀前半における朝鮮半島の植民地支配について意味不明な論をカマしていた。
・倉山 満「朝鮮人を人間扱いしたから大日本帝国は滅びた」(2013年11月22日 nikkan-spa.jp)

タイトルの時点からして危険な雰囲気を醸し出してる上の記事。
だが、内容は、それ以上の核地雷だった。
冒頭では、倉山氏が書いた前の記事(後述)の続きと断った上で、植民地化についてわけのわからない論を書き連ねていた。
以下、2013年11月22日分 nikkan-spa.jp『倉山 満~』から序盤部分を(略

---- 以下引用 ----
(中略)
「安重根が伊藤博文を愚かにも暗殺したことが日韓併合の引き金になったのですが、そもそも日本は植民地を持つ資格がなかったのです。なぜか? それは日本人が朝鮮人を人間扱いするほど『甘かった』からです。朝鮮を植民地にしたのなら、人間扱いをしてはならなかった。この言葉をもって、『こんなことを言うヤツは差別主義者だ』『右翼・民族主義の過激派だ』などと思った方は当時の世界の常識を知らないと、自白していることになります。そもそも植民地とは何かというと、搾取する土地です。朝鮮半島に搾り取る資源があったのかというと、何もありませんでした。そんな土地を生真面目な日本人は『貨幣経済を浸透させよう』『文明化しなければならない』『インフラを整えよう』と使命感に燃え、やりとげてしまった」

 確かに、当時の価値観からすれば、ヨーロッパ人が行った搾取とは一線を画している。
むしろ、大日本帝国憲法を適用し、正確に言えば、植民地ではなく「海外領」として扱ったと言ったほうがいいのかもしれない。
(以下略)
---- 引用以上 ----

伊藤 博文の暗殺が韓国併合のきっかけ云々ってのは、事実と全く逆だったりする。
この辺の経緯は以下記事の後半を参照(手抜き)
・暗殺された時の伊藤博文は、韓国併合反対派ではなかった(2013年11月19日 法華狼の日記帳)

そもそも、植民地ってのは搾取するだけとは限らないのだが(呆)。
日本が朝鮮半島を整備したのは、将来満州に進出するための基盤作りという意味が強いんだけどさ。
日本軍を朝鮮半島に足止めしたのがその主な要因、という説もあるけど・・・。


だが、残念なことにこの部分は壮大な前フリでしかない。
本当のクライマックスは、この後の「植民地支配は良かった論」だった。
以下、2013年11月22日分 nikkan-spa.jp『倉山 満~』から中盤部分を(略
読んだ後で、不思議な呪文をとなえて不思議なくすりをもらわないように!(謎

---- 以下引用 ----
(中略)
「イギリスでいえば、インドは植民地ですが、カナダは海外領になります。そして日本は朝鮮に急速に文明化をもたらします。当時、満洲では朝鮮人と漢民族の対立が激化し、日本への侮日行為や居住権の侵害が繰り返され、朝鮮人農民が被害を受けます。そこで日本人はハタと『半島と大陸は陸続きだ』と気づくのです。日本人の悪い癖に『問題を解決しなければならない病』があります。日本は帝国臣民である朝鮮人の権利を守るため、中華民国と対峙することになり、満洲事変、支那事変と戦線を拡大し、大陸経営へと深入りして破滅していったのです。日本というのはどこまでお人よしなのでしょうか。どこの国が植民地のために世界中を敵に回すでしょうか? イギリスがアイルランドのために、アメリカがフィリピンのために、いったい何をしたというのでしょうか?」

 昭和6年から昭和20年まで、朝鮮人が「反中親日」になった「唯一の時代」だったと倉山氏は指摘する。
宗主国の日本が朝鮮のために世界中を敵に回してまで自分をイジめた中国を叩きのめしてくれたのです。当たり前でしょう」とも。
(以下略)
---- 引用以上 ----

植民地支配礼賛論の極北としか言いようがない論だ(呆)。
明治維新~第二次世界大戦終了までにおける日本の歴史について何の問題意識を持ち合わせてなければ、こんな(放送禁止用語)な論を書けるとは思いたくない。

つか、なんで倉山氏はこれ程まで朝鮮半島の人達のことを馬鹿にした発言を繰り返せるのか?
実は、倉山氏の中で朝鮮半島ってのは中国や日本などの周辺国の中の「場(Theatre)」という位置づけしかないという。
↓前回の記事。
・倉山 満「朝鮮はしょせん中国史の一部」(2013年11月18日 nikkan-spa.jp)

以下、2013年11月18日分『倉山 満~』から序盤部分を(略
読んだ後で、不思議な魔法をかけて体が熱くなっても・・・いいかもしれない(謎)

---- 以下引用 ----
 前回の記事(http://nikkan-spa.jp/534592)で「韓国人の歴史観はすべてファンタジー」と切り捨てた憲政史研究者の倉山 満氏だが、意外なことに「研究者として朝鮮半島はまったく視界に入っていませんでした。なんの関心を持たなくても、まったく差し障りがなかったからです」と、衝撃的な告白をする。
そもそも氏の専門は憲政史であり、史学では政治外交史に分類されるが、当然、周辺諸国のことも知らねばならないはずだ。なぜなのか?

朝鮮は常に『場』(Theater)であっても、『主体』(Actor)ではなかったからです。例えば、琉球という『場』で日本と中国という二つの『国』(Actor)が争うことはあっても、琉球が『主体』でないことと同じ構図です。朝鮮には独自の文化こそあれど、常に『中華様』の属国であり、独立した国ではなかった。日本の東洋史学界でも、朝鮮はしょせん中国史の一部。常に小国で主体性のある『国』ではなく、周辺諸国に蹂躙される『場』でしかなかったからです」
(以下略)
---- 引用以上 ----

・・・この発言で唯一評価できる点があるとすれば、日本の東洋史学界が自分達の視点を絶対視してるかを暴露したことだ。
視点を少し変えれば、琉球の人達だって朝鮮半島の人達だって主体でありうるのだが。
故エドワード・W・サイード(Edward W. SAID)もびっくりだ(全然違う)。


なお、最初に紹介した記事の最後は、倉山氏の著書の内容を一部紹介していた。
以下、2013年11月22日分 nikkan-spa.jp『倉山 満~』から最後の〆を(略

---- 以下引用 ----
(中略)
倉山氏は新刊『嘘だらけの日韓近現代史』のなかで、「朝鮮半島の歴史を読み解くうえで重要な三法則ある」とも指摘している。その三法則とは以下のとおりだ。

【韓国の三法則】
一、頭の中身がファンタジー
ニ、軍国主義でないと正気が保てない
三、反日を言ってないと親日になってしまう

 詳細はぜひ本書で確かめてほしい。
(以下略)
---- 引用以上 ----

こんな差別主義者の倉山氏がそれなりに支持される理由って何だろうね?(呆)


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (Unknown)
2013-12-04 19:19:32
少なくとも多様な意見が担保されることが
民主主義にとって重要で、ただの中傷などではなく少なくとも歴史的事実に基づいて話してあるから支持されるのでしょう
韓国では日本を支持する発言が公式に認められない国であり、それがいかに民主主義としてゆがんでいるかおわかりですか?

あなたは倉山氏を差別主義者とおっしゃるが
当の韓国の方々がどれだけ差別主義者かご存知なのであろうかw
一例として韓国語には日本語の比ではない、差別語、侮蔑語がある(チョッパリ等)。それだけ差別をしているということだ
韓国と韓国国民の言動に日本人はうんざりしているからこそ倉山氏は一定の支持をされていると考えられる

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Unknown さんへ (flagburner)
2013-12-07 20:22:10
コメントありがとうございます&レス遅れ申し訳(略)

>少なくとも多様な意見が担保されることが民主主義にとって重要で、ただの中傷などではなく少なくとも歴史的事実に基づいて話してあるから支持されるのでしょう
その辺りは、歴史的事実というより、日本社会における19世紀後半~20世紀前半に関する歴史認識の影響が強い気がします。
現実社会レベルだと、歴史認識の影響は決して小さくありませんし。

>あなたは倉山氏を差別主義者とおっしゃるが、当の韓国の方々がどれだけ差別主義者かご存知なのであろうかw
倉山氏が差別主義者であることと韓国の人達が差別主義者かどうかについて並べ立てるのは、単に話のすり替えなのですが・・・。

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