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公共スペースにおけるトイレ整備は 水に流せない(?)問題らしいが

2012-05-09 21:40:20 | 時事ネタ(国内)
今回は水に流したくても流せないネタ・・・(謎)

先月のことになるが、国土交通省が『多機能トイレへの利用集中の実態把握と今後の方向性について』という調査結果を公表していた。
・空かずの多目的トイレ 車いす利用者の74%、諦めた経験(2012年5月9日 TOKYO Web)

ある意味人生の中で重要な役割を果たす(?)トイレの話。
以下、2012年5月9日分 TOKYO Web『空かずの多目的トイレ~』から前半部分を(略

---- 以下引用 ----
車いす利用者の74%が、他の人が使用中だったことを理由に、身体障害者用トイレにおむつ交換台や着替え台などを備えた「多目的トイレ」の使用を諦めた経験があることが国土交通省のアンケートで分かった。

 国交省は、多目的トイレに機能を集めすぎ、子ども連れや手すりが必要な高齢者らの利用が増えていると分析。
一般トイレに機能を分散させて利用者を誘導するため、公共トイレを整備する自治体や公共交通事業者向けに、バリアフリー法に基づく整備ガイドラインを改定する方針だ。

 アンケートは、全国の車いす利用者百五人に昨年十一~十二月に実施。
94%が待たされた経験があり、待たされた相手(複数回答)は、83%が「子ども連れ」を、71%が「障害者に見えない人」を挙げた。
多目的トイレが足りないと感じる人も75%に上った。
(以下略)
---- 引用以上 ----

↓アンケートの結果。
・多機能トイレへの利用集中の実態把握と今後の方向性について ‐多様な利用者に配慮したトイレの整備方策に関する調査研究報告書のとりまとめ‐(2012年4月24日 mlit.go.jp)

↑のアンケートでは、車いすを使ってる人達だけでなく、子ども連れの人達やオストメイト(人工肛門・人工膀胱)を使ってる人達も調査対象となっていた。
以下は、車いす利用者、子ども連れの人達、オストメイトを使ってる人達の調査対象人数。

・車いす利用者:105
・オストメイト(略):243
・子ども連れの(略):640

子ども連れが(調査対象の人数として)多くなるのは止むを得ないんだろうが・・・。


話を戻す。

「多目的トイレに機能を集めすぎ」云々ってのは、確かにアンケートの回答からも多く出ていた。
・3-1 トイレの利用実態に関するアンケート調査結果:3-1-1 車いす使用者に対する多機能トイレ等の利用実態アンケート調査結果(2012年4月24日 mlit.go.jp;pdfファイル)

以下、2012年4月24日分 mlit.go.jp『3-1 トイレの利用実態に~』から『4-3 多機能トイレ内の機能に関する意見』を(略

---- 以下引用 ----
(中略)
4-3 多機能トイレ内の機能に関する意見

・ 多機能トイレ内の機能については、「いろいろな機能が盛り込まれたことで使いにくくなった」との回答が63.8%[引用者注:67]を占める。
・「もっと機能を充実してほしい」との回答は6.7%あり、自由記述には「大人サイズのベッドを充実してほしい」、「トイレの座面が低いのでもう少し高くしてほしい」、「体を支えるための背もたれや体幹ベルトがついていてほしい」、「座面が温かいものや柔らかいものにしてほしい」、「もっと空間をひろくしてほしい」などがある。
・「充実する傾向にあり好ましい」が 10.5%である。
・「その他」の中には、「これ以上機能を増やさない方が使いやすい」、「色々と機能を詰め込むよりも、障害者用トイレの数を増やしてほしい。最小限の機能でもトイレが大きい方が好ましい。」などがある
(以下略)
---- 引用以上 ----

もしかして、その手の多機能トイレを設計する人達ってのは、使う人達のことまで考えてないのかもしれん・・・。


そもそも、公共スペースにおけるトイレの整備ってのは、長年軽視されてた模様。
(↓では、公共スペースにおけるトイレの整備に必要なものや最近行われたトイレの整備事例について触れている)
・第4章 公共トイレの機能分散の考え方(2012年4月24日 mlit.go.jp;.pdfファイル)

以下、2012年4月24日分 mlit.go.jp『第4章 公共トイレの機能分散の考え方』の『4-1 公共トイレ整備に関する基本認識と方向性』から『(2)公共トイレの整備に関する経緯』を(略

---- 以下引用 ----
(中略)
(2)公共トイレの整備に関する経緯

・ 駅、公園などにおいて、和式便所を中心とした公共トイレが整備されてきた。
しかし、和式便器であることや入口に段差があるなどのバリアがあったことが、高齢者や車いす使用者の外出を阻害する要因の1 つとなってきた。

・ 一方で、障害者の社会参加を求める声が高まる中で、1980 年代から、一部の地方公共団体において、車いす使用者専用トイレ整備の推奨がなされたものの、設置数が少ない上に、整備されたとしても、鍵がかかっていたり、利用者が少ないために物置に使われていた。

・ 1990 年代から、建築物・公共交通機関等におけるバリアフリー関係の法制度が制定され、車いす使用者用トイレの整備が徐々に進んできた。その後、トイレ空間の利用効率を上げるために、2000 年代から車いす使用者用トイレ内におむつ替えシートを設置するなどした多機能トイレが整備されるようになった。
しかし、一方で、一般トイレ部分については、洋式化が進んだものの、特段のバリアフリー化の配慮がなされない状況が続いてきた。

・さらに近年、高齢者の増加や障害者の社会参加・子ども連れの外出機会の増加が進むなど、公共トイレを取り巻く環境が変化しているにも関わらず、多機能トイレ1 箇所のみに数多くの設備を詰め込んだ施設が多いことから、多機能トイレへの利用集中が進むことになった。
(以下略)
---- 引用以上 ----

公共スペース以外の部分(道路など)についても、バリアフリー化対応が必要だと思うが・・・。
もっと突き詰めれば、まちづくり全体の問題でもあるっぺぇ。
以下、2012年4月24日分 mlit.go.jp『第4章 公共トイレの機能分散の考え方』の『4-1 公共トイレ整備に関する基本認識と方向性』から『(3)今後の公共トイレ空間整備の方向性』を長いけど(略

---- 以下引用 ----
(中略)
(3)今後の公共トイレ空間整備の方向性

i利用者の特性や人数を踏まえた適切な整備
・今後も、高齢者・障害者・子ども連れなどの社会参加が求められるとともに、特に高齢者の増加に対応していくことは必須である。これらの利用者が外出する環境整備にとって快適に利用できる公共トイレの整備は重要かつ不可欠な要素である。
多様化する利用者の特性や人数を踏まえた適切なトイレを整備することにより、多機能トイレへの利用集中を解消し、快適な公共トイレ空間を整備していく必要がある。

ii 施設全体を視野に入れたトイレ空間の有効利用
・具体的な解決策としては、多機能トイレ1箇所のみで多様な利用者の対応をするのでなく、トイレ空間全体をいかに有効活用していくのか、つまり、利用者に対して特別な配慮がなされてこなかった一般トイレにおいて、高齢者等をはじめとする多様な者の利用が可能となるような配慮(手すりの設置、ベビーチェアの設置、広めのトイレの設置等)を行うことが有効である。
・既存施設の改修の場合などでは、トイレ空間に与えられる面積に制約があることが多いため、同一トイレ空間内だけでの対応だけでなく、同一フロアでの分散や上下階での役割分担など施設全体を活用した機能分散も考えられる。

iii 施設設置管理者の理解の広がり
・最近、駅や空港などの旅客施設や百貨店やショッピングセンターなどの商業施設を中心に、顧客満足度を高める観点から、快適に利用できるトイレへの新設や大規模改修が進んできている。
また、観光地においても、観光振興の観点から、同様の動きがある。
このような動きが、他の施設設置管理者の理解を得て、広がっていくことが期待される。

iv 市街地における面的整備・配置による外出環境の向上
公共トイレ整備は、行動範囲を広げるための重要な要素であることから、本調査のテーマであった施設単体だけでなく、今後は市街地内での適切な整備・配置も検討していく必要がある。
そのためには、住民や施設設置管理者などが連携したまちづくりを推進するなどの取組みを進めていくことが期待される。
(以下略)
---- 引用以上 ----

『iii 施設設置管理者の理解の広がり』ってのを、公共スペースにおけるトイレ整備に求められるってのも妙な話だが・・・。
この項目は、トイレってのが施設設置管理者から軽視されてる現実を端的に示してるんだろうな。

しかし、トイレの整備がまちづくりにも絡んでくるとなれば、まちづくりに関わる当事者間での利害調整が難しくなる悪寒。
特に、トイレをどこに設置するかってのは(人の流れとかを踏まえれば)色んな意味で重要だし・・・。


水に流せない問題だ。


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