
■カスタムのペン先の種類において、形式名の頭に「S」がつくのはソフト・軟調子のペン先という意味のようです。
・中字 「M」 の軟調が 「SM」 。
・細字 「F」 の軟調が 「SF」 。
・FとMの中間の太さの 中細字 「FM」 の軟調が 「SFM」 。
■通常のMと、軟調のSMの、その個性の違いは、どのようにして生み出されているのでしょうか。ペン先をよく見ると、以下の点が異なっています。 M以外の軟調も違いは同様です。
1) ソフトの方が、ペン先全体の幅が狭い( フックの法則から断面積を少なくした? )。
2) ソフトの方が、ハート穴が先寄りにあって切割が短い( なんだか逆みたい )。
3) ソフトの方が、ペン先地金の板厚が薄いようだ。
4) ソフトの方は、ハート穴より先に唐草模様の刻印が無い。
5) ソフトの方が、エラの頂点がポイントから遠い。
■ペン先の輪郭に沿う唐草模様の刻印と 板の端のエッジとの間隔(余白) を眺めると、基本形状の違いがよく分ります。
「ソフト」 では、刻印にほぼ平行にエッジがあるのに対して、
「通常型」 では、ポイントからエラ頂点に近づくほどに、刻印とエッジの距離が離れていきます。そのぶんエラ部分の幅が広い。
■通常型の「M」と、「ソフトM」 を書き比べると、ソフトの方は柔らかくしなる感覚が強くなっています。 インクをたっぷりと紙にのせるのにもほとんど筆圧が要りません。筆圧をかけるべきでない、と言うべきかも。
筆者の好みでは、"他の筆記具とは違う万年筆らしさ" がよく現れていて、ソフトの方が楽しく気持ちよく筆を走らせることができます。でも通常版に持ち替えると、それはそれで楽に筆記できます。・・・あくまで筆者の個人的な感想ですが、
「ソフト型」は
デューク更家のウォーキング。見て面白くエンターテイメントで身体と心にビタミンのように効く。でも原稿用紙150枚を一気に書けといわれたら、しなる穂先の(無意識の)コントロールで少し疲れそう。
「通 常 型」は
熟練ハイカーの足運び。普通っぽいけれども近所を散策する程度でなくて50km先の隣の県まで歩くならソフト型より通常型の方が疲労が少なそう。きっと頼りになりそう。しっかりしていてもちゃんと滑らかだし。
という感じです。 分りにくい たとえですが。
■また、直前に使っていた筆記具によっても評価が激変します。カスタム74の極細EFでカリカリとしばらく書いてから、MとSMを使うと、どちらも十分以上に柔らかく「インク出が豊富でたっぷり出過ぎる」ほどに感じます。 逆に特太のコースでしばらく書いてからMやSMに持ち替えると、「意外に絞られたインク出だな」と感じられます。
メーカーの調整師の方は、M担当者はずっとMばかりを担当してそれに熟練していくのでしょうか。
CやBやEFやMがバラバラに混じっている製造ラインでペン先調整をするのは、感覚が混乱して難しそうだと感じます。
■試し書きセットの11本を比較するうちに、これまでに断定的に書いた記事を書き直したくなってます。 たとえば。
並んだペンの左から右に、つまり細い方から太い方へ試すのと、右から左へ、つまり太いほうから細い方へ試すのでは、細字~中細字のペンの書き心地がかなり違って感じられます。前者では9本をなかなかイイと思うのに、後者では4本しかイイと思えない。 書き味の絶対評価って何なのかと、考え込んでしまいます。筆者が未熟なだけかもしれませんが。
・中字 「M」 の軟調が 「SM」 。
・細字 「F」 の軟調が 「SF」 。
・FとMの中間の太さの 中細字 「FM」 の軟調が 「SFM」 。
■通常のMと、軟調のSMの、その個性の違いは、どのようにして生み出されているのでしょうか。ペン先をよく見ると、以下の点が異なっています。 M以外の軟調も違いは同様です。
1) ソフトの方が、ペン先全体の幅が狭い( フックの法則から断面積を少なくした? )。
2) ソフトの方が、ハート穴が先寄りにあって切割が短い( なんだか逆みたい )。
3) ソフトの方が、ペン先地金の板厚が薄いようだ。
4) ソフトの方は、ハート穴より先に唐草模様の刻印が無い。
5) ソフトの方が、エラの頂点がポイントから遠い。
■ペン先の輪郭に沿う唐草模様の刻印と 板の端のエッジとの間隔(余白) を眺めると、基本形状の違いがよく分ります。
「ソフト」 では、刻印にほぼ平行にエッジがあるのに対して、
「通常型」 では、ポイントからエラ頂点に近づくほどに、刻印とエッジの距離が離れていきます。そのぶんエラ部分の幅が広い。
■通常型の「M」と、「ソフトM」 を書き比べると、ソフトの方は柔らかくしなる感覚が強くなっています。 インクをたっぷりと紙にのせるのにもほとんど筆圧が要りません。筆圧をかけるべきでない、と言うべきかも。
筆者の好みでは、"他の筆記具とは違う万年筆らしさ" がよく現れていて、ソフトの方が楽しく気持ちよく筆を走らせることができます。でも通常版に持ち替えると、それはそれで楽に筆記できます。・・・あくまで筆者の個人的な感想ですが、
「ソフト型」は
デューク更家のウォーキング。見て面白くエンターテイメントで身体と心にビタミンのように効く。でも原稿用紙150枚を一気に書けといわれたら、しなる穂先の(無意識の)コントロールで少し疲れそう。
「通 常 型」は
熟練ハイカーの足運び。普通っぽいけれども近所を散策する程度でなくて50km先の隣の県まで歩くならソフト型より通常型の方が疲労が少なそう。きっと頼りになりそう。しっかりしていてもちゃんと滑らかだし。
という感じです。 分りにくい たとえですが。
■また、直前に使っていた筆記具によっても評価が激変します。カスタム74の極細EFでカリカリとしばらく書いてから、MとSMを使うと、どちらも十分以上に柔らかく「インク出が豊富でたっぷり出過ぎる」ほどに感じます。 逆に特太のコースでしばらく書いてからMやSMに持ち替えると、「意外に絞られたインク出だな」と感じられます。
メーカーの調整師の方は、M担当者はずっとMばかりを担当してそれに熟練していくのでしょうか。
CやBやEFやMがバラバラに混じっている製造ラインでペン先調整をするのは、感覚が混乱して難しそうだと感じます。
■試し書きセットの11本を比較するうちに、これまでに断定的に書いた記事を書き直したくなってます。 たとえば。
並んだペンの左から右に、つまり細い方から太い方へ試すのと、右から左へ、つまり太いほうから細い方へ試すのでは、細字~中細字のペンの書き心地がかなり違って感じられます。前者では9本をなかなかイイと思うのに、後者では4本しかイイと思えない。 書き味の絶対評価って何なのかと、考え込んでしまいます。筆者が未熟なだけかもしれませんが。
個別の条件下においてストレスなく書けることがイイ書き味のテーゼだとすれば、確かにどのペン先がベストかという結論はありませんよね・・・
何本もコレクションが増えてしまうのも無理ないことなのでしょうね・・・
予想以上に違いがあるんですね。お店で試書きさせたもらおうと思います。
それにしても、デューク更家に例えるとは、お見それいたしました。
僕の持っているペンで、Parkerのソネット18Kはペン先が柔らかいのですが、書くときにまさに無意識程度だけど気を使ってしまい、かえって疲れる時があります。
柔らかいのは書いていて楽しいけど、実用を考えるとちょっと硬めのが楽だったりする気がします。
4本の内、使っている2本は845と博士のペン先がSFのものです。
柔らかすぎて、ふわふぁしていたものを、真鍮を入れて頂きバランスを調整したら、絶妙なペンになりました。
柔らかいペン先は力が抜けないと書きづらいと感じています。
その点845のかっちりとした書き味は大人の風格です。
これを選べる、両者を得る権利があることに万年筆の喜びがあります。(病だ
セーラーとパイロットで私が気にしているのは、イリジウムの「シュリシュリ感」です。
どう評価されるか期待しています。
旧型であるカスタム67、及び現行モデルながら旧型10号ニブを実装しているカスタムカエデなどは、ペン先全体がしなる「胴調子」とでも言うべき柔らかさを感じさせます。
手持ちのニブの厚みを測ってみました。ノギスの読みですから全くアバウトですが、だいたいこんな感じでした(計測部位はエラの先の曲線部分)。
・カスタム75(B) :0.25~0.3mm
・カスタム67(B) :同じくらいか若干薄い
・カスタム75(SF):0.2~0.25mm
・カスタムカエデ(M):0.15~0.25mm
何となくの読みだけですが、0.1ミリ前後の厚みの差がありそうです。マイクロメーターで精密に測っていただけると面白そうですが。
カスタムカエデの10号ニブは、首軸から抜いてヤワヤワといじると明らかに柔らかい!最近まで知らなかったのですが、これは別物です。お勧め。
通常版は,ペン先がお辞儀しています。
ちなみに,プロフットはまっすぐ伸びています。
ゴローさんのイリジウムの「シュリシュリ感」ですが,
プロフィットは「シュリシュリ感」が大きいように思います。意識的に運筆抵抗を付けているかも知れませんね。
運筆抵抗が少なすぎると,かえって疲れるという話しもありますね。
■私は、国産ではこれまでずっとセーラーをより多く使ってきま
した。ペンクリでお世話にもなった義理や思い入れがある分、
パイロットは余り手にとってきませんでした。
だから逆にパイロットのペンに新鮮味を感じています。
皆さんが既にご存知のことを今ようやく"発見" している感じです。
■プロフィット21は頂いたりお世話になった知人にあげたりで、
今使っているのが4本目くらいです。名古屋在住の愛好者の方から
頂いたスノー・ホワイトも持っています。
でも一番多く手に入れてきたのはプロ・ギアです。
http://fish.miracle.ne.jp/mail4dl/05-topic-news/charm-03.htm
知人にも勧めてきました。
http://wauruwashi.exblog.jp/m2006-11-01/#3733105
セーラーの記事が少ないとお思いであれば、お待ちください。
そのうちにセーラーのことを書き始めるつもりです。
■プロフィット21はカスタム743より確かにシャリシャリしますね。
ある日はプロフィットの方がイイ感じで、ある日はカスタムの方が
いい感じで書けます。この2日のことで言うと、オキナのプロジェクト
ペーパーに大きめの字で書く時はプロフィット21の方が良くて、
MDS.co.ltd の「さがの」という、表面のコートが弱くザラついた感じの
便箋に手紙を書く時はカスタム743の方が滑らかだと思えました。
> 個別の条件下においてストレスなく書けることがイイ書き味のテーゼだとすれば、確かにどの
> ペン先がベストかという結論はありませんよね・・・
食べ物の好みみたいなものかもしれません。
「BのペンよりAのペンが優れている」という "評価" には誤りの可能
性があって「その評価は間違っている」と反論できます。でも
「○○を書くときはBのペンよりAのペンの方が好きだ」という "告白"
に対して 「君のその気持ちは間違っている」 とは言えませんので♪
■マツさん
> 柔らかいのは書いていて楽しいけど、実用を考えるとちょっと硬めのが楽だったりする気がします。
そう感じることがあります。今手元にある、カスタム742の(ソフトで
ない通常の硬めの)Mよりも、プロフィット21のMの方が更に少し硬く
感じます(硬いけど適度に滑らか)。最近は国産ばかり使っているのですが、
プロフィット21が最も書きやすい、と感じる日があります。
■ゴローさん
> セーラーに比べ、パイロットの本数は少ない私です。
私も長くそうでした。無農薬野菜ではないですが、こだわりの商品の場合
は特に、今の時代は作り手の顔を見せる方がブランディングやファン獲得
に有利なことがあると思います。その点セーラー社の方が冴えていたとい
うか、パイロット社は "のんびりしている" ように思います。
田舎の万年筆店の調整もやる老店主のペン芯・ペン先評価を聞くと、それ
ぞれに特徴があって、どっちも相当良いのですが。
■丸刈太さん
カスタム67、カスタムカエデ、の情報をありがとうございます♪
確かに、"わかりやすい柔らかさ" にしてあるのかも知れません。
■スカブVRさん
> プロフィットは「シュリシュリ感」が大きいように思います。
老店主の田舎万年筆店で、一切調整してくれるなと頼んで、買ったそのまま
のプロフィット21Mは確かにカスタム742Mよりシャリシャリします。
ただ、2年前に買った手持ちのプロ・ギアは、最初シャリシャリしていたのを、
調整してもらったらシャリシャリせず滑らかな書き味に変わったのですが、
今度は滑りすぎてアッチへコッチへとペン先がとっ散らかる感じで、字が下手
になってしまう感じで疲れるので、再度少しシャリっとするように戻してもら
いました。セーラー社はシャリシャリしかできないのでなくて、狙って、書き
やすいと考える状態に整えておられるのだと思います。