歌よみもどきの書

歌詠み「もどき」のあかんたれが吐き出す、短歌になりきれない五七五七七の羅列です。

習作:「理由(わけ)なんてなくつてもいい」

2016-02-21 | 五七五七七

理由(わけ)なんてなくつてもいい 冬草を淡くいろどつて雪よ降り来(こ)

雪のもつ雨と異(こと)なる性格をわたしはふかく愛してはゐる

わたくしの意思を嗤(わら)つて雪はいま強い香(かを)りを踊りつつある

 (岡井隆 題「雪」 / 角川短歌2016年2月号)





こちらの最後で引かせていただいた三首です。
一首目の歌がとても好きで、私も「理由(わけ)なんてなくつてもいい」で詠んでみたくなりました。

ところが、結構難しいのです。
どう難しいかを(恥部を晒すようですが)推敲の過程をともに記そうと思います。



(1)
理由(わけ)なんてなつくてもいい 昔から君との出会ひは決められていた


あかん。
安っぽいw

うまく書けないのですが。
私は、五七五でジャブを打って七七でボディブローが効いたらいいかな、というイメージで歌(もどき)を作りますが。
「理由なんてなくつてもいい」なんて(字面に反し)いきなり強烈なアッパーくらったみたいな感じで。
後、どないするねん!てなるんです。
この歌い出しは相聞でありたいです、はい。
そうすると、極私的には口語(標準語)というのもかなりなネックになります。
文語と同じくらい(いやそれ以上?に)不自由というか照れがあるというか。
といえども(1)を使い慣れた言葉に変えると


(2)
理由(わけ)なんてのうてもええやん ジュラ紀からあんたと出会うことになってた



「昔」ではインパクトが弱いので「ジュラ紀」と具体性を持たせて、ネイティブな言葉を使いました。
でも安っぽさが消えません。
というか、関西以外の方は、関西弁を使うことで余計にくどさを感じられる危惧さえあるような。
関西弁はボツ。
そして、この強烈な出だしの後にまだ強烈な思いをストレートに並べるのもボツ。

…煮詰まる。^^;

「言葉の意味的な内容でいけば、無意味に近いのです。でも、無意味でも良いじゃないか、読んでいるうちにふわふわと良い気持ちになって、それで良いんじゃないかなと思えてきました。」
対談(角川短歌2月号)での岡井氏の言葉です。
無意味と言われても、ねぇ。。

…少し放置。←得意技



(3)
理由(わけ)なんてなくつてもいい 唱えたい滅びの呪文を五条別れで



無意味過ぎてごめんなさい。
「五条別れ」は交差点名なんですが、語感がいいかなぁと。
(1)(2)よりはマシ、なのか?^^;
降参!



お後がよろしいようで…m(_ _)m





無題

2016-02-21 | 五七五七七

寒がらすあさけを告ぐるひと鳴きに遥けき山を思ひて見やる


すがしきは冬日に光りのを渡る風を諒とすけふの生き方


冬晴れの日に拙き歌詠みたれば澄み渡る空に放ちて祝ふ