歌よみもどきの書

歌詠み「もどき」のあかんたれが吐き出す、短歌になりきれない五七五七七の羅列です。

口実Ⅱ

2015-01-26 | 学習ノオト

同時にいくつものことをできない私なので、致し方ないのですが。
高専ロボコンにうつつをぬかしている間(それはそれで熱く至福な時です*^^*)に、短歌に関して乗り遅れたことがふたつありました。

そのひとつ目として。。

『口実Ⅱ』が出ていました。^^;
創刊号に関しましては、こちらで書きましたので割愛しますが、装丁に惚れて飛びついたけど中身もすっごくよかったwということで。(要約しすぎ?^^;)
「2号が楽しみ」とか調子のいいこと書きながら、ノーチェックだったのでした。^^;
(反省:その時期はTwitterの「ロボコン」リストしか見てなかったため。以後注意(*`・ω・)ゞ)
で、さっそく申込み読んだのが昨年末。
今度は、年末のバタバタで読みっぱなしに。。(ごめんなさい)
今頃ではありますが、自分の勉強のため&素敵な同人誌への表敬の意をこめて、備忘録程度ではありますが感想を書かせていただきます。

先ずは装丁。
創刊号の装丁がとっても素敵でジャケ買いの私としましては、裏切られたww、という感じ。
それも「いい裏切り」です。
勝手に創刊号のあの路線かな?と思っていた私に、フェイントのジャブをくらった気分で。
それと同時に、え?これはどう来るの?的なドキドキ感を、まだ手にしていない段階(ツイートに添付されていた画像を見ただけ)から持ってしまいました。
そして、手にしましたら、若き人妻らしいつやつや感が醸し出すエロス!?
中を見る前に、うまいなぁってね。^^;

で、その中身。
構成も創刊号とは違うテイストで新鮮でした。
それに高木佳子さんの創刊号評が収められているあたりも、やられたぁ!と。
2号から買った人が創刊号を買いたくなるだけでなく。
創刊号を買った私のような人間も、創刊号の復習ができることになります。
そう!私もそう感じたwと単純に思い返せたり、ああ!そういう表現がぴったりやなぁと勉強になったり、おお!そういう風に読めるんやと気づきを与えてもらったり。
創刊号の復習という点では、「短歌ミックス」の答合わせ(笑)でも楽しめました。
そして、創刊号を踏襲する「短歌エピソード小説」があるかと思えば、新しい試みの「一首評・一句評」やゲスト投入の「相聞」があり、中身が濃ゆい出来上がりになってると思います。
特に、いつまでも短歌も「もどき」の域を出ない、いつも「感想」しか書けない私には、「評」というのがすごく勉強になります。読み方・詠み方ともの。

最後に、メインの短歌連作!
気になったり、気に入ったり、印象に残ったお歌を引かせていただいて、しまりのない感想文を締めさせていただこうと思います。




逆光のひとの目鼻を手の中になぞる涼しい線と執着

カッターで紙をすぱりと切る何をどう息しても君がちらつく

夢の中指が呼ぶまま絡ませてあえて制御をしない結末

  以上3首 雨宮真由 「熱」 より


眼・首にとどまらず頭蓋・瞳孔といった生々しい?体の部位が多く詠まれているのに、嫌な感じにならないのがいいなあ。
「カッター」のお歌は読んでいる方まで不整脈になりそうで好きです。
ミッチーファンというイメージと結びつかない(ごめんなさい。実は、ミッチーは分かりますがミッチーファンの生態自体が分からないので思い込みで書いてます^^;)ギャップも魅力です。
尚、どこかでフジファブリックのファンと書かれていた記憶がありますが、それならぴったり来ます。



澄んだ音鳴らして落ちるベトナムコーヒーは小さな水琴窟だ

街頭で囲まれているゆるキャラの中の人にも性の営み

きりきりと永訣の日を待つよりも縫いつけるべきボタンがあるわ

土くさく生きてゆきたい この家のどこかにあるはずの工具箱

わたしにはきみなんだろうつくづくとゼリーの絶壁に匙あてて

 以上5首 柴田瞳 「Every Jim has his Jill」 より


えっと…
柴田さんのお歌の中に私が勝手に名付けてカテゴライズするものに「カフェうた」というものがありまして、上に引かせていただいた中では1首目と5首目がそれにあたります。(独断です。)
伺う機会のないままに閉店されて残念ですが、そのカフェうたから色々想像する楽しみをありがとうございました。
「ゼリー」のお歌からは、この『口実Ⅱ』の装丁を彷彿とさせる透明感と同時に、ぷるんぷるんの力強さみたいなものを感じました。
タイトル、いいですよね。そうだと思います。
その人にとってのかの人、わたしにとってのきみ、きみにとってのわたし。。



失えばかなしいという凡庸にほそき手摺がありて下りぬ

許すため息を整(とな)うる二三歩のうちにひろがる麦畑あれ

あのころの俺たち、とかって死んでしまいエンドロールは馥郁として

  以上3首 温井ねむ 「教授、それはわたしの犬です」 より


私には、難しいというか厳しいです。
いえ、漢字がじゃないですよ。(それもあるけど^^;)
タイトルから、大昔に教授に気に入られるため犬の散歩までする院生の話を聞いたことを思い出してしまい、そのトーンから抜け出せないのです。
引かせていただいたお歌は、そんな中でも厳しさより美しさを感じたものです。
温井さんのお歌が素直にすっと入るようになれば、私も短歌的に少しは成長したと思っていいのかなぁと密かに思ってます。^^; 

 

今回は、鳥栖なおこさんが不参加で少し残念でした。
今年の秋は、気をつけて、3号チェックしますね!