「ラパン・ブラン。」
「はいはい、どうかしたのかい"ヤマネ"のお嬢さん。」
「ラパン・ブランはわたしのことが嫌いでしょうか。」
丸い黒真珠みたいな瞳がころりとラパン・ブランを見つめた。「嫌いも何も…、」ラパン・ブランは口ごもる。なんてったって彼は傍観者だから。嫌いになることはない。けれどそれは、同時に好きになることがないってことだ。スーリーはすっごく思いつめた様子だったから、さすがに彼もばっさりと切り捨てるわけにはいかないんだろう。
「嫌いなら、嫌いといってくれていいんです。ええ、ええ。わかっています。ハッターもハリーもわたしのことを好いていないようですから。」
スーリーは目に見えてしゅんとしてみせた。今度こそあの浮浪兎は…おっと、ラパン・ブランは追い詰められたはずだ。それを見ているのはなんてことないし、良心なんか微塵も痛んだりなんかしない。だってあのネズミは笑えるくらい頭が悪いから。彼女は黒のルークで、ハッターとハリーは赤のルークとナイトだ。それよりも、ラパン・ブランの同様の仕方といったらなかった。冷や汗を浮かべながら、肩に置こうとした手が宙を彷徨っている。ついでに言うと、視線も。
そ普段ならお腹を抱えて大爆笑できるくらい、彼女は頭が悪くたって笑えないのは、スーリーが、スーリーが言ってるのはそういうことじゃないから。
味方か味方じゃないかってことだ。彼女の仲間の区別はいつもそんな感じ。だから後ろ手に回した華奢な背には細い槍が隠されている。スーリーは本当に馬鹿だ。ラパン・ブランは傍観者。この世の何にも干渉なんかできない、それは、つまりゲームの輪に入れないってこと。だから放浪兎なのに。
「…わたしはね、お嬢さん。あなたのことを好くことはできないが、」
「そうですよね、…あの、ラパン・ブラン…、」
「待った、話は最後まで聞くものだよ。…わたしは嫌いになることもない、お嬢さんを見守ることぐらいはできるけれどね。」
バチコーンとウインクひとつ。ああ今日も、ラパン・ブランの血を見ることはできなさそうだ(チェイシャ・チャット)
―――
英語の翻訳風に書いてみたりなんかして。
「はいはい、どうかしたのかい"ヤマネ"のお嬢さん。」
「ラパン・ブランはわたしのことが嫌いでしょうか。」
丸い黒真珠みたいな瞳がころりとラパン・ブランを見つめた。「嫌いも何も…、」ラパン・ブランは口ごもる。なんてったって彼は傍観者だから。嫌いになることはない。けれどそれは、同時に好きになることがないってことだ。スーリーはすっごく思いつめた様子だったから、さすがに彼もばっさりと切り捨てるわけにはいかないんだろう。
「嫌いなら、嫌いといってくれていいんです。ええ、ええ。わかっています。ハッターもハリーもわたしのことを好いていないようですから。」
スーリーは目に見えてしゅんとしてみせた。今度こそあの浮浪兎は…おっと、ラパン・ブランは追い詰められたはずだ。それを見ているのはなんてことないし、良心なんか微塵も痛んだりなんかしない。だってあのネズミは笑えるくらい頭が悪いから。彼女は黒のルークで、ハッターとハリーは赤のルークとナイトだ。それよりも、ラパン・ブランの同様の仕方といったらなかった。冷や汗を浮かべながら、肩に置こうとした手が宙を彷徨っている。ついでに言うと、視線も。
そ普段ならお腹を抱えて大爆笑できるくらい、彼女は頭が悪くたって笑えないのは、スーリーが、スーリーが言ってるのはそういうことじゃないから。
味方か味方じゃないかってことだ。彼女の仲間の区別はいつもそんな感じ。だから後ろ手に回した華奢な背には細い槍が隠されている。スーリーは本当に馬鹿だ。ラパン・ブランは傍観者。この世の何にも干渉なんかできない、それは、つまりゲームの輪に入れないってこと。だから放浪兎なのに。
「…わたしはね、お嬢さん。あなたのことを好くことはできないが、」
「そうですよね、…あの、ラパン・ブラン…、」
「待った、話は最後まで聞くものだよ。…わたしは嫌いになることもない、お嬢さんを見守ることぐらいはできるけれどね。」
バチコーンとウインクひとつ。ああ今日も、ラパン・ブランの血を見ることはできなさそうだ(チェイシャ・チャット)
―――
英語の翻訳風に書いてみたりなんかして。