「おおしたさん」のブログです

2005年6月に始めたこのブログ、鍼灸院をやってた頃のことを含め、今も気ままに書いています。

明治神宮外苑再開発における樹木伐採について思うこと

2023年10月02日 | 外苑いちょう並木や青山界隈

各界の著名人や、有名シンガーが歌まで作って神宮外苑存続活動。
もちろん、外苑界隈の今の風景、無くなって欲しくないよ!
でも、この問題の表と裏の双方から眺めるに、何も言えなくなる自分がいる。
だから、脳みそ良さげだけどその実能天気な「反対イエーイ!」ってな部外者の、感情だけでの扇動には正直辟易しちゃう。
まぁ、しかたない。
こういう輩は世間の空気を読むのが上手いから。
でも、好感度上げるために反対活動するんだったらその知名度いかして金集めろよ!
みたいな(^▽^;)。

明治神宮外苑再開発における樹木伐採について思うこと

神宮外苑付近に住み始めて20年以上、この地で子育てをし、その環境に大いにお世話になった。いちょう並木には銀杏を落とす雌株もあり、秋にはそれを取りに行く。今の入園料を知らないが、夏場にバーベキュー会場になる100円公園と呼んでいた絵画館横の遊び場に子どもをよく連れて行ったものだ。スケートもそうだしバッティングセンターもそう。もちろん神宮球場での観戦も楽しい思い出だ。

東京は意外と自然が豊かだ。そしてしっかりと管理されている公園が多い。そこには大きな木がたくさんあり、緑豊かな街だと思う。

現在ここ神宮外苑の再開発が注目されている。開発の目玉は色々あるが、この地の高さ3メートル以上の樹木743本を伐採する事が問題となっている事をご存じの方も多いと思う。私が思うに、そもそも外苑は人工的に作られた公園なので人の出入りが多い。歩道に木がはみ出せば伐採され、ボウフラがわいたり蜂や虫がうろつくようの事のないよう薬が撒かれ、そこにくつろぐ人間に迷惑がかからないよう徹底的に管理される。そんな見せかけの外苑と、生き物が生死の循環を繰り返す本来の自然である内苑。その違いは一目瞭然だ。外苑は内苑のように朽ち倒れた巨木が栄養になり自然が自ら育つ事が目的ではないので、人が適当に循環させないと公園はなりたたない。

だから本来ならば人工林は危険な状態になる前に伐採されなければいけない。そういえば今年8月に広島の平和大通りで、高さ約7mのトチノキが地面から1mほどの所で折れたというニュースがあった。専門家によると、シロアリによる腐食が原因らしい。その瞬間を目撃した人曰く、風も吹いていないのにいきなりポキっと折れたという。それを受けて調べたところ、実に264本に倒木のおそれがあると診断されたとの事。折れたら管理責任を問われる。だから大きくなりすぎる前に伐採植樹を前提に管理する必要がある。それが人工林というものなのだ。

色々考えていたら、何を持って樹木を伐採するなと活動家が言っているのかよくわからなくなる。何度も書くが、管理が前提の人工林は、その綺麗な部分だけを見せる事が目的となる。本来の自然は日陰の世界、そこに隠れた蛆虫や蚊、昆虫や動物の死骸にたかるハエが蠢く世界も含めたものだ。綺麗なところだけを残したいからこそ人工林なのであって、本来なら大樹を定期的に伐採植樹しつつ、計画的に樹木の入れ替えをするべきなのだ。進め方に問題があったとはいえ、この再開発計画と樹木の伐採は別物と考えてあながち間違えではないと思うのだが、果たしてどうだろう。

追伸
著名人の意見に、やっぱそういう人だったんだなって、人の見立てが案外間違いでなかったんだと思う私。


明治神宮外苑の再開発で何が問題になっているのか、おさらいしておきます

この再開発の問題の争点は、緑豊かな環境や景観を開発によって損なわれることへの懸念です。

ああいえばこういう…神宮外苑「再開発反対派」が都合よく無視する「樹木はもともと人工林でこれまでも伐採」していた事実

日本人は、西洋の石の文化でなく、木の文化だ。木や森は生き物であるという当然の視点が、反対派には欠落している。弱った木はさっさと伐採して、新しいものに植え替えるのは、日本人がこれまで歴史的に繰り返してきたことだ。

神宮球場は改修できないの?建築家に壊さなくてもいい案を聞いた【神宮外苑再開発】
神宮外苑再開発で壊される予定の神宮球場。しかし古い甲子園はシーズンオフを利用して改修されています。神宮球場も改修できないのでしょうか?

マンションなどの建物改修に詳しい新建の事務局員の山下千佳さんによると、ヨーロッパでは「スクラップ&ビルド」ではなく、現存の建物を維持管理して消費エネルギーを減らすという方向に向かっている。 

国立競技場のような、隈研吾と施工者の間の忖度でできたハリボテのような建物になるくらいなら、改修で残してもらいたい。


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