ネガティブにも色々な傾向がある。
私の場合。
最近、住宅に隣接する大型店の駐車場でこんな看板を見かける。
「近隣住民にご迷惑をおかけしますので、前向きに駐車してください。」
私はこの看板を見ると、言いようの無いプレッシャーに駆られ、気持ちが沈む。
理由は決して前向き駐車が苦手なわけではない。
常にネガティブである自分に劣等感を持っている私にとって、この看板の文章は
「近隣住民にご迷惑をおかけしますので、前向きな気持ちで駐車してください。」
と言っている様に感じてならない。
同じ様な看板がある駐車場にたて続けに訪れてしまった時には、まるで私がネガティブである事が周智の事実であり、
「ほら、いつも後ろばかり向いてないで、たまにはポジティブに生きなさい、まずは駐車から、はい、前向き駐車!」
と、誰かから言われている様で、
「私にはできません。ごめんなさい。」
と謝りたい気分になるのだ。
これは意外と参る。そこに「前向きに」という言葉があるために自分が「後ろ向き」な事をわざわざ思い知らされるのである。
今日行ったお店にもその看板があった。
それを見た私は、立ち直りが自分より早く、良い意味で楽観主義である友人のことを思い出した。しかも彼女は前向き駐車が得意ときている。
「やっぱり、前向き駐車は気持ちも前向きでないと上手に駐車できないのであろうか?」
とふと考えさせられてしまった。さらに、それに比べて私は・・・とまた予定外の場所で落ち込むのである。
あの駐車場の看板は、付近の住民にとっては無くてはならない物だが、ネガティブな私にとってはあってはならない看板なのだ。手前勝手な言い分なのは重々承知だが、
「近隣住民にご迷惑をおかけしますので、正面から突っ込んで駐車してください。」
と変えるわけにはいかないだろうか?