翻 身 Fanshen

いつの日か『翻身』を遂げる事を夢見て
歩き続ける想いの旅。

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今日の一言

2005年02月24日 | 日記

成り行きで決めたコトほど、ここぞと言う時に、踏ん張りがきかない。

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恐るべし遺伝子

2005年02月20日 | 家族

今日、スーパーへ行った。
目的の商品の場所へ辿り着く前に、フルーツコーナーを通らざるを得ない。
オレンジとイヨカンが安売りしていた。

そう言えば、お母さんがサッパリしたものを食べたいって言っていたな。

予定外にオレンジ、イヨカンを1個ずつご購入。
その後目的物をGETし、帰宅した。

キッチンへ行き、買ってきたオレンジ、イヨカンをフルーツバスケットに入れようとした。
が、すでにそこには、オレンジとイヨカンが1個ずつあるではないか。

fanshenの風邪にビタミンCでもと思って、買ってきたのよ、と母。

私と母は30分位の時間差で同じスーパーへ行き、同じようにオレンジとイヨカンを一個ずつ買って帰宅したのだ。
私がスーパーで自主的にフルーツを買うのは、何年かぶりとも言えるほど、珍しい。

私はまぎれもなく母の子だ。
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大滝詠一『スピーチ・バルーン』

2005年02月20日 | 映画・音楽・読書

何でもないコトだけど、誰かに自慢したいコトってありませんか?

大滝詠一と松本隆のゴールデンコンビが作った曲『スピーチ・バルーン』。
私はこの曲がとても好き。
最近、大好きだった人が昔作ってくれたカセットテープを引き出しの奥から引っ張り出して、数年ぶりにこの曲を通勤の車の中で聴いていた。

そしたら!
SONYの新シーズンのCMで『スピーチ・バルーン』が使われているではありませんか!
地味、時代遅れ、古い、昔の人っぽい、70年安保の頃の人っぽい、等など、今まで様々なコト言われてまいりましたが、そんなfanshenが時代を先取り?いやあ~参った、参った。
この勢いでブラックティッシューお休みがメインのカレンダーを売り出していかなければ!
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オムレツの時間

2005年02月20日 | 楽しい

休日の朝食。私は時々オムレツを作る。
和食を基本とした食生活をしていると、「ホテルの朝食」ちっくな朝ごはんをムショウに食べたくなる時がたまにある。

実はこの何でもない『オムレツの時間』は、2ヶ月に3回位、無性にわく私の料理欲を、短時間で完璧に満たしてくれるナイスな時間。
私の料理欲には「オムレツ欲」「パスタ欲」「煮込み(お鍋)欲」「お菓子欲」「酒の肴欲」と、fanshen規格で5つにカテゴライズされており、中でも「オムレツ欲」「パスタ欲」はタイムパフォーマンスがすこぶる高い為、料理名が限定されている別格中の別格だ。

オムレツにはチーズやトマトなどを入れる時もあるが、やっぱり基本はプレーン。
コレステロールが気になり卵の使用個数に悩みながら、冷蔵庫から卵を取り出す。
あらかじめ水にさっと濡らしておいたボールに卵を割り入れる。
黄身がプリンとたって白身が透明な新鮮な卵なら、なお良い。
ここで卵を溶くのに、菜箸を使うか、フォークを使うかで少し迷う。

*余談だが、私の朝食・オムレツ好きは、映画『リストランテの夜』のラストシーンに大きく影響されている。ラストシーンで主人公が作るあのオムレツが本当に美味しそうなのだ。そのシーンは『どっ○の料理ショー』や『厨房です○』みたいな過剰演出は一切なく、淡々とオムレツを作る様子がノーカットで描写されているのだが、そこが余計に美味しさと食べたさをそそる。

さてさて。映画の様に、卵を軽く溶いてボールに直接塩を少しふり、熱したフライパンに流し入れる。
実はココが戦いの第一ステージとなる。
(いつの間にか戦いになっている程、熱中できるのも『オムレツの時間』の魅力の一つである。)
周知の通り、フライパンの熱し具合で、ステージクリアーなるか、ゲームオーバーとなるか決まる。

フライパンをリズム良く前後にスライドし、程よく卵に熱が伝わった頃を見計らって、(映画ではまとめず裏返したが)私は、卵をフライパン12時方向へ集める。
この時、巷でよく目にする『トントンまとめ』があるが、実は私はこれが出来ない。
したがって、ここが私にとっての第二ステージとなり見事クリアーできるのはまれ。
(ライフ3(3人前)ほどチャレンジしてギリギリクリアーできるかどうかだ)
『トントンまとめ』ができない自分をごまかしながら、四苦八苦して木べらか菜箸で卵をまとめ、ポンとひっくり返す。

このフライパンの返しが最終ステージ。ちなみにこれは得意。勢いあまって思いっきりひっくり返しすぎて中の半熟卵が飛び出してしまう事は多々ある。よって得意と言っても、成功率はかなり低く見事一回でクリアーするのは難しい。

出来上がったオムレツは、大き目のお皿に、焼いたパン(バケットならよりGOOD)と一緒に盛り付ける。このワンプレートに全てを盛り付けるのも必須。

自分の作るオムレツには、カタチや火の通り加減など、見た目も味もバラバラの仕上がりだが、カタチがぐちゃぐちゃでも味がイマイチでも、憎めない温かさがあり、その時の気持ちや自分の状態がありのままに、オムレツというカタチになってソコにあるようで、これまた感慨深いものもある。
卵と塩とオリーブオイルだけのシンプルな食材なだけに、その調理技術も何もかもが、全て料理に映し出されてしまうのかもしれない。
さらに、ほんの数分間で味わえる達成感と敗北感が、次回への挑戦意欲も程好くかき立てるのだ。

スピーディー且つシンプルな中にも、高い集中力を要する『オムレツの時間』。
そんな『オムレツの時間』に魅せられたfanshenの独り言でした。


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東京でのある日

2005年02月19日 | 楽しい

訳あって私は来月、花の都大東京に上陸する。
これまで東京駅構外へ出て、智恵子がないと言った東京の空の下を歩いた事は、数える程だ。
そんな私にとっての東京行きは結構なイベント。
東京上陸を来月に控え気後れしそうな自分を少しでも勇気付ける為、数少ない過去の東京歴を思い起こしてみる。
コンサート、歌舞伎、観劇、ライヴ、仕事・・・・。

そう、仕事と言えば、20代前半、輸入菓子・食品の卸会社に勤めていた時、社長のお供で東京日本橋の問屋街に商品の買い付けに行った事を思い出した。
まず東京ビッグサイトで開催されたプロダクト類の展示会に行き、その後アパレルメーカーを2件ほどまわり、日本橋に向かった。
当時私が勤めていたその会社は輸入菓子・食品の卸だけでなく、店舗も持っており、店内には輸入菓子・食品はもちろん、他にもステーショナリー、衣類、雑貨、ジェラート・・・と何でもアリの(決しておしゃれとは言えない)お店だった。

その日、日本橋でセールを行っている雑貨問屋さんがあり、私と社長はお店のセール用の雑貨類を仕入れに向かった。
そこは雑貨問屋といっても4階建ての古めのビル。入り口で会員証のチェックを済ませて、はじめてその問屋さんに入れる。
びっくりしたのは、社長の買い付けの仕方だった。まずは、最上階4階まで上がり、スーパーのワゴン×3個分くらいのBIGサイズのワゴンを押して、目に付く商品をとにかくワゴンへ入れていく。入れると言うより投げ込むと言った方が近い。
(あの・・・?選ばないんですか、社長?)戸惑いながらも、次々投げ込まれ商品が増していくワゴンの中を整理しながら、社長の後に付いた。

「fanshenさんも好いと思ったものじゃんじゃん入れちゃって!」

お買い物に行ってこんな言葉をかけてもらえたのは、人生初めての経験。
想像してみてください。これが、自分のお洋服、家具、インテリアのお買い物だったらどんなに素敵か!
さらに社長は私の妄想に追い討ちをかけるかの様にこう言った。

「あ、ごめん!僕、美味しい芋羊羹を買って帰りたいんだった。最後はこのカードでお会計できるから、fanshenさんが好いと思ったもの何でも適当に選んで買っておいて。」

仕事より芋羊羹を選んだ社長は、そう言って雑貨問屋専用のカードを私に渡し、急いで芋羊羹目指してその場を去った。
お会計のできるカードを渡され「好きなもの何でも買っておいて。」と言われたら、それがいくら仕事だって、そりゃあもう大はしゃぎでしょ?
セール用の雑貨類だったため値打ちものは一切なかった。しかし、「あ、いいな。ハイ買い。」「うん、これもいいぞ、ハイ買い。」「あ!かーわぁーいぃーいぃー!ハイ買い。」ビル4フロアー分たっぷり続くこの繰り返しは、女の子ならばこの上なく楽しい事、間違いない。
(しいて言えば、自分の好みに合わなくてもお店で売れるものは、嫌でも買わなければならないコトが玉にキズだが。)
私が4フロアー分、たっぷりお買い物を楽しんで(買い付けの仕事をして)、お会計に向かった頃には、ワゴンは5つほどになっていた。お会計の順番待ちの途中で社長がやっと戻った。

「fanshenさんの分も芋羊羹買ってきたから。お土産、お土産!ね!」

仕事を放ってまで芋羊羹を買いに行ったのに「僕は甘いものが好きじゃないから~」と言っていた社長に、私は何回も「そんな事ありえない!」と突っ込みたくてどうしようもなかった。
その日の朝、私は社長と二人きりの東京出張にかなり気を重くしていたが、まさかまさかの楽しい一日になったのだった。

今となったら社長の名前すら思い出せないが、こんな事をしていた時期もあったんだな~と久しぶりの都上陸を控え、昔過ごした東京での一日を思い出した、土曜の午後でした。

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大変なことになります。

2005年02月15日 | 日記

長引く風邪に弱り気味の体に、とどめを刺すかのように花粉症のシーズン到来。
私のデスクがパーティションによってフロアーから隔離されていることを良いことに、
私はマスクウーマンで仕事してます。

本日のお仕事の1つに「テープ起こし」なるものがあり。
その時、私は持参のイヤフォンをマスクの上から耳にしていた。

①マスク内部の鼻の奥がムズムズとしたと思ったら、たらぁーと鼻水が垂れてきた。
(マスクで隠されているから、その状況は私にしかわからない。)
マスクのガーゼが鼻水で濡れたらこの上ない不快感に最悪だ。

②すぐさまマスクを外そうと試みる。
しかし、イヤーフォンのコードがひっかかってすぐとれない。

③そんな時電話が。(マスクをとらなきゃ話せません)


もう大変なことになります。
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何しているの?

2005年02月13日 | 日記

今の職場では、週に一回お掃除の時間がある。
私は同じフロアーのデスクにあるゴミ箱(小)のごみを、共有のゴミ箱(大)のビニール袋をもって回収している。

みなのゴミ箱は一週間の投げ入れたごみ(主に書類)があふれんばかりに入っている。
しかしその中で唯一、他のそれと全く違うものが入っているゴミ箱(小)がある。
それにはいつも、袋入り『のど飴』の小袋オンリー、その他の書類は一切入っていないのだ。一週間の仕事のごみがこれだけですか?
この人は、会社でのど飴をなめる他、何をしているんだろう?と思わずにはいられない私であった。





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トマト弁当

2005年02月13日 | 日記

本当に何でもないことなんですが。
今週一週間のランチは、これまでとは違うお弁当屋さんに変えてみました。
初トライなのにもかかわらず全額前納というハイリスクなイメージも否めませんが、何気に期待は膨らむばかりです。

その理由はネーミングにあります。
『トマト弁当』
それは、食材にトマトを必ず使用しているわけでも、色がトマト色をベースに盛り付けられているわけでもなく、単にお弁当の箱に『トマト』の柄が描かれているだけで、このネーミング。
投げっぱなしとも言える無責任な広告戦法。食材の名前を持ってきていることで、そのお弁当の種類をわかりにくくしているが。
フリーな感じが私は好き。ぜひともこのネーミング会議に私を参加させて頂きたいものです。


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12人の優しい日本人

2005年02月13日 | 映画・音楽・読書

今夜はこの映画のことが妙に頭から離れない。
この映画は、三谷幸喜脚本による、演劇集団東京サンシャイン・ボーイズの同名舞台を映画化したもの。(By Amazon レビュー)

BSで昔放送されたものをビデオに録画しこれまでに何十回も観ている。
次の台詞やカットまで、大体がわかるほど観ている。
原作の「12人の怒れる男」も観た。

個性様々な12人の様でいて、ふと自分の日常を見渡すと、あちこちに居そうな12人。
この12人の陪審員の中で、一番嫌いな人が、自分と似ていたことに気がついたのは、3度目に観た時。
友達と3人でドライブ・イン・シアターで観た時は、私以外の2人は寝てしまった。

この映画の笑いのツボを共感できる人が、私の老後の、茶飲み友達になるんだろうな・・・と思う。

今夜はまたこれを観ながら眠りにつくか・・・。

追記
BSで放送される映画を観ているといつも思う。
画面右上を「BS」という文字が邪魔で仕方がない。
あれ、消してください。
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女心と秋の空

2005年02月09日 | 日記

まだ肌寒い毎日だけど、暦だけならもう立春。
なのに、私のボスは一年中、秋空のよう。
予想外の驟雨にびっくりする事も多々あり。
毎日折りたたみ傘が欠かせません。

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出産おめでとう

2005年02月06日 | 好き

先月末、高校の同級生が初出産を無事終えた。
可愛いベイビーは男の子。
出産当日の夜、安産の報告を本人から受け、翌日早速病院へ会いに行った。

まぁ・・・なんて可愛い。

もともと美男美女の夫婦だからそれは自然と言うより必然の可愛さなのだろうけれど。

それにしても・・・可愛いじゃぁないかっ!

抱っこさせてもらった赤ちゃんを友人のお腹の前にあて、

「ここに昨日の朝までは入ってたんだよねぇ・・・」

当たり前のことだ。

「ここに昨日の朝までは入ってたんだよねぇ・・・」

じゃあ、一体どこに居たって言うんですか?

「ここに昨日の朝までは入ってたんだよねぇ・・・」

それは私にはまか不思議な感じ。
実姉や義理の姉の出産直後は何度か見てきているが、同級生の出産は初めてだったのだ。
同級生といえば、顔と名前(ここが大きな違いだが)を除けば、年齢、性別、出身地も同じで、多感な青春時代を共に過ごした言わば、もう一人の自分の様な存在だ。(静岡県内兎年成人女性の歩く鬼門と言われる私にこんな事言われるのは迷惑な話かもしれないが・・・)
となると、もう一人の自分が出産という一世一代の大仕事を成し遂げたとも言える・・・。

すごいじゃぁないか!(拡大解釈)

友人の成し遂げた功績に図々しくも自分の名を連ね、中身の伴わない喜びを勝手に感じていた私。
友人の赤ちゃんを抱っこしていると、日々の疲れと心身の老いが浄化されていく。
病室には優しそうで素敵なだんな様と友人が醸し出す温かな空気がゆっくりと流れている。
その二人に包まれる可愛い赤ちゃん。

私もこの二人の赤ちゃんになりたい。

この清らかな3人家族の空気を、私の持つどんより濃度の高い重たい空気で、汚してしまうのは、大変恐縮ではありますが。
私は強くそう思った。

私もこの二人の赤ちゃんになりたい。

fanshen、あなたにはなれませんし、ならせませんから!
と言うより、この場合普通「私も早く赤ちゃんを産んでみたい・・・」でしょ?
母になった友人を見て、自分も母になりたい、と思わないでどうする!
あなたには「母性」はないの?

友人の出産をきっかけに「母性の有無」というキーワードに躓きつづけるfanshenであった。
何はともあれ、出産おめでとう!
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石焼き芋売りのプロ(2)

2005年02月05日 | 映画・音楽・読書

石焼き芋売りのプロ(1)の続き・・・。

録音は速やかにスタートした。
コントロールルームにおじさんとレコーディングエンジニア。
ナレーションブースにナレーターさんと私。
スタジオの各ルームは離れており、備え付けのカメラがその部屋の様子を捕え、それぞれの部屋にあるモニタに映し出されたお互いの映像を見ながら、マイクとヘッドフォンを通してコミュニケーションをとるシステムになっている。

まずはおじさんから。
「それじゃあ、まず一回試しに読んでみてもらえるかな?」
ナレーターさん:
「はい、石焼き芋~お芋だよ。甘くて美味しいお芋だよ~。」

そう、これは文章でどこまで伝えられるか、難しいところだが、何と言ったらいいものか。
例えば。

アサ○スーパードライのCMに最近ご婚約された宮家のお嬢様がご出演され、
「喉ごしスッキリ爽快。」
とスマシタ感じでおっしゃっても、全く視聴者には爽快感は伝わりませんよね?

その時のナレーターさんの第一声は、まさにそんな感じなんです。
言わば宮家の石焼き芋とでも言いましょうか・・・。

案の定、石焼き芋売りのプロ おじさんの耳は侮れなかった。

おじさん:「違う違う違う~!そ~じゃないんだな。い~~しやぁ~き芋。お芋だよ。甘くてぇ~美味しいぃ~お芋だよぉ~~~~てな感じでさぁ。もっとこう、美味しそうな感じで言ってもらいてーなぁ。」
ナレーターさん:「はぁ・・・・」


モニタに映っているおじさんは、持たなくてもいいマイクを片手に、必死でこちらに、石焼き芋の叫び方を伝えている。
一方、こちらには人気FMラジオ局のパーソナリティーというプライドを捨てきれずにいるナレーターさん。

私は遮音されたブースにナレーターさんと二人きり、かなり気まずい空気を感じながらも、おじさんが諦めるのが先か、ナレーターさんがプライドを捨てるのが先か、自分の人選ミスを悔やむどころか、ことの成行きに興味深々だった。

しかし、手に職を持つもののプロ根性も素晴らしい。そのナレーターさんは、あっけなく人気パーソナリティーというプライドを投げ捨て、本物のナレーターという素肌をさらけ出した。さっきまでのお坊ちゃま風の物腰とは打って変わり、顔を真っ赤にして、おじさんのOKが出るまで「石焼き芋~!!!」と叫び続けたのである。

とうとうおじさんは、モニタとマイクを通してのコミュニケーションでは、思いを伝えきれなかったようで、気がついたらブースまでやってきて、大声を出しながらナレーターさんに、「石焼き芋~♪」の叫び方をとことん教えているのだ。

二人の息がそろい出したのは、録音が始まって1時間ほど過ぎた頃だった。
一体何テイクの「石焼き芋~♪」を聞いただろう。
おじさん:「うん!いいじゃないかっ!流石ナレーターさんだねぇ。発声がキチンとしてる。」
おじさんのOKがやっと出た。普段すましているナレーターさんの顔にも安堵の笑顔がこぼれた。

おじさん:「夏は氷売りもやってるから、今度もアンタにお願いするよ!」

ナレーターさんは「ありがとうございます!」と表面では喜んでいたが、実際の所は本当に嬉しいのかはなはだ疑問だ。
その時、スタジオに居た、おじさん以外の3人(ナレーターさん、エンジニア、私)はみな同じことを思ってたに違いない。
おじさんの「石焼き芋~♪」が誰より美味しそうで、素朴で、goodなのだ。
だからできる事なら、おじさん、高いギャラ払ってナレーターさんに頼まなくたって、あなたがマイクの前で一声「石焼き芋~♪」と叫べばすべてOKなんです。


私は何気なく言ってみた。
「○○(おじさんの名前)さんの『石焼き芋~♪』もとっても美味しそうに聞こえましたよ!」
ナレーターさんもつかさず「そうそう!」とその話に入ってきた。(これでナレーターさんが次回の仕事を受けたがっていない事が私にはハッキリと判った)

おじさん:「いーや!やっぱりプロの仕事はプロに任せなきゃ駄目だ。」

職人とおじさんは往々にして頑固である。
(だから、あなたが『石焼き芋売り』のプロですから!)

それから3ヶ月あまり過ぎたある日、スタジオに一本の電話が入った。
「氷売りのテープ作りたいんだけど、前回と同じナレーターさんでお願いします。」
数日後、『石焼き芋売りのプロ』だったおじさんは、『氷売りのプロ』として再びスタジオに現れたのだった。

(この経験をしてから、これまで何気なく聞いていた『石焼き芋~♪』の声に、どうしても厳しいチェックを入れてしまうfanshenなのです。)
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石焼き芋売りのプロ(1)

2005年02月05日 | 映画・音楽・読書

タイムリーな話題「焼き芋」つながりのお話で。

昔勤めていた録音スタジオでのこと。
あるシーズンの1クール(3ヶ月)前に遠州の方面からやってくるおじさんがいた。
その人、夏は「氷売り」冬は「石焼き芋売り」その他の時期は「わらび餅売り」を商っていた。
そんな商人が録音スタジオへ何しに来るのか?とお思いかもしれない。

しかし、そのおじさん、見た目は本当にただのおっさん風なのにもかかわらず、その商売のプロ意識の高いこと高いこと。
トラックから流れる例の声「い~しや~き、いも~!お芋だよ~!」をプロのナレーターさんに叫んでもらい、きちんとした録音スタジオで収録したものを使いたい、と依頼してきたのだった。

私はこのおじさんのプロ根性を高く評価し、ナレーター料、録音・マスタリングスタジオ使用料、マスター音源収録メディア料(CD)などなど計算し、見積りを作成した。
当時、私が在籍していたスタジオは県内一位の設備を誇るスタジオだったので、スタジオの使用料もじゃっかんお高めだったのにもかかわらず、そのおっさんは見積もり通りの金額で即OK。ただ、どうしても、もったいなかったのが、マスターをエンドレステープに変更して欲しいとの依頼が。
(CDの方が安い上、音質も劣化しないし、お薦めなのに、よりによってエンドレステープか・・・)
どうやらおじさんの商売道具、トラックにはCDプレーヤーの設備はまだ整っていないらしい・・・。残念!

と言うわけで、少しだけややこしい(?)かもしれないが、そのおっさんは、春には「氷売り」、夏には「石焼き芋」、冬には「わらび餅」のテープ作りの為、スタジオまで連絡をしてきたのだ。

また、1クール(3ヶ月)前に次の商売の先手を打っておく、おっさんのプロ意識の高さばかりか、呼びかけのクオリティーにも妥協しないその姿勢に私は感心するばかりだった。

録音当日。
菓子折り3つを手提げ袋に入れ、遠州の方から静岡市街にあるスタジオへやってきたおじさん。
1つ目の菓子折りはスタジオへ、もう一つはナレーターさんへ、さて、最後の一つはどうすんだろう・・・(?)

その後、同じく遠州の方から男性ナレーターが来スタ。
クライアント(おじさん)とナレーターさん、両者を引き合わせる。
この時私は少し嫌な予感がした。それは私のナレーター人選ミスだ。
私は、ギャラの価格や、その人の技量ももちろんだが、結果的にはスケジュール最優先で、地元一番人気のFMラジオ局でパーソナリティーも勤める、じゃっかんインテリ風の男性ナレーターを選んだ。一番大切なこと、なりふりかまわず仕事として「石焼き芋」のナレーションを読める人かどうか、を考えて選んではいなかったのだ。

そんな不安を抱えつつも、私はそのまま録音の進め方の説明に入る。
ナレーターさんから、「今日私が読む原稿は?」との質問が。
おじさんがかばんから取り出したのは、クシャクシャになったA4用紙に、
「石焼き芋~お芋だよ~甘くて美味しいお芋だよ~」
とマジックで殴り書きしたものだった。そう、これが本日のナレーション原稿なるものです。
それを見たナレーターは少し固まる。しかし私は俄然やる気が出てくる。(いい味出してるよおじさん)

「石焼き芋」のナレーションをお願いしているのに「今日の原稿は?」とすました態度で聞いてきた男性ナレーターさんにfanshen心の中で、駄目だし入ります。
(今日の録音にはそんなものありません!あなた気取ってるけど、今日は『焼き芋』って叫ぶお仕事ですからっ!)
そう、何を隠そう私はイケメンにはめっぽう厳しい、おじさん派なのだ。
(しかしながら、お仕事ですぞ、fanshenさん。あなたの笑顔は会社の笑顔。)
「これでお願いしますぅ!」とおじさんの殴り書きのコピーをナレーターさんへ笑顔で手渡す、化け猫fanshen。

そして、録音は速やかにスタートした。

(つづく)
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頑張れおじさん。

2005年02月02日 | 日記

バイパスなどの自動車専用道路で時々見かける、ママチャリのおじさん。
原付すら走らない、自家用車やトラックがビュンビュン飛ばしている道路で、一生懸命チャリをこぐおじさん。
そんなおじさんと自分の姿が時々重なる。

どこでどう間違えちゃったか知らないけど、何だか今走っている道はいやに過酷で。
自分では静かな小道を走りたくて選んできた曲がり角。
だのに、いつの間にかこんなに激しい流れにのってしまい。
次のインターチェンジまで走り続ける他、道はない。

頑張れおじさん。
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まぎらわしい。

2005年02月01日 | 日記

冬の早朝4時過ぎ。
父が畑仕事に家を出た音で目が覚めた。

ん??何だか焦げ臭い。
まさかっ!


父が吸ったタバコの火の消し忘れか?
焦ってベットから飛び起きた私は一階のキッチンへ駆け込んだ。
そこには!

♪い~しや~き芋~(お芋だよ)

犯人はまさしく父。
畑で取れたサツマイモを鉄釜で焼いたらしい。

もうっ!紛らわしいだってば!

香ばしい匂いに一本とられた冬の朝だった。

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