笑おう♪~Laugh and grow fat~

毎日が終わる前に今日幸せだったことを書こう。遅咲き院生Sonoの前向きプライベートブログ。

自己効力感。

2006-02-15 20:31:59 | 花の大学院生活♪
今日は留学生相談室勤務の日。
来室も少なく、担当者同士でおしゃべりしているうちに「自己効力感」の話になった。

「自己効力(Self-efficacy)」とは?
「自分はどのくらい行動をとることができると考えるのか、自分の行動に対する可能性や自信を表したもの。その行動をとるのにいくつの方略を持っているのかを評価したものではなく、自分が持っている限りの方略を使ってどれだけ行なうことができるかを評価したもの」とされている。
動機付け研究のためにそういや、いくつか読み漁ったキーワードだ。

話しているうちに私は自分の事を思った。
私の自己効力感の形成は大学生のときに受けた先生からの影響が間違いなく大きい。
先生はO大学の教授で日本語教育で雑誌にお顔が出るくらい有名な先生。夏の集中講座にきてくださった。私はあまりにおもしろいその講義に毎時間興奮して最前列に席を占めかぶりつくように聞き、先生にまとわりついて質問をした。先生は幼くばかばかしい私の質問にも一つ一つ丁寧にお答えになり、お帰りになるとき、本校の先生におもしろい学生がいるよ。面倒見てやったらみたいなことを言い残して帰ってくださったのだ。
あらためて、本校の先生に呼び出され、その話をお聞きし、日本語教育をやってみないかといわれたとき、私の世界は大きく変わったんだ。私を見てくださる人がいたと思うだけで、震えるほどにうれしくて、その日ぼろいアパートで一晩中おいおい泣いた事を思い出す。
私は大学受験にも失敗し、食費にも事欠くほど金がなく、夢もなく、一人きりだった。怖かった。何もできず、何者にもなれず、怠惰に生を浪費し、もてあました情熱が消えてしまうことが恐ろしかった。

考えているうちに弟を思った。
かれに今、足りないものは自己効力感に違いない。私には彼ができることが見えているのに、彼は自分自身ができることを信じられない。失敗して傷つくこともこわいし、それ以上に何もできないと思い込んでしまっている。
たった一つの出会い、たった一つの成功経験で人は変わることができるのに。私がどのように励ましても、どのように協力しても、姉である私の力はあまりに微力だ。最近彼の心に届いていない気がする。どうしてあげたらいいのだろう。いつも君をみているのに。きっと空を飛べるのに。どうしたら彼は彼を信じられるんだろう。