25時間目  日々を哲学する

著者 本木周一 小説、詩、音楽 映画、ドラマ、経済、日々を哲学する

想定外のこと

2017年10月28日 | 日記

   細君が東京へ行っていないため、静かに日を過ごしている。小説を書いている。ちょっとはましになってきたのかなあ、と思うほどになっている。

 宮尾登美子が十年書いて、出版社に持ち込み、ダメ出しを食らい、読んでくれさえもしてくれない時期もあったそうだ。十年経って気がついたことは、自分の恥部をさらけ出してしまうしかない、それが説得力ある小説になり得る、と考えるようになり、「櫂」を自分で500部つくったのだそうだ。フム、わかるような気がする。

 そういう言葉に勇気をもらって、明日は完成させ、翌日あらは見直しに入る。

 夜ひとりでいると、頭が冴えて来て、寝つきが悪い。夢も毎日読む。静かな秋雨全線雨が降っている。熊野灘もそこら辺で台風被害があったらしく、鉄工所や電気工事屋さんも忙しそうだ。遊木へいく道路が遮断され、船で工具や資材を運んでいるようであるが、また同じコースの台風が来そうである。

 自然災害はやはり想定外のことが起こると考えておいた方がよい。ぼくの事務所部屋の小さなガラスが破れていて、なんのことはないと紙ではりあわせていたが今日ドキッとした。気がつかなかったのだ。紙の隙間から蔦が入り込み、ガラス戸を這い、ついには電線コードに巻きつき、さらに上の方まで触手を伸ばそうとしている。意思ある生き物のようで気持ちが悪かった、僕がパソコンに向かっている背後で、少しずつ、動いていたのだ。まったくの想定外だった。