25時間目  日々を哲学する

著者 本木周一 小説、詩、音楽 映画、ドラマ、経済、日々を哲学する

カズオ・イシグロ

2017年10月21日 | 文学 思想

 このままの勢いで台風が紀伊半島に上陸しようものなら伊勢湾台風並みになる。金魚たちはすっかり動かず、冬眠にでも入った様子である。これは水温もせいか、よほどサギから逃れるのに必死だったから用心しているのか判然としない、

 台風の度に、カーポートの屋根が剥がされ、今回あたりで、全部剥がれそうである。

 カズオ-イシグロの処女作「遠い山波の光」を読んでいる。比喩は一切いまのところない。地の文は風景と人物の挙措だけである。人物像は会話から想像するしかない。漱石は心理の動きを細密に描いたが、イシグロはこれも会話から想像するしかないようになっている。読みやすいが、説明がない分、沈黙の言葉が多くなっている。小川国夫の文に似ていると思った。沈黙もまた究極の言葉である。

 雨が降るので家にいて、DVDをみる。オニカサゴの釣りを見た。続いてアカムツ(のどぐろ)の釣りを見た。のどぐろが美味しいのは妻からも聞いているが、白身魚のトロとも言われているそうな。

夜はアカデミー賞の主演男優賞をついに取った、デ・カプリオの「レヴェナント」、宮部みゆき原作の「ソロモンの偽証」でも見て、台風をやり過ごそうと思っている。寝床でイシグロを読む。ノドグロ、イシグロ、奇妙だ。