lunas rotas

いつまでも、完成しないことばを紡いでいこう

「現代思想 6月号」 特集=TPPから考える

2011-05-30 01:07:22 | Weblog
  TPPは日本語教師とも無縁ではない。外国人がどのように日本へ入ってくるのかに大きく関わっているし、“外国人の労働者受け入れはwelcomeだけど日本の農業については知らん”とも言えない。
  そこで読んだのが標題の雑誌。先週の金曜日に発売になっている。読めば掲載された論考には偏りがあるように感じた。編者が意図的にそうしたのか、それともこれが今の日本の論調か。アプリオリなTPP批判が目立ち、中には多少エキセントリックな批判論を展開するものもあるように思った。
  掲載されている論考の中で直接医療(看護・介護)分野の人の移動について扱ったものはひとつだけ。しかし常に思うのは、このように市場主義・商業主義の側面から移民受け入れについて議論するのは正当ではないとも思う。真正面から日本の将来像と移民政策について議論しなければならないはず。
  また、上で書いたことと矛盾することを言うかもしれないが発想の逆転で、TPPを人口問題の視点から考えてみるのも必要に思う。つまり、少子化の進む国と全人口の平均年齢が若い国との間の経済活動(医療分野や人の移動に限らず、消費や生産や雇用を含めた経済活動)というのが語られてもいい。  
  いずれにしろ今月の現代思想を読んで、TPPがアメリカ主導となっているのが問題ではあるように感じた。今のTPP骨格のまま参加するかしないかの議論より、枠組みを構築するところから議論する必要はありそうだ。
  

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