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1980年以前の中学に家庭科、未必修の男性諸氏に医療従事者を含め必要かも。

[薬味: やくみ]食生活について語ろう

2022年07月16日 | 美容ダイエット

薬味 やくみ
 いよいよこれから暑さも厳しくなり、冷麦、素麺、冷やし中華、冷奴のような冷たいものがほしくなります。そこには、必ずといっていいほど薬味が添えられますね。食欲増進、殺菌作用と兼ね備えています。ねぎ海苔生姜大根のすりおろし、七味唐辛子、ワサビ、辛子しそ等多種多様なものが使われています。
 中華、西洋料理では、生姜、にんにくロリエ、セージ、タイム、パセリ、セロリ、玉葱、胡椒などがあり薬効のある物質を含み、料理、食品に小量又は、微量加えることによりいろどり、香り、辛味を添え味を引き立たせています。食物に辛味、香気をつけることから.香辛料、主材料に加える意味をもつことより加役(野菜、薬味)ともいいます。
 その用途は、麺類他、刺身類、漬物、カレーソース、スープ、魚肉の漬け込みに利用されますがそこでこれからの季節気になるのが殺菌作用ですね。
これからの季節、冷麦などの麺類に欠かせない葱、ワサビ、しその殺菌効果などのある成分について探ってみることとしました。

葱 ねぎ(長葱)
  ユリ科、中央アジア原産。多年草で暑さ、寒さに強く、根深葱(主に関東)、葉ネギ(耐暑型、青ネギ、九条:関西)は、日本各地で古くから年中栽培されるが、西洋ではあまり見られずリーキの類がおおい。埼玉、千葉、茨城、北海道、群馬(寒冷型:下仁田)を主産地とし適応性のある野菜で一般には、3、4月に種まき、7、8月に定植、秋播きは、9月に種を播いて、翌年5月下旬土寄せし定植する。初夏に葉心より50cmの花茎が育ち俗にネギ坊主といい球形をして白の小さな花を多数咲きやがて種子をもつことから夏季に植え替えをし病害虫、葱坊主ができるのを防ぐ。夏場の成長は遅い。秋口から冬季(11~2月)にかけて甘味を増し鍋物などの需要が多く出回り旬とするがほぼ年中出まわる。薬味、つま、汁物、和え物(ぬた)、焼き物(焼き鳥)、鍋物に利用される。緑の葉の部分は、カロチン(ビタミンA効力:抗がん作用)を含み捨てずに利用する。刺激臭は硫化アリルで動脈硬化予防、殺菌作用を有し昔から風邪予防に利用されてきた。にんにくほどではないがビタミンB1誘導体アリチアミンを作るアリン(アノイリナーゼの酵素によりアリシンを生じアリチアミンを生じる)を含み、副交感神経を刺激し発汗作用(葱白【そうはく】:漢方で生薬として用いる)を示し新陳代謝をよくする。
        *硫化アリル りゅうかありる
  玉葱、にんにく、ねぎ、らっきょう、にらを五辛(ごしん)といい辛味、臭気成分で精神を安定させ安眠効果がある。臭の成分のアリン(alline)と含まれている酵素アリナーゼと切ったりすることによって作用し刺激性のアリシン(イオウ化合物・硫化アリル)となり消化を助け、滋養強壮にもなっており又強い殺菌、抗菌、精神安定作用がある。ビタミンB1(糖代謝促進)の吸収をよくする。
         *アリシン
  にんにく、玉葱など葱の仲間に含まれる酵素アリナーゼが切ったり、すりつぶすことによって破壊されると同じ植物の組織の中に含まれるアリン(alline)と作用し刺激性のアリシン(イオウ化合物・硫化アリル)となる。強い殺菌、抗菌作用があることが知られる。作用が強く取りすぎると皮膚炎を起こすこともある。交感神経を刺激しアドレナリンを分泌させ発汗を促す作用がある。ビタミンB1の吸収をよくする。


山葵 わさび
  アブラナ科、日本原産といわれる。深い山間の清流に自生する水生、多年草植物で水温が13℃前後できれいな水の豊富な寒冷地の水温の温度差が少ない地域で主に、伊豆、信州で栽培がされる。花ワサビ、葉ワサビが4月に出回り春の旬の野菜としてうれしい。花ワサビ、葉ワサビとも同様にして扱って良い。いったん汚れを落として水洗いしたものを熱湯をくぐらせ、塩もみし適当な長さに切ってタッパーに入れふたをし冷蔵庫で2、3時間入れて置くと辛味が増し醤油で合えて食べると美味しい。2、3年がかりで成長した根茎(こんけい:地下茎)は、すりおろし薬味とし用いられるが茎を切り落とした上部のほうが根元より辛味が強いという。大根と逆であり定かではない。薬味は、刺身、そばつゆ、寿司、茶漬け、加工して、わさび漬け、粉わさびにされる。辛味は、シニグリンとして配糖体で存在し、すり卸しすることによって酵素ミロシナーゼによって分解を受け辛味(目の細かい鮫の皮を使うのは、緻密な細胞の破壊をし辛味を増す)を生じている。辛味の成分(イオウ化合物を含む:アリルイソチオシアネート)をそのまま常温に放置しておくと3時間で1/8に激減するといわれる。レモン汁(V.C)、クエン酸をいれることによって辛味を復活させたり、砂糖を一つまみ加えてかき混ぜ辛味を際立たせることも行われる。わさびの粕漬けはアルコールで辛味を包み込んでいるので成分が保たれる。粕漬けは江戸時代に静岡で作られたのが始まりという。アリルイソチオシアネートが新陳代謝を高め、辛味、芳香、揮発性があり、発ガン物質を不活性化させる作用を持つ。殺菌、抗酸化、免疫力強化、褐変防止の作用を有し遺伝子を守る働きをしている。ビタミンB1の吸収をよくする作用がある。βーアミラーゼ(デンプン分解酵素)、オキシターゼ(酸化酵素)を含む。
       *アリルイソチオシアネート
  含硫配糖体シニグリンを含む黒からし、くれそん、大根、ワサビなどのアブラナ科植物が酵素ミロシナーゼすったりつぶされることによって加水分解して生じる辛味、揮発性のあるアリル辛子油であり殺菌、抗がん、活性酸素除去作用を示す。

        *ビタミンB1チアミン
  成長促進、糖代謝重要な働きをしており皮膚・粘膜の再生に役立ち、不足してくると 倦怠感、食欲不振、多発性神経炎(脚気心悸亢進)等を起こす。多く含まれる食品は、 穀類、豆類、肉類、胚芽、酵母などで成人の所要量は 1.1mg/1日 水溶性であり弱酸性で安定であるが加工調理によって半分ほども失われる。 B複合体(B1.B2.B6.B12.葉酸ニコチン酸.パントテン酸.ビオチン)として分子中に窒素を含む。腸からの吸収が一定(10mg程度)になると尿中に排出されてしまい常に補給が必要なビタミンとされる。アノイリナーゼ(魚介類の内臓・しだ類に多い)によってB1の分解がされ効力を失う。ビタミンB1の大量投与(DBT〈難溶性:ポリライスなど〉経口50~300mg、静脈注入50~100mg)により神経系疾患、リウマチ、心不全、腎疾患に有効との報告があるが、同時にアミノ酸酸化酵素活性を阻害し他のビタミンの作用を阻害することも考えられる。

        * 辛味 からみ
  基本的に味覚は、舌の粘膜にある味蕾(みらい:味を感じる感覚細胞)を刺激することによって起こるが辛味は、舌以外にも口腔粘膜、鼻腔粘膜にも辛味と共に痛覚として時には皮膚にも感じられることから味より痛覚といわれる。辛味物質には、アミド類(胡椒のシャビシン、山椒のサンショオール)、イソチオシアネート(アブラナ科野菜)、スルフィド(葱類:血栓予防、疲労回復)、セスキテルペン(生姜、タデ:殺菌作用)、バニルケトン(香気成分:脂肪燃焼)類の5種類の系統にわけられる。不快な臭みの消臭、食欲増進、防腐作用があり医薬品にも使われている。

紫蘇 しそ
  シソ科、原産は東インド、中国ともいわれる。温帯地域で広く栽培され、日本には、既に平安時代(10世紀)の書物に記載され古くから伝わる。一年生草木で、赤紫蘇(梅漬け・しば漬け・ゆかり、菓子)、青紫蘇(大葉、薬味・天ぷら・彩り、パスタ、しそ酒)、片面紫蘇、ちりめん紫蘇などに分けられる。露地物では4月に種まきし、葉しそは、7月から10月に掛けて採取され旬とする。秋口に穂が育ち淡紫色の細かな花をつけ実を結ぶ。シソの香りは、日本で古くから料理の香り付け、薬味とし、麺類の薬味、刺身のつま、季節の揚げ物とし欠かせないものとなっていた。肉、魚、味噌を巻いて油焼き、酢のもの、漬物に刻んで入れるのもよい。芽紫蘇(双葉の若芽:薬味、紅タデに似ている)、花紫蘇(少し開花した穂:つま、天ぷら)、紫蘇の実(塩、醤油漬け、佃煮)も利用される。赤しそのアントシアニン系色素(シソニン・ペリラニン)を含み主に梅干しの着色につかわれる。しその葉のロスマリン酸(ポリフェノール)に抗アレルギー、抗炎症作用が特に紫の葉に認められる。カロチンは、青シソに多い。香気成分は、青しそに多いペリラアルデヒド(55%:シソ糖、砂糖の2,000倍の甘味)を主成分とし、ピネン、リモネンを含み抗菌、防腐作用を有し消化酵素の分泌を促し食欲を増進させる。生薬として健胃、利尿に利用されてきた。
          *アントシアン系色素
  植物系色素は、カロチノイド系色素(ビタミンA効果を持つ)、クロロフィル系色素(デンプン合成)、フラボノイド系色素に分類される。アントシアニン系色素は、フラボノイド系(アントシアニン類、フラボン類)に属する。アントシアニジン配糖体を加水分解して糖(グルコース、ガラクトース)とに分解する配糖体として存在する。クリサンテミン(黒豆・あずき)、エニン(赤ブドウの皮・いちご)、ナスニン(なすの紫)、シソニン・シアニン(しその葉の赤紫)、シアニン(あかかぶの赤)などで植物の葉、花、果実のきれいな色素をいう。水に溶けやすく、熱,光,添加物等によっても変色しやすく酸性で赤、アルカリ性で紫、青色に、さらに暗緑色となる不安定な色素で水溶液のphによって変化する。鉄などの金属と結合すると安定する。タンニン、フラボンと共に含まれていることもあり、ポリフェノールの一種として抗酸化力を持つ。活性酸素除去、毛細血管保護、視力回復、皮膚、コラーゲンの生成促進、脂肪肝、高血圧予防にも効果が期待される。
          *ピネン
  テルペン類、柑橘系の酸味(パインの香り)のある香りで精油され新陳代謝、血行をよくし脳を活性化させリラックス効果がある。
         *リモネン
  グレープフルーツ、レモンの皮に多く芳香があり香料、アロマセラピー(芳香を用いた健康、美容法)に使われている。Dーリモネンは、脂溶性でオリーブオイルでドレッシングするとよく、肺に直接作用し、免疫力強化、新陳代謝を活発にして脂肪分解、抗酸化、安眠作用、脳の活性化させる作用として働く。


 薬味で果たす役割の大きい、殺菌、芳香、彩りに利用される食品とその主な成分を記載してみました。
殺菌、防腐作用
生姜(ジンゲロン、ショウガオール)、玉葱(アリシン)、大根(イソチオシアネート)、にんにく(アリシン)、胡椒(シャビシン)、チョウジ(オイゲノール)、ウコン・ショウガ(クルクミン)、ロリエ(オイゲノール)、辛子(イソシオシアネート)、セージ(タンニン)、山椒(サンショオール)、シナモン(オイゲノール)、茗荷(ジンゲロン、ショウガオール)

香り成分
生姜(ジンギベレン、カフェイン、シネオール、ゲラニオール)、茗荷(αーピネン、シネオール)、山椒(フェランドレン、αーリモネン、チトロネラール[呈味成分])、ハッカ(メントール、メントン、ピネン、カフェイン)、タイム(チモール、カルバクロール、ピネン、リナロール)、チョウジ(オイゲノール)、肉桂(シネオール、リナロール)、ロリエ(シネオール)、セージ(シネオール)、セロリー(アピイン、セダノライド、セリネン)、パセリ(アピオール、ピネン)、大根(スルフォラファン)、胡椒(フェランドレン)、レモン(リモネン)、スダチ(リモネン、シトラール)、柚子(リモネン、シトラール)、青海苔、パセリ、キャベツの弱い辛味(ジメチルサルファイド:硫黄化合物)、海苔(ジメチルサルファイド:磯臭さのある特有の香り)

色取り
ウコン(クルクミン)、ハーブ類(クロロフィル)、ノリ(クロロフィル)、サフラン(クロシン)、パプリカ(カロチノイド類)

以上のように薬味といっても世界中から集められ、日本人にあまりなじみのなかったものが数多く見受けられます。有効成分のまだ定まっていないものもあります。微量でありながらわたしたちの健康に大いに役立っております。
薬にも劣らないことから「薬味」と名前が付けられたのでしょうか。ちょっとした心使いが健康を維持していると考えると「山椒は、小粒でもピリりと辛い」(成りは小さくても作用が強い)のことわざ通りあなどれません。けっしておろそかにせず、忘れずに料理に添えなければなりませんね。
夏ばてしやすいこの季節、冷たいものばかりでなく蛋白質(魚、大豆、卵、蓄肉)、ビタミン(緑黄色野菜)、ミネラル(乳、野菜)の補給をお忘れなく、疲れ知らずの元気な身体でこの夏を乗り切りましょう。

 

ご愛読戴きましてありがとうございます。よりよい情報をお届けしてまいります。

 


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