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[生姜] 食生活について語ろう

2019年11月04日 | 美容ダイエット
生姜Ginger  しょうが        
  古くから生姜は体を温めるとして冷え性、風邪の引き始めのときに生姜湯・生姜酒などの民間療法、漢方薬( 蒸した後に乾燥させたものを乾姜:かんきょう)としても用いられてきました。薬味としてもよく、食卓に載る頻度の多い食材で、健康食品としても出回る生姜についての検証です。
 日本には、3世紀の中国の歴史書三国志の魏志倭人伝 (ぎしわじんでん)に倭(日本)の山にあるものとして、「薑(キョウ)・橘(キツ)・椒(ショウ)・茗荷(ジョウカ)あるも、以て滋味(じみ)と為(な)すを知らず」と記してあります。薑 (きょう) の名での記載があります。
古くより伝えられ山椒を古名ではじかみ(薑)と称していたのですが中国の呉(くれ:222~280年)より伝来したショウガをクレノハジカミと呼ぶようになったといわれています。さらにミョウガとともに持ち込まれた際、香りの強いほうを「兄香(せのか)」、弱いほうを「妹香(めのか)」と呼んだことから、これがのちに生姜、ミョウガに転訛したとする説があります。生姜(ショウキョウ、ショウガ)と、いうようになったのは、その後の室町時代(1338年~1568年)といわれます。
今に言うはじかみは、葉生姜の甘酢漬けのことです。食用として広く用いられたのは、江戸時代からです。
花は、通常ほとんど咲くことはなく極稀に、白色よりクリーム色と朱色の混色の花が、8月末~11月頃咲くことがあるといいます。
 

 熱帯アジア原産のショウガ科、温暖で適度の湿潤な気候土地を好み乾燥には弱く、連作を嫌います。年間の日照時間が長くて急な低温に見舞われることが少なく、土壌に適度な水分が保持できる粘土質の土壌が栽培しやすい環境です。また、キレイな水が不可欠で、清流の四万十川に面する肥沃な土壌が育てられる高知県を始めとした地域での栽培がおこなわれています。
種ショウガは選定して、大きいものは50~70g程度の小片に分割し10~20cm間隔で10cm程度の深さに植え付け覆土(ふくど)します。
6~8月に収穫するのが色が白く軟らかで新生姜のとしています。9、10月に収穫している生姜を根生姜(ひね生姜)といい秋に掘り起こしとし翌年の夏ごろまで貯蔵でき、色素、辛味、香り成分を多く含みます。
葉生姜は東京の谷中を産地とし有名であったことから谷中生姜ともいいます。英語でジンジャーといい語源は古代インドの言語でサンスクリット語のsinga=角と、vera=形の合成語でSingavera(シンガベラ)が語源と言われています。 
生姜の根茎が角によく似て「角の形をしたもの」という意味です。地下茎の塊茎(かいけい)を食用とし、栽培方法(芽、葉、根生姜)、大きさ(大、中、小しょうが)の種類に分けられます。 
 葉生姜の代表的な品種は谷中生姜です。一般に、は6~8月で市場で「谷中生姜」と呼ばれるものは、根茎の部分が1本だけのもので、新生姜が育ち始めて2~3cmの大きさになったとき、小指程度の大きさに成長した段階で葉がついたまま収穫し出荷しています。ごくごく初期の若い段階で収穫しているので、辛みもマイルドで繊維質もやわらかく、葉生姜の最高級品といわれています。
        それより少し収穫時期を遅らせると、根茎が大きくなり、横から次々と新芽が出てきます。この状態の葉生姜を「つばめ」と呼びます。中央の根茎から、左右に1本ずつ芽が出て小指ほどに成長したものを、みずみずしさを保ったまま葉つきの状態で出荷します。水分が多く、さわやかな辛みで肉質がやわらかいので、そのまま味噌をつけて食べたり、甘酢漬けにするのが一般的です。
                      
   矢生姜と呼んでいるのは、愛知県の特産として知られ金時生姜という品種を、主にハウス栽培により遮光しているところで軟化栽培し、茎を白く柔らかく育てます。葉茎が15㎝ほど伸びた頃に、わずかに太陽に当てることで、茎元が鮮やかな紅色を帯びます。この時点で収穫します。1~2月に収穫しているものが、色が美しいといわれています。葉つき生姜で「筆生姜」や「芽生姜」、「軟化生姜」とも呼ばれます。
矢生姜を湯に通して軽く塩をふり、冷ましたあと甘酢に漬けます。酢と生姜の色素が反応し、美しい淡紅色となります。これを「はじかみ」といっています。主に魚の付け合わせ(あしらい)に使われます。
        
   日本で栽培している生姜の品種は、根茎の大きさなどから「大生姜」「中生姜」「小生姜」に大別しています。
大生姜(おおしょうが)は晩生で、茎や葉も大きくなります。一株が1kgにもなることがあり、品種としてはおたふく、印度などがあります。一般に市場で年中みられるのは90%以上が根生姜の、この種です。
中生姜(ちゅうしょうが)は中生で、辛味が強く、繊維質が早く形成されるので、収穫後すぐに貯蔵することなく主に漬物や加工品用にしています。一株の大きさは500g前後、品種は三州生姜、黄生姜などがあります。
小生姜(こしょうが)は早生で、一株が300g前後です。早掘りしたものは葉生姜やはじかみなどにしています。小生姜の品種には、金時生姜や谷中生姜などがあります。
 
 生姜は香辛料、薬用とし用いられています。高知県で全国の生産量の半数を占めていますが、消費量の多くを中国からの輸入に頼っています。露地栽培もありますが施設(ハウス)栽培が年々増加傾向です。
初夏の新(葉)生姜は辛味が少なく湯通しして醤油漬け、酢漬け(寿司用ガリ)、味噌付け、薬味とし利用しています。老成生姜(ひね生姜・土生姜)は、臭み消し、針生姜、紅生姜、清涼飲料(ジンジャエール)、生姜飴・生姜糖などの菓子の風味づけ、根茎に砂糖を加え煮つめ、さらに砂糖をまぶした砂糖漬けもあり、香辛料などに利用します。
新生姜の時に酢と反応して赤くなるのはアントシアンAnthocyanin という色素を多く含み、 根生姜(ひね生姜)になるにつれ少なくなります。辛味のジンゲロールGingerol、ジンゲロンZingerone(結晶:香り成分)、ショウガオールShogaolが新陳代謝を高め、発汗作用があります。

 ショウガオールC17H24O3の名前の由来は日本語の生姜に由来し、ショウガの辛味成分であり、辛み成分のジンゲロール・ギンゲロールGingerolに似ています。ショウガオールShogaolは精油の辛味成分で、生姜のジンゲロールGingerolを乾燥加熱して得られています。ショウガオールの辛さを表す神経末端を刺激する単位としてのスコヴィル値(Scoville heat units,:SHU)は、160,000 SHUです。ピーマンは0SHU、ゼロです。他の辛味成分と比べると、ショウガオールはピペリン(コショウの辛味成分:100,000SHU)より辛く、カプサイシン(トウガラシの辛味成分:15,000,000SHU)よりは辛くはありません。ジンゲロンとともに活性酸素除去、抗酸化力、保温効果があります。代謝をよくし発汗を促し血行を促進、痛みを和らげ、炎症の改善によく神経痛、リウマチに利用しています。胃液の分泌を促し食欲を増進させます。
ジンゲロールC17H26O4はショウガの英名ジンジャーGingerからといわれます。新鮮なショウガに多く含む辛み成分です。ショウガオールとジンゲロールの存在比は、商品の品質の指標とすることもあります。化学的には唐辛子に含まれるカプサイシン、コショウに含むピペリンなどに近く、アルカロイドであり部分構造にバニリン由来のバニリル基Vanilly grouplを持つために、バニロイド類・バニリルケトン類(バニリンVanillin、バニリン酸、カプサイシン、ピぺリン、バニリルマンデル酸など)にも属します。
バニロイド受容体アゴニストで、アゴニストAgonistは、生体内の受容体分子に働いて神経伝達物質やホルモンなどと同様の機能を示します。水に不溶で融点は20~25℃と室温よりやや高く、黄色の油状の液体または結晶性の固体を形成しています。加熱調理により香り成分ジンゲロンに変化し、独特の刺激のある甘い香りを放ちます。乾燥するとヒドロキシ基(水酸基)を失い(脱水反応)、より強い刺激を持つショウガオールとなることから、一般に生のものより、乾燥したショウガの方が辛みが強いことになります。
新鮮な生の状態に多いジンゲロールは酸素に弱い性質を持っているため、酸素に触れた状態で加熱すると酸化し、本来の働きが弱くなります。辛み成分のジンゲロールを摂取する際には、できるだけ生姜に熱を加えず、空気に触れている時間をできるだけ短縮することが大切です。
冷奴にのせて、すり下ろしたショウガは、食べる直前にすり下ろすことで、より効果的にジンゲロールを摂取することができます。生ショウガ中ではジンゲロール類が大半ですが、加熱・酸化乾燥などの操作によってジンゲロールの脱水が高率で起こりショウガオールへ変化 します。辛みが強過ぎて感じられるようであれば加熱、茹でることによって調整することができます。

ジンゲロンZingeroneは化学式C11H14O3で表される有機化合物です。ジンゲロンの名称はジボダン社の登録商標であり、別名はバニリルアセトンVanillylacetoneといいます。天然にはショウガの根や茎に存在し、ショウガの主要な香り成分の1つとして存在しています。貯蔵や過度の熱を加えられた際に、ジンゲロールの一部が脱水を受けることにより生成します。辛みはなく結晶性の個体で、水に微溶ですがエーテルには溶けます。化学構造はバニリンやオイゲノールに類似し、食品用香料としてジンジャーエールなどに使われ調合の原料となります。新鮮なショウガにはジンゲロンは含まれず、ジンゲロールから?アルドール反応Aldol reactionの逆の反応により生じます。
Aldol反応とは、α位に水素を有するカルボニル化合物が、アルデヒドまたはケトンと反応して酸もしくは塩基の存在下、β-ヒドロキシカルボニル化合物を生成する反応で2分子間で起きる付加反応のことです。求核付加反応(きゅうかくふかはんのう、Nucleophilic addition)のひとつであり アルデヒド同士がこの反応を起こすとアルドールを生成することから、この名で呼ばれます。
  香りの精油成分は他にジンギベレンZingibereneを含み他にカンフェンCamphene、シネオールCineole、ゲラニオールGeraniol、ガラノラクトンGalanolactoneが血流をよくし、保温効果が高く、痛みを和らげ消炎作用を有し風邪引き、咳、冷え性に生姜湯、湿布にし利用しています。

黄色の色素クルクミンCurcumin(ポリフェノール:抗酸化成分)によるものです。アミラーゼ、プロテアーゼなどの分解酵素を微量含み消化、吸収を助けます。

漢方で生姜(しょうきょう)として、または根茎を蒸して乾燥させたものを乾姜(かんきょう)といいます。日本では生姜を加えた葛湯は、風邪の民間療法によく用いられます。?生姜の甘酢漬けのガリの香り、辛みがほとんど感じられないものでは殺菌作用は食酢によるもので生姜自体には殺菌効果はないとしているのが一般的です。

ショウガ科Zingiberaceae しょうがか 
  植物界Plantae、被子植物Angiosperms、単子葉類Monocots、ショウガ目Zingiberales、ショウガ科Zingiberaceaeと分類しています。多年草で熱帯の地域を中心に49属1500種ほどで多くの種類が分布しますが、主に日本では3属6種ほどで数少なくウコン(ウコン属)、カルダモン(ショウズク属)、マニゲット、ショウガ(ショウガ科)、ミョウガ(ショウガ属)、益智(やくち)などの有用種が知られます。いずれもおおよそ似ており、地下に肥大する地下茎があります。そこから葉柄が折り重なって茎のように巻いた偽茎が地上に伸び、左右2列に多数の葉をつけています。
葉の基部の葉鞘(ようしょう)が折り重なって茎のように見えるので偽茎と言われています。葉鞘とはいえ丈夫なもので、大きなものでは高さ5mにもなるものもあります。この構造はバナナと同じですがバナナはショウガ目バショウ科バショウ属でその形、構造はよく似ています。
花はたいていは穂状につき。花序は偽茎の先端から出る(ゲットウなど)か、地下茎から別に茎を伸ばしてつけます(ミョウガなど)。
果実は液果、さく果をつけ単子葉植物の一群ですが日本では種類が多くはありません。主に香辛料として利用して、 沖縄では香りがよく、殺菌効果のあるクマタケラン(熊竹蘭)はおにぎりを包むものとして、ゲットウ(月桃:ハナミョウガ属)の葉は餅を包むものに使われています。


 生姜湯は、生姜をすりおろし、おろし汁に刻みネギを加えて熱湯を注いだもので、風邪の引きはじめには身体を芯から温めてくれ、風邪の諸症状を緩和してくれます。お好みで砂糖をくわえるのもよいでしょう。
シップとしては生姜のおろし汁にお湯を加え生姜湯をつくり、できた生姜湯にタオル等を浸してしぼり、肩こりの部分や腰痛・関節痛の部分などに当て湿布します。熱感があるときは、冷湿布が効果的です。
普通に入れた紅茶の中に生姜をすりおろし、小さじ一杯程入れて生姜紅茶として飲みます。冷え性にもよく発汗して全身の臓器が活性化し脂肪や糖分の燃焼に働きます。
 定番の豚肉の生姜焼き、カレーライスの薬味、ソーメンの薬味、生野菜サラダ、お茶漬けとして生姜みじん切りの漬物などにもお勧めです。


       
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