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1980年以前の中学に家庭科、未必修の男性諸氏に医療従事者を含め必要かも。

[辛子] 食生活について語ろう

2019年10月12日 | 美容ダイエット
・辛子/芥子Mustsrd からし

辛子には、和辛子と洋辛子がありました。私は、辛子といえば洋辛子のことと思っていました。ところが違っていました。和辛子と洋辛子について紹介します。

 ◇和辛子はアブラナ科アブラナ属セイヨウカラシナ(からし菜)の種子の粒のままでは辛味はありませんが、 すり潰し水分を加えると強烈な香りと辛味が出てきます。
黄色が少し強い粉辛子を水で溶いて練ったものを練辛子と言い水で溶く際、40℃くらいのぬるま湯で溶くと、揮発性辛味成分がよく出て強く感じられます。
 和辛子はOriental mustsrdオリエンタルマスタードともいい黒辛子とアブラナの交雑種で近畿地方の河原などに群生しているのを見ることができるようです。
近年ではチューブ入りの練り辛子等で用い、和食や中華等で、おでん・冷やし中華・焼売・納豆・カツ料理等や、芥子和え・芥子漬等でも使います。

 ◇洋辛子(マスタード・ホワイトマスタード)はツーンとした辛味の黒辛子、穏やかな辛味の白辛子の種子で、ペースト状の商品に加工するときに酢や甘味を加えたり、一部加熱して辛味を抑えているものもあります。
黒辛子はアブラナ科アブラナ属で原産地は中東のレバノン近辺、草丈は2m近くになります。白辛子の原産地は地中海沿岸、アブラナ科シロガラシ属です。辛味は強くなく味や香りも柔らかです。色は少し薄い黄色です。
サンドイッチ・フランクフルトソーセージ・ホットドッグ等やドレッシング・ソース等にもよく使われます。
 粒入りマスタードは白辛子に粒状の黒辛子を混ぜて酢で調整した物でフレンチマスタードとも言われます。
アルコール類のワイン・リキュールや調味料のビネガー・塩・砂糖・ターメリック・蜂蜜・小麦粉などを加えたもので、辛味よりも香味を楽しむソースとして調整している事が一般的で、加熱し辛味を抑えたりする事もあるといいます。
イギリスマスタードは粉マスタードに小麦粉、ウコンを加えて作られ、鮮やかな黄色はウコンによるもので、日本の和からしのように、強い辛みを特徴としています。

 マスタードは有史以前から世界中の温帯で広く栽培し、西アジア、地中海東岸のレバノン近辺からエジプトや中国に伝わっていったと考えられています。 エジプトでは種子を砕いて現在の粗びき胡椒のような使い方をしたようですが、ギリシアではすりつぶして使うようになり、 ローマでは蜂蜜や酢でのばして肉用のソースに入れたり、 塩漬けの鮪(まぐろ)と混ぜ合わせたりと早くも現在と同じような使い方をしていました。
 中世になると貴族・教会・富裕層の間では基本的な香辛料としての地位を確立していました。 しかし一般にはなかなか香辛料としては普及せずに、もっぱら湿布薬など薬用に使われていました。
香辛料として普及したのは、17世紀にフランスでを絞って、さらに製粉する方法を考案し、18世紀の1720年にイギリスのクレメンツ夫人によって、きめ細かく黄色の粉末に加工する技術が完成したことによります。
辛子の種子はを40%も含んでいるので、すりつぶしてもペースト状になってしまい、粉末にはできませんでした。 粉末化により香辛料として広く普及していったのです。
 日本では野菜としてのカラシナ類の栽培は古く、奈良時代~平安時代初期のころ中国から渡来したようです。大日本古文書(739年)、本草和名(918年)、 延喜式(平安時代の法典:927年)などに芥の漢名に、和名として加良之(からし)で、芥の記述が見られます。
鎌倉時代まではカラシ菜の葉をそのまま薬味として使っただけで種子は使われている形跡は、見られていません。 初めて実芥子の文字が見られるのは四条流庖丁書(1489年)です。
 辛子の成分は、和辛子・黒辛子はアリール辛子油です。
白辛子ではパラハイドロオキシベンジル辛子油が辛味成分ですが、これらは種子や乾燥粉末の状態ではそれぞれ黒辛子でシニグリン、 白辛子でシナルビンという、それぞれ配糖体の形で存在し、香りや辛味がありません。 
これらに水を加えるとミロシナーゼという酵素の働きで糖が分離し、辛味成分を含んだを生成し精油の含有量は0.5%~1.0%程度です。

 カラシには本来、芥・古くは加良之という字をあてていたのですが、芥子の字はケシと同じ漢字です。確かにカラシにも現在ケシにも同じ芥子があてられています。
カラシナを以前は芥菜としていました。「和漢三才図会(わかんさんさいずえ:1712年)、本草綱目啓蒙(1805年には「芥菜」で載っているようです。
中国での芥(カラシナ)の説明を2000年からの中国のオンライン検索エンジン「百度百科」から芥菜、味辛烈と記載しています。芥(からし)と呼ぶ植物が辛い(からい)のでその種子より作られているので辛子と書くことになったのではと推測します。
現在では、日本で使われている辛子はほとんどがカナダからの輸入物です。

 辛子には和辛子と洋辛子(マスタード)がありますが、現在ではその区別も曖昧(あいまい)です。黒辛子が主であれば黒辛子でアリルイソチアシアネートの辛味が強くなります。
白辛子でパラヒドロキシベンジルイソチオシアネートPara hydroxy benzyl isothiocyanateを含みどちらも殺菌、免疫力強化、抗酸化、抗がん作用があります。
アリルイソチアシアネートのLD50は、339mg/kg(経口:16.95g/50kg)として示し多量に長期間摂取すると、中毒として甲状腺腫に陥いるとの報告があります。
 
最近では、和辛子、洋辛子と厳密に区別できません。黄色いのが辛子、グリーンなのがワサビと覚えるのが一般的です。どちらもアリルイソチアシアネートを含みます。過剰摂取にならないようにして、健康維持にお役立てください。
 
 
 
[2019.10.12]
 
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