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一年中読書週間

自分の読んだ本の紹介と感想

「護りと裏切り」を読みました。

2013-06-20 13:49:45 | Weblog

アン·ペリー著「護りと裏切り」を読みました。

「アレクサンドラは夫殺しを自白したが、真の動機を明かそうとしない。中央裁判所の法廷で明らかになる戦慄すべき事実とは。歴史ミステリの大家が放つ堂々たる傑作ミステリ。」

ヴィクトリア朝のロンドンが舞台なので馴染みはないが、なにしろみんなに尊敬されている将軍が悪いことなどするわけがないという、神話のような世界の話。後編の最初の辺りから裁判が始まり、事件の核心に迫る。大逆転劇が起こる! でも、関係者みんなの心はずたずた。

なんでも真実を追求しない方が上手く行くこともある。でもそれではいつまで経っても悪は滅びない。誰かが鉄槌をくらわせないとならない。

後編の裁判がなかったら大した作品ではないが、裁判はなかなかいい。


「時の地図」を読みました。

2013-06-07 13:59:04 | Weblog

フェリクス・J・パルマ著「時の地図」を読みました。

SFだろうと思って購入しましたが、微妙な内容でした。3部構成になっていて、H・G・ウエルズも活躍するし、切り裂きジャックやエレファントマンも出てきます。「西暦2000年へのタイムトラベル・ツアー」を催す時間旅行社もあり、てっきりSFだと信じて読んでいたのに、完全に裏切られました。

3部でやっとSFらしくなりますが、もう手遅れ。そこそこ面白くはありますが、途中の恋物語や恋文には辟易しました。

なにかの賞を受賞した作品だそうですが、わたしには合いませんでした。


「牛乳アンタッチャブル」を読みました。

2013-05-29 10:02:13 | Weblog

戸梶圭太著「牛乳アンタッチャブル」を読みました。

雲印乳業で販売した牛乳を飲んで1万人が食中毒になってしまう。

実際にあった企業不祥事を題材にした、スラップスティックアドベンチャーフィクションで、初期の筒井康隆作品を髣髴とさせる。「俗物図鑑」を思い出した。

印乳業」という企業名がいい!

話はあれよあれよという内に、とんでもない方向に暴走する。癖のある登場人物たちが寄ってたかって混沌に導く。

面白い作品でした。


「夢幻花」を読みました。

2013-05-11 22:41:11 | Weblog

東野圭吾著「夢幻花」を読みました。

黄色い花を咲かせる植物が絡む殺人事件ミステリー。よく考えて作られている。

いくつかの伏線が見事にまとまる。しばらくはどう話が進むのか予測がつかなかったが、段々と謎が解けて真相が明らかになってくる。さすが東野圭吾作品だ。ちょっと無理なところもあるが、面白ければいいじゃないか。


「量子宇宙干渉機」を読みました。

2013-04-29 15:28:44 | Weblog

ジェイムズ・P・ホーガン著「量子宇宙干渉機」を読みました。

量子コンピュータが完成した21世紀のSF作品。このコンピュータは並行世界にあるコンピュータと並列して処理を行い、より正解へ近いものだけへ収斂して解答を出すというもの。研究しているうちに、この装置は並行世界を使って計算するだけでなく、人の精神を並行世界でその人物に対応した人間に飛ばす能力があることが判明する。平行世界の別の世界の特定の人物に、物語の主人公たちの精神が入れ替わってしまう。肉体は元の世界に残っている。

この研究がアメリカ政府の国家プロジェクトとして次第に軍事色を強めていく。

600ページ近い厚い本なのだが、SFというよりも、科学者と国家の軍部との駆け引きが中心の話であり、正直あまり面白くなかった。ただ長いだけ。途中何度も読むのを止めようかと思った。「星を継ぐもの」「巨人たちの星」の方が断然面白い!


「ビッグ・ドライバー」を読みました。

2013-04-21 18:52:56 | Weblog

スティーヴン・キング著「ビッグ・ドライバー」を読みました。

突然の凶行に襲われた女性作家の凄絶な復讐(表題作)と、長年連れ添った夫が殺人鬼だと知った女性の恐怖を描く中編「素晴らしき結婚生活」を収録。

スティーヴン・キングって、もう小説は書かないのかと思っていたら、ガンガン書いていますね。楽しみです。

キングは短編も中編も長編も上手ですね。わたしはキングの長編が好きです。

「ビッグ・ドライバー」はレイプ犯を殺してしまう話です。仕組まれたレイプだったのですね。おぞましい話ですが、なかなか面白かったです。

「素晴らしき結婚生活」は、殺人鬼だと判明した夫を妻が事故に見せかけて殺してしまう話です。ちょっと不自然なところはありますが、興味深い内容です。


「謎解きはディナーのあとで3」を読みました。

2013-04-10 18:26:30 | Weblog

東川篤哉著「謎解きはディナーのあとで3を読みました。もちろん1も2も読んでいます。

大変に面白い文章を書く作家で、読んでいて楽しくなります。

6編入っていますが、どの話も面白く、”執事兼運転手”の影山の推理は冴えています。

長さもお手頃で、ミステリー初心者にはうってつけの本です。


「ゴーグル男の怪」を読みました。

2013-04-06 20:09:23 | Weblog

島田荘司著「ゴーグル男の怪」を読みました。

島田荘司の作品は全て網羅したつもりが、この作品だけ見逃していました。

新潮社から出ているのに、なぜ見逃したのだろう? 2011年10月の初版だ。

この作品は、本当に島田荘司が書いたのだろうか? なんか違和感がある。

ゴーグル男と原発の臨界事故がいかにも関係ありそうに書かれていたが、実際は全く関係がないようで、島田荘司の作品らしくないし、オチも気に入らない。

NHKのドラマのために書かれた作品のようで、それが影響しているのかもしれない。なんとなくキレがない。


「ガリレオ8:禁断の魔術」を読みました。

2013-03-28 19:59:35 | Weblog

東野圭吾著「ガリレオ8:禁断の魔術」を読みました。

「透視す」「曲球る」「念波る」「猛射つ」の4編を収録。「透視す」では、相手の名前や鞄の中身を言い当てる透視のマジックを持ち技にしているホステスが殺される。「曲球る」では、プロ野球選手の妻が殺され、「念波る」では、テレパシー能力があるらしい双子の妹が姉の殺された事件を感じ取る。「猛射つ」では、湯川の教え子、古芝が、湯川が教えたレールガンにより殺人を計画する。

どの作品もよく出来ている。ちょっと無理なところもあるが、そんなことは度外視して、わくわくしながら読めた。東野圭吾作品は文句なく面白い!


「機龍警察 暗黒市場」を読みました。

2013-03-17 17:27:27 | Weblog

月村了衛著「機龍警察 暗黒市場」を読みました。

近未来SF警察小説です。龍機兵(ドラグーン)と呼ばれる三体の次世代軍用パワードスーツを駆使して悪と戦う警察ものですが、この作品にはあまり龍機兵と機甲兵装との戦いがありません。元ロシア警察のユーリ・オズノフ警部の生い立ちが中心に物語が展開されています。「主役」はユーリ・オズノフ警部になります。興味深い生い立ちだとは言えますが、わたしはもっと龍機兵の活躍が読みたかったのです。そういう点では、満足できる作品ではありません。