直木賞候補作品「ミカエルの鼓動」を読み終えた。
「ミカエル」とは手術支援ロボットの名称だ。その第一人者である医師を中心に描かれている。医師と患者とはどういう関係なのか? 大病院の使命とはなんなのか? 人の命を預かる医師の責任は重い。でも、全ての患者を助けることは出来ない。医師は意思が強くないとやって行けないだろう。失敗は許されない立場である。
それでも医師だって人間だから、いろいろと問題は持っている。欲だってある。現実がどうなのか知らないが、この作品に出ている医師たちはみんな真摯に医療に取り組んでいる。そこがちょっと嘘臭い気もする。主人公の行動には同意出来ない点がいくつかある。ストーリーの内容にも違和感がある。なので、受賞は出来ないと思えるが、興味深い作品ではある。