学校のない社会 大学のない世界

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日本における分断

2004年11月24日 20時47分53秒 | 政治・経済・軍事
 むなぐるまさんのブログhttp://munaguruma.air-nifty.com/blog/2004/11/_111804.むなぐるま
 で、読者からの手紙として、mさんのメッセージが掲載されている。
 そのなかでは、アメリカ人の一般的な生活感覚として、イラク戦争は形而上学のことではないかと書かれていた。
 ブログの管理人むなぐるまさんや、コメントをよせた読者も、大方は同意している。

 自分は、この記事を見て連想したのは、大方の日本人のことである。
 普通の日本人にとっても、イラク戦争のことも、誰kが人質にとられた事件も形而上学ではないのか?
 
 該当でチラシをまき署名を集めるときの、道行く人々の無関心な表情や身振り、そしてなんともいえない冷たさ。
 たたくのが面白いから、ノリがいいからといったほどの理由でやっているとしか家に人質バッシングや拉致被害者バッシング。
 
 一部のゆとりのある、知的。文化的レベルが高いとされている層の人たちーー学者、公務員、大学教員、NGOのボランテイア、ジャーナリスト、聖職者などーーを除いて、日本国民の大半は、
イラク戦争あどいまひとつピンとこない。
 それよりも、目の前の問題ーー年金、介護、減給、リストラ、倒産、地域商店街のゴーストタウン化、地震や台風などの際の災害救助などーーが、より切実な課題となっている。
 中産階級の下~下層階級の上程度の低かつを守りたい。それが、おおかたの人々の願いなのではないだろうか?
 
 こういう一般の人たちを、これまでアクテイヴィストたちは、無視したり見下したりしてきたのではないだろうか? 「意識が低い」「民度が低い」などなど。それで、知識や情報をつめこめばなんとかなると錯覚をおこし、たくさんの講座や額集会を開く。しかし、残業で疲れたり、そもそも日常日に葉足りていたりする人たちには関係ない。そこそこは裕福なアクテイヴィストは、サーヴィス業の人びとと日常交流がない。そのため、どうしてもそういった人たちの存在を忘れがちだ。
 また、運動に参加しない一般の人たちも、アクテイヴィストの傲慢さに辟易したり、自分の地位の低さを恥じて実態を報告しない傾向があることも否めない。いや、伝えてもスルーされる経験によって話さなくなったというべきか。あるいは、話すこと自体が「失礼」「みなといっしょではない→感じが悪い→コミュニケーション力がない」という解釈によって封じられているのか?

 熱心に帆船を訴える人々と、そうしない人々の間には、日本においても亀裂が走っている。この
大きな断層に、どんな橋をかければよいのだろうか?

マスメディアはどうして……

2004年11月11日 20時12分18秒 | メディア
 当方、新聞をとっていない。新聞を見るのは図書館かキオスクになる。
最近、キオスクで新聞の一面の見出しを見た。ファルージャ攻撃。

 なぜ、今になって大きく報道を? との感は否めない。
平和運動関連のネット情報や、現地に行ってきたボランテイア・ジャーナリストらの報告会では、
一年ほど前から、ずっと大問題として指摘されつづけてきた。また、市民系のミニコミ誌や業界紙でも、大きくとりあげられている。
 たとえば、ふぇみん、AML、阿修羅などを参照してほしい。各地の市民団体発行のパンフレットを読んでほしい。関連のHP,ML、ブログを検索してほしい。あなたは星の数ほどのファルージャ攻撃(または虐殺)に関する情報を見つけるだろう。

 どうしてマスコミは情報を隠すのか? もう隠し切れなくなったギリギリのタイミングまで、隠蔽期間を延ばすのか? そして、最後にはとりあげる。「報道しなかったわけじゃない」「批判がないわけではない」といいわけするための報道を。
 
 もうひとつ、岩波書店の月刊誌「世界」に、内藤朝雄のいじめ論が掲載された。内容は、彼がこれまでネットやマイナーな雑誌や書籍で発表してきたもののダイジェストだった。
 この問題も、本当なら10年前、20年前にとりあげるべきテーマだった。とりわけ、80年代の反管理教育運動、登校拒否・不登校のフリースクール・フリースペース運動、子供の人権運動などが盛り上がった時期に、なぜ、とりあげられなかったのだろう?

 この問題については、記者クラブ制度や大新聞・大放送局の寡占状況が非難されてきた。だけど、アメリカの言論統制の激しさを見るに、それだけが原因だとは考えられない。

 純情ぶって、すっとぼける。遅すぎる・不充分の報道を繰り返す。メディアの隠蔽・検閲体質と、報道ひきのばし作戦には、もううんざりだ。これじゃ、新聞はとらずにネットだけ見る人たちがいるわけだ。TVも信じない層が出てくるわけだ。
 自分の観察では、若い世代で、都市部に住む者、NGOに関わりのあるものほど、新聞をとらず、TVを見ず、コンビニ雑誌をバカにする傾向があると思うがどうだろうか? 今言った属性をもつ者ほど、ネットや直接現地に行った人の報告を重視する。あるいは、新聞やTVよりも、本・雑誌・ミニコミ誌や業界紙を信用している。
 一般論としては間違っているかもしれないが、希望のある者ほどTVや新聞を相手にしていない。困難な状況のもと、希望を失った層ほどTVや新聞の情報をうのみにする傾向はあると思うのだが、どうだろうか?
 

(11/15趣旨を変えない程度に修正しました。)
 
 
 
 

 
 
 

 

 



ブッシュ再選

2004年11月09日 02時05分55秒 | 政治・経済・軍事
 アメリカ大統領選にて、ブッシュが再選された。ブッシュ、ケリーどちらが大統領になっても、アメリカのライフスタイルは変わらない。日本にとって厄介で手ごわく、しかも大切な同盟国であることに変わりはないのだが。

 アメリカのメディアのリベラルの宣伝とはうらはらに、実際には保守派が圧倒的に強いようだ。
経済と軍事においてはアメリカが強くても、政治と文化においてはヨーロッパをはじめ、ユーラシアが強い、それへの反発ということか。
 テロが起これば「嫉妬じゃないの」というくせに、自分たちの側のもつヨーロッパへの嫉妬については指摘しない(苦笑)。
 
 ブッシュとケリー、二つしかない選択肢が、民主主義の本道からすれば邪道ではないだろうか? 二大政党制ではなく、ヨーロッパのように多党制のほうが、国の中多様な利害を反映できて合理的ではないだろうか? (実際には日本も二大政党制の方向に向けて歩いているが。)

 ブッシュにはできる限り早くイラクからの撤退を求めて行くしかあるまい。何でもアメリカ追従で、またそうするほかない状態にある日本政府に対しても。
 

 
 

用語解説:学助(がくじょ)

2004年11月01日 02時12分59秒 | オルタナティブ大学
読者からいただいた情報の中に「教授」という言葉があった。
こちらのパレーシア大学では、教授をおかない。
チューター(学習助言者)がいるだけだ。
略して学助。
権威主義的な上から下へと「教え授ける」関係はここにはない。
ただ、本人が自主的に学ぶのを助ける役割があるだけだ。
「教える」とは「おしつける」ことでもある。
それに対して、「学ぶlの場合はより主体性が前面に出ている。
まったく強制のないというのも厳密には成り立たない。それでも、大雑把な方向性としては、
自主的な学びを支援してゆきたい。
それゆえに、当ぱれーしあ大学では、教授ではなく学助をおくものとする。

イラク情勢ーー今は危険すぎる!

2004年11月01日 00時45分43秒 | 政治・経済・軍事
AML(Alternative Mailing List)より転載。コリン・コバヤシさんのメッセージです。
自分の目で真実を確かめたいという熱意は尊いですが、今のイラクはますます混迷状態が深まり、
とてもスタデイ・ツアーにもボランテイアにも行けないようです。点線以下転送。
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Subject: [aml 41648] 香田さんの悲劇的結末
From: kolin kobayashi <kolinko@wanadoo.fr>
Date: Sun, 31 Oct 2004 15:44:23 +0100
Seq: 41648

コリン・コバヤシ@グローバル・ウォッチ/パりです。

何度か誤報が重なったあげく、結末はやはり悲劇的なものでした。
わたしたちグローバル・ウォッチも持っている連絡網をすべて使い努力しまし
たが、香田さん救出に結びつく情報は何一つ得られませんでした。

前便で<今日、日本が違法な戦争に加担し、曖昧模糊とした情報しか流さず、
メディアが戦争の事実を報道することを怠るとき、
多くの若者の中に、現場に行って自分の目で確かめたいという人たちが現れて
もまったく不思議なことではありません。>
と書きましたが、しかし、現在のイラク状況は、高遠さんらが拉致されたとき
に比べても一段と悪化しており、カオス状態です。
ほぼすべての人道支援関係のNGOがイラクからの撤退を余儀なくされていま
す。どんな事態が起こっても不思議でない状態です。
若い方々の中には、是非自分の目で、と意欲を燃やす方々がいることは事実で
すが、日本政府の欺瞞的勧告ではなく、命と引き換えにと考えない限りは、現
在のイラクへの入国はすべきではないでしょう。
この違法な戦争の蔓延化は、アラブ世界の民衆の憎悪を、アメリカ合州国やイ
ギリスにたいしてのみならず、合州国と同盟を結ぶ国々に対しても、増幅させ
ているといえます。こうした事情を背景に、様々なグループが極端な行為に走
る可能性が広がる恐れが潜在的にあります。違法な戦争が続けば続くほど、日
本国内においても様々な最悪な事態が予期できます。
こうした事態を起こさせないための唯一の方法は、現在の違法な戦争をできる
限りはやくストップさせ、グローバル・ジャスティスを早期に確立する以外に
ありません。そして、それができるのは、既成の政府でも政治家でも多国籍資
本でもなく、わたしたち市民の一人一人です。その一人一人が連帯して、国際
市民社会としての圧力を強力に日本政府や合州国政府にかけられるとき、私た
ちの希望は実現するはずです。
この度の悲劇を乗り越え、グローバル・ジャスティスを実現するために協働し
ましょう。